12話 賭けようぜ
僕は自分の部屋で考えていた。
霊について教えては貰ったが、悪魔については殆ど知らない。
スマホで検索し、調べる事にした。
1時間くらいネットサーフィンして、大体分かってくる。
悪魔とは、契約で成り立つ。
契約する事で、人に取り憑くらしい。取り憑くと言うよりも共存の方が正しいかもしれないが。
契約するには、儀式が必要となる。
儀式にも色々有り、簡易儀式から生け贄儀式までもがあるのだ。
簡易儀式は、コックリサンが有名だ。
生け贄儀式は、生き物を捧げ、殺す、もしくは、乗っ取らせる。処女の女性が生け贄に捧げられる事が多い。まぁ、それは悪魔の儀式だけではなく、厄除けや雨乞いにも使われていた事である。
悪魔との契約は魂と連動しており、解除にはお互いの同意が必要だ。なので、悪魔が納得しなければ成立しない。
だから、賭けをするのである。
等価交換の原則。
悪魔はこれを遵守する。だから、悪魔と契約解除するには、賭けに勝つ必要だあるのだ。しかし、相手は何百、何千年と存在している。知恵比べでは難しいだろう。
「はぁ、また失敗かよ」
僕はゲームをリセットした。
スマホで悪魔の事を調べて飽きたのだ。実況パワフル風呂野郎をプレイしていた。そのゲームの途中で、ダイジョーブ伯爵がやってきて、僕を惑わす。能力アップには避けては通れない。が、失敗すれば能力は格段に下がり、更にバッドステータスを山程付けられるから手に終えない。
成功率は30%。
前回も前々回も失敗したのだ。そろそろ成功しても良いのに!僕はコントローラーを放り投げ、ベッドにゴロンと寝転がる。
ガチャリ!
「こんにちは!」
「うお!燐火!?来る時は連絡しろって言ってるだろ!」
「何々?自慰行為をしてたのかな?」
「んな訳あるか!ゲームだよ!パワ風呂!」
「懐かしいね!これシリーズ沢山出てたでしょ?」
燐火はコントローラーを握り、ゲームをプレイしている。
キャラクターの名前を寺師羽根にするの止めてくれませんかね?
「確か今は17まで出てるハズだよ」
「へー!で、これ古いじゃん!6だよ!6!」
「それがいちばん面白いんだよ!!いいだろ!」
「ねぇ!ねぇ!高校どれを選んだらいい?」
普通高校、官僚高校、優雅高校、抹殺高校。
どれも一癖あって面白い。キャッチー以外なら何処を選んでも大差は無いのだけど。抹殺高校だけは、運が必要となる。妨害工作が運に左右されてしまうからだ。
「無難に普通高校にしたら?」
「ん♪ならそうする」
イベントやログをショートカット出来るが、燐火は初プレイとなる。そのままやらせていいだろう。それよりも、僕は燐火に言わなくてはならない事がある。
「燐火、何度と言うけど、僕の部屋に来る時は電話してくれ!あと、ノックも忘れずに!」
「はいはい」
軽く流される。
くそ!腹が立つけど、これ以上言っても意味はなさそうだ。
「はぁ、僕が自慰行為をしてたらどうするんだよ。全く」
「ん?その時は手伝ってあげるよ?」
「いらんお世話だ!」
「あはは!あたしは気にしないよ?」
絶対にわざとだ!
こいつ狙ってやがる!僕は今日、確信した!部屋にカギを取り付けよう!マジで!!スマホを弄り、ドアノブを調べると良さげなのをパッケージする。購入ボタンをポッチっとして安堵する。
「ねー、ねー、この変なおじさんの手伝いした方がいい?」
ドクンと跳ね上がる!
ダイジョーブ伯爵。この時、心の中に声が響く。
『賭けようぜ』
僕は回り見る!
が、何もいない。やはり悪魔の声か!額から大粒の汗が流れた。
『その手術とやらが、成功するか、失敗するか、賭けようぜ』
ゴクリ!
唾を飲み込んだ!賭けに負ければどうなるか、それを僕は知っているからだ。負ければ必ず実行される。
『何を賭けるかはお前が決めろ』
じゃあ、例えばだよ?契約を解除してくれ。とかは?
『それの対価はお前の全て、だな』
それは無理だ。
『ならば、軽い内容にすればいい。そうだな。例えば今日の晩飯を焼き肉にして欲しい、とかな』
それだと、どれくらいの対価になるの?
『何処かに体をぶつけて怪我をする。なぁに、血はでない』
でも、やっぱりいい。
そういや、さっきも失敗してたから成功するだろう。成功かな?
『分かった。賭けは成立だな』
え!?
「奏介!もういい!えい!」
燐火は付いていくを選択した!
画面は暗転せず、見事成功したのだ!
「何これ?あ、奏介!能力が上がった!」
「………………………………ぶはぁ」
長い息を吐いた。
悪魔との賭けをしてしまったのだ!成功して本当に良かった!
「奏介!燐火ちゃん!」
「はーい!お邪魔してます!!」
下からお母さんの呼び声だ。
「今日は焼き肉だから、燐火ちゃんも夕飯食べていってね!」
「お義母さんありがとうございます!」
燐火の言うお母さんがお義母さんなのか、僕には分からなかった。汗が止まらない。悪魔との賭けは、簡単にも成立してしまうのだから。




