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おののき、そして厄災へ  作者: ハロ
1章高校1年生 悪魔編
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17話 生きるのはとても辛い

燐火は入院した。

そして、生徒会を辞めると告げられる。


「燐火ちゃん、辞めなくても良かったのに」


田中先輩がそう呟いた。

治ったらまた活動すればいい。誰もがそう思うだろう。


だが、癌とそう簡単な病気ではない。

若ければ若い程、病状は悪化する。進行が早くなるのだ。


細胞というのは、分裂を繰り返している。

新陳代謝と思ってもいい。癌は細胞分裂のコピーミスにより発生するのだ。だから、誰にでも起こる病気といえよう。


先天性な癌もある。

遺伝による事も。


よく昔言われたのが、焦げた食べ物を食べると癌になる。お母さんにそう言われた。


実際には、肉を丸焦げにして、炭の状態のモノを2kg程度食べればなるらしい。


そんな不味いモノを食べる人間等、居ないだろう。だから、少しくらい焦げていても問題無い。


それよりも何を食べるか、だ。

脳ミソや脊髄等は危ういかもしれない。


食べたら何故そうなるのか?

は、説明出来ないが、狂牛病がそれに当たる。


ただの肉の部分すら危ないのだ。





「寺師羽根君、日比野君はどうなんだい?」


「それが、かなり厳しいかと…………………フェーズ3の後半らしいんです」


「!?」


「何なの?フェーズ3って!そんなの解んないよ!燐火ちゃんは治るんだよね!そう言ってよ!!」


僕は下を向くしかなかった。

田中先輩は涙を流す。ポタリ、ポタリと床に零れた。


「そういえば、新しい治療法が開発されたらしいな。何だか…………」


「1本100万円の注射だな」


「それだ。なぁ、寺師羽根君。これは日比野君に有効ではないのだろうか?」


「そうですね。今日にでも行って来ます。先ずは、膝の腫瘍からみたいですね。放射線治療を施すらしいです」


「そうか。抗がん剤も打つだろうな」


「…………はい。抗がん剤を投与されると、髪の毛が───」


「いやぁあ!!!それ以上言わないで!!日比野さんが可哀想でしょ!貴方達!何も思わないの!?髪の毛は女の命だよ!?ねぇ!!う、う、うわあ!!」


長谷部先輩は泣いた。

いつも冷静な判断をする長谷部先輩が。僕も涙が溢れそうになる!でも、ここで泣いたらダメだ!僕は涙を堪える。


「暫く生徒会をお休みしてもよいでしょうか?」


「あ、ああ。でも、日比野君に何かあったら、直ぐに知らせてくれ」


無言で頷いた。

田中先輩や長谷部先輩の前では言わない。堂々先輩と内緒の話をしたのだ。





先輩の言っていた100万円の注射を検索する。

最先端の治療法で見つかった。癌細胞は通常細胞にまとわりつき、身を隠している。だから、見つけにくい。それに加え、見分けが付きにくいのだ。そもそも、癌細胞は細胞のコピーミスによるモノ。殆ど違いが無いのだ。免疫力が弱っていた場合、癌細胞を刈り取れなかった、もしくは、見逃してしまった、から細胞分裂でどんどん増える。増え続け、本人が気が付いた時にはもう末期。


この注射は、そのまとわりついた癌細胞を引き剥がす。

そして、抗がん剤や放射線治療で、癌細胞を殺していく。例え、末期の癌にかかっていても、治ったという報告さえあるのだ。


成功確率は30%。


効果が分かるには2、3ヵ月かかる。

そして、ダメだった場合は・・・その頃には生きていないかもしれない。





僕は悩んだが、これを燐火の両親と本人に話した。

そして、燐火は注射を打つ決心をするのだ。

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