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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
九話:兄と妹とフローライト
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パソコン音楽部は、ボイカロイト上映をしてから二時間後。

岩本祭終了のアナウンスが流れた。

一般のお客さんは帰り、学校内は後夜祭に突入していた。


後夜祭とは岩本祭の終わりを惜しんで行う学生たちだけの祭り。

リア充高校生が、キャンプファイヤーを囲んで踊れや騒げのシメの祭りと工藤先輩が言っていたな。

夕暮れ沈む学校の校庭、祭りの終わりは少しわびしい。

学内にそんな空気が流れていた。


だけど俺は、後夜祭に参加しないで部室に戻っていた。

パソコン部の部員は意外と後夜祭へ出ていたので状況を知らない。

俺だけの部屋になった部室で、窓際の席を陣取ってじっと外を眺めていた。

夕焼けにキャンプファイヤーの周りに集まる人々。


(最後にフローライトの方を見て……一応は顔出すか)

俺のそばにあるのはスマホ。そこにはメールが数十通届いていた。

もちろん差出人は一人でアイツしかいない。


(純花がうるさいしな)

リア充共同体と勝手にかこつける純花を、無視するようにDSPをやっていた。


~~エメラルド城・フローライトの部屋~~


相変わらずの白黒で統一されたゴシック系の部屋。だけどどこか落ち着く部屋だ。

中央にはテーブルがあってそこにはフローライトの姿があった。

前回の井戸から出てきて、優雅にお茶をしていた。

リアルのイベントが終わって、フローライトの笑顔が見えた。


「私を助けてくれてありがとうございます」

深々と礼をしたのは、シアン色の華やかなドレスに身を包んだフローライト。

それはまさに佳乃そのものだった。

泣いている彼女の顔はなく、穏やかな笑みを浮かべていた。


「フローライト、兄とは和解できた?」

「はい、リアルで和解できれば私も幸せになりますよ~」

口調まで穏やかでおっとりしているな、フローライトは。


「そうか……」

「大臣は優しいのですね」

「優しくは……ない」

「いいえ、こんな私にも優しくしてくれるんですから」

「それは、放っておけないから」

「放っておけないですか~?」

だけど、この声は全く違うところから聞こえた。


それはゲーム画面じゃない、俺はおそるおそる顔を上げた。

上げた先に、パソコン部の部室ですぐ近くに顔があった。

その顔を見て、俺は思わず椅子から転がり落ちた。

だけどDSPを持っていた手は離さないぞ。


そこはリアル、フローライトと全く同じ顔。

コスプレのチャイナドレスを着たそいつは、

「よ、佳乃……」

「何やっているの?」

いつもどおりにこにこしながら、佳乃が俺のそばにやってきた。

すぐに右手に持ったDSPを覗いてきて、


「これ……私、ですか?」

「えと……あの……」

見つかった、いきなりの修羅場だ。

しかもよりにもよってフローライトのゲームをやっているところ佳乃に見られてしまった。

俺は嫌な汗をかいて、あたふたと手をバタバタさせた。


「教えてくれますか、どうしてゲーム内に私がいるのかを?」

そんな佳乃の追及に、俺はもう腹をくくるしかなかった。



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