15話 銭湯は危険が一杯
家に帰ってお風呂セットを用意した。
帰り道で燐火に電話したが、出なかったのが気になる。家まで行こうか悩んだが、生徒会のメンバーで銭湯に行きたかったから、そのままにしておく。
「はぁ、燐火が来れば全員集合だったのに」
「まぁ、まぁ、それは仕方ないよ」
「じゃあ、19時ジャストここで集合!」
「「おー!」」
二手に別れて銭湯に入った。
勿論、混浴ではない。男と女に別れたのだ。
チケットを販売機で購入する。
昔来た時は無かったのに。近未来にタイムスリップした気分となる。値段は300円から値上がりしており、450円となっていた。
これは入湯税が上がった事によるモノだろう。
入湯税とは、地方税である。入湯するのに1人につき150円が目安となる。約90%の地域がそれにならう様にして設定しているのだ。日帰りや泊まりの場合、70円~300円と幅が広くなっている。あくまでも目安なので、これに限る訳ではない。
※日帰り、宿泊は温泉やお風呂の設備がある場所の事。
「寺師羽根の息子、デカイな!」
「タオルで隠しても無駄だ!」
「もう!止めて下さい!」
「絶対にタオルを湯船に入れるんじゃねーぞ?」
「あ、風呂に浸かる前には体洗えよ!」
指摘され、先に体を洗う。
レバー式に変わっており、一定時間過ぎると止まる。シャンプーした後の頭を流すのに一苦労するのだ。このシャワーが曲者で3秒しか水が出ない!何度も何度もシャワーが止まり、レバーをその度に下げる。
「これ短過ぎですよね!」
「ここのはメッチャ早いな!だから、こうだ!」
レバーを下げて下げて下げる!
水が止まる前にレバーを下げるから、シャワーは止まらない!
「でも、これだと片手じゃなかなか泡を流せませんね」
「よし!俺がレバー係をしてやろう!」
堂々先輩がレバーを下げる!
ガコンガコンやるから、もう壊れるんじゃないか?と思った。
「堂々先輩!やり過ぎですよ!壊れたら弁償ですけど!?」
「お、おう!すまん」
「堂々。お前は罰としてジュース皆に奢れよ!」
「仕方あるまい」
国光先輩が堂々先輩を睨む。
僕は何も言えなかった。この二人あまり仲良くないのだろうか?まぁ、二人共、3年生だし言いたい事を言える仲なのかもしれない。進学か就職するのだろうか?僕も後2年すればそういう事に悩むんだろうな。と考えていた。
「おーい!こっち来て!」
「はい?」
堂々先輩を見ると、物凄い水圧で体を覆われていた!
よく見ると、水ではない!空気だ!バブルジェットなのか?でも、テレビで見たのとは威力が違い過ぎる!
「ぐお!これ凄いな!」
「だろう!国光も耐えられるかな?」
僕は二人を見ていた。
しかし、様子がおかしい。どうしたんだろう?
「堂々先輩?」
堂々先輩に近付いて行くと、股関をバブルジェットに当てていたのだ!国光先輩も同様に。
「竿が!くう!」「これはヤバい!」
僕はボタンを押してバブルジェットを止めた。
そして、二人をジーと見る。
「田中先輩と長谷部先輩に報告しますからね」
二人は慌てて外に出る。
そして、僕を捕まえ、バブルジェットの前に!
「止めて!お願い!ひ、秘密にしますからぁ!!!!」
僕は洗礼を受けた。
マジでヤバかった。出てしまう所だったのだ。二人から間一髪で逃れられたから良かったものの。
「もう怒るなって」「これは男だけの秘密だからな!」
僕は涙目になっていた。
息子が落ち着いたので、湯船から出たのだ。
着替えを済ませ、扇風機に当たる。
業務用の大きな扇風機は、威力抜群だ。ついでに体重も計っておこう。こういう時にしか、計らないからね。体重は去年と同じだった。
堂々先輩と国光がは、ドライヤーで髪の毛を乾かせている。
髪型が決まらないのか、何度も手で直していた。
僕は先に広場に出る。
すると、田中先輩と長谷部先輩が居た。
「やっぱりお風呂上がりは、コーヒー牛乳だよね!」
「ですです!」
僕はコーヒーを買って合流する。
「むむむ!てらっち!それは何かな!」
「珈琲ですけど?」
「銭湯上がりはコーヒー牛乳と相場が決まっているのだよ!」
「ですです!!」
風呂上がりで絡まないでよ。
僕はカパッと、蓋を開けた。缶珈琲はあまり好きではない。美味しくないからだ。アロマブラッグがあればと思うけど、自販機では購入するのは難しい。jcbdが販売しているから、無理だと思う。
缶珈琲ではあれば一番旨い。
タバコを販売しているメーカーなのに意外だ。
「おーい!待たせたな!」
堂々先輩と国光先輩がようやく合流した。
手には飲み物が握られている。合計3本。
「寺師羽根君!何故、珈琲を飲んでいるのかね!」
「そうだよ!おかしい!」
「ですです!」
「男は風呂上がりは、フルーツ牛乳だろうが!!」
「は!?」
「堂々君!違う!!コーヒー牛乳だよ!」
「いやいや!フルーツ牛乳だ!」
堂々先輩と田中先輩がケンカしている!
フルーツでもコーヒーでもどっちでもいいだろ?牛乳で割ってるんだし。
「寺師羽根君!コーヒー牛乳だよね!?」「寺師羽根君!フルーツ牛乳だよな!?」
「あの…………どっちでもいいと思いますが」
「「はぁ!?何を言っているんだ!!!」」
僕は何故か説教された。
コーヒー牛乳の何とか素晴らしい事か!フルーツ牛乳のあの優しさを!
泣きたい。
もうお家に帰して!




