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おののき、そして厄災へ  作者: ハロ
1章高校1年生 悪魔編
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3話 生徒会へようこそ!

「どうしたんだい?」


僕と燐火は躊躇(ためら)う。

先程、将棋、囲碁部の人に酷い目に合わされたからだ。あれがなくても、生徒会室は躊躇(ちゅうちょ)するけどね。


それを話すと堂々先輩は、笑った。


「そうかそうか!でも、大丈夫だ!強制しないぞ!それに見学する機会等、そうないと思うけど?」


確かに。

生徒会室には、用事がなければ来ない。クラブの部長ならば、予算で争うので入室すると思うけど。


「では、お言葉に甘えて」


「右に同じく」


燐火も僕の後から入る。


生徒会室は思った以上に広かった。

教室1部屋はあると思う。色々な物が置かれており、棚にはギッシリと資料が敷き詰められている。棚の上にも置ききれない段ボールが乗せてあり、落ちたら大惨事となるだろう。


「どうだい?」


「思った以上に広いです。綺麗に片付けられてますね」


「5Sは基本だからね!」


「5S?」


「整理、整頓、清掃、清潔、躾の略だよ」


「成る程」


僕は感心した。

自分の家でも片付けが難しいのに、公共の場所でここまで丁寧に行えているのだ。流石、生徒会だと言える。


「日比野 燐火君」


「え!?はい」


「君に会いたかった」


え?先輩、ここで愛の告白ですか!?

僕は出て行った方がよいのだろうか?


「あ、あの、よく分かりません」


「ああ!ごめん!誤解を招いたね。ここの坂を自転車で登ったのを見ていたんだ」


燐火は顔を真っ赤に染めた。

上目遣いで、先輩を見る。やはり燐火も女の子なのだろう。堂々先輩は頭も良くて、顔も良い。人気者で告白が絶えないらしい。


「先輩も自転車で登ったのを聞きました。創立75年にて初めて登りきった人物だって」


「そうだね。そして、君が2番目。

だけど、女子では初めてだと思う。これは快挙だよ!日比野君!」


燐火は更に顔を赤くする。

首元までも赤くなっている。やはりイケメンは違うなぁと思った。僕みたいなフツメンが言っても、ナニソレ?で終わるだろう。


「日比野君は部活はとうするんだい?」


「あ、えーと、その、今は陸上に入るか悩んでいる所です」


燐火は僕をチラリと見る。

助け船が必要なのだろうか?


「それは残念だ!何処にも入らないなら、生徒会に誘いたかったのだけどね」


堂々先輩も僕をチラリと見る。

何故だ?意味が分からん。


「所で、寺師羽根君はもう部活を決めているのかい?」


「いえ。でも、文科系のクラブに入るつもりです」


「そうか!ならば、生徒会に入らないか?お試しでも構わない」


「え?平々凡々の僕が?生徒会は有能な人材でなければ、通用しないと聞いてますけど」


「そうだね。会計とかは能力が必要になるね。でも、生徒会はそれ以外に沢山の仕事を抱えているのだよ。例えば、校内の規律を守る。挨拶運動や、ボランティア。そして、今抱えている問題が、ね」


「問題?」


「うん。校内である遊びが流行っていてね。それを取り締まる必要があるんだ。でも、人員が足りてなくて、困っていた所なんだよ」


堂々先輩は窓の方を向いた。

部活をしている学生を眺めている。


「生徒会は、生徒会長、生徒副会長、会計、書記の計4名で構成されている。だけど、その他の雑用や校内の規律を守る人材が欲しいのだよ。雑用係がね」


「ねぇ、奏介。やってあげなよ」


「でも、僕には向いてないよ」


生徒会長はこちらを向き、何か閃いた様子だ。


「日比野君も生徒会に入らないか?見回りとか、二人っきりだよ?」


「入ります!是非!」


「な!?」


燐火!お前!何を考えてるんだ!?

体育会系の似合うお前が、文科系に入ってどうするんだ!!よりにもよって、生徒会なんて!


「燐火!陸上はどうするんだよ!」


「え?そんなの知らない。あたし決めたもん。生徒会に入る」


「さぁ!寺師羽根君も生徒会へようこそ!」


何故か僕まで生徒会に入る事になった。

僕は燐火をジト目で見る。だけど、目を逸らされた。この恨み、いつか晴らさずにはおられない!


こうして、雑用係となった僕達は、詳しい説明を受けるのであった。

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