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隠密ジョブのメレンゲレンジ  作者: タ別


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第69話『攻略開始!』




 適正レベル120帯の量乗魔神宮にある量乗の迷宮。実り豊かな大自然に暮らすことを許された大自然族の祠が迷宮入り口の目印だ。


「宝物の主に汚れを教えた黄金の月だって」


「道標のようですね」


 縁起物の水晶でワールド情報を拾ってみると迷宮が近いのだと教えてくれた。辺りを探し回ると入り口を発見した。


「祠を見つけた! ひっそりとした迷宮だよ」


「風格がありますね。お餅は準備出来ましたか?」


「問題なし。いざとなればジャックたちに盾になって貰う」


 量乗の迷宮の出現モンスターは不明。前人未到の階層がまだあるようなので早速攻略開始だ。


 迷宮入り口には野営中のプレイヤーの姿もあった。


「情報収集する?」


「実際に戦ってから判断します。マッピングは頼みました」


「了解だよ」


 マップアイテムを持ってサイクロンの玉座に座る。鈍足のお餅は玉座に捕まって移動だ。


 お餅はステータス上昇系のスキルがないと死ぬから積極的に取っている。というかないと死んでしまう。


 迷宮に足を踏み入れた私たちは、石造りの通路を右往左往するプレイヤーたちを見咎めた。


「あ、ここが出口だった!」


「安全地帯だよな?」


「さあな! 待つならここでいいだろ!」


 3人組のパーティーでパーティーメンバーの何人かは死んだ様子。トラップでも踏み抜いたのかな?


「初めて攻略するんだけど、迷宮には罠があったりする?」


「あるにはあるな。モンスターハウスやミミックの類だけだが」


「モンスターハウスは鬼畜仕様だな!」


「通路には大して罠がないんだね。助かったよ」


 迷宮入り口は植物が閉じていって周囲と擬態した。罠が目白押しというダンジョンじゃないのかな? 大自然族に所縁のある地だ。


 攻略の足がかりとなるマッピングアイテムと迷宮産を象る宝箱の存在を軽視せずに探索を開始する。

 風の噂では【広域転移】の魔導書が量乗の迷宮から産出したと聞いている。魔導書の他にもスキルの秘伝書があれば儲けものだ。


「恐竜デュラハン。デュラハン・ドレイクです」


「美味しくは無さそう!」


「【アイスジャベリン】×6!!」


 遭遇したデュラハン・ドレイクにお餅の先制攻撃が炸裂した。後はウララに任せておけばいいかな?と楽観視出来るほどの余裕はない。デュラハン・ドレイクは機敏に壁を駆け出して天上から踵落としを決めてくる。


「サイクロン、【パンチャーバレット】!!」


「にゃっ!!」


 必殺【パンチャーバレット】と合わせてサイクロンが鋏を振るう。デュラハン・ドレイクは着地と同時に体勢を崩した!


「星逸斬り!」


 ウララが星逸斬りでデュラハン・ドレイクを亡き者に変える。

 恐竜に鎧を被せた首なしのモンスター。しかも群れを作るという習性があり、3、4体がまとめてリポップしてくる。


 こちらの戦力は5人と2匹。

 道中で鍛えたデスマッチは戦力に数えられるし、ジャックとジャンヌは一枚岩の私たちを二枚岩くらいにしてくれる。


 迷宮一層はデュラハン・ドレイクと見覚えのあるポーキーズピグ。ジオルグのいる場所とは露知らず、私たちは大自然族の庭を駆け回って下階層に進んだ。


 迷宮二層もデュラハン・ドレイクとポーキーズピグで、階層ごとにモンスターが変わるわけじゃないと判断した。


 その矢先に宝箱を見つけた。


「宝箱!」


「幸先が良いですね」


「罠かもしれないよ、ウララ!」


 慎重に中身を開けてみると、案の定ミミックでウララとお餅が瞬殺した。


「ミミックでした」


「モンスターの多い迷宮だよ。ジオルグバーガーを食べておく?」


「食べます」


「少し小腹が空いてた」


 小腹が空いてたで食べる大きさじゃないけどね!


 ジオルグバーガーを食べてから無事に2層を突破して3層に降りた。お餅も魔法の垂界箱を持っているのでアイテム保有量で困ることはない。ドロップアイテムは換金になるかな? デュラハン・ドレイクから武具がドロップするので強化用に集めたいウララだ。


 私の王竜騎噴脚は結晶強化と決めている。上位結晶で強化したいのはやまやまだけど、上位結晶は3人とも武器に使うと決めていた。


「一直線に行けば何かあると思ったけど出て来ないね~」


「水晶に聞いてみたら?」


「そうするよ! ジオルグは何処かな~」


 ジャックの師匠的存在のジオルグはバフアイテムのジオルグバーガーをくれる。ジオルグを探すのも一興だ。


 縁起物の水晶を使うと、お餅も耳を近付けてきた。




『科を操る植生の中に縁起門がある――――!』


『近い。近いぞ。私の店が1番近い』




 ポーキーズキングの大旦那! よっ! 天才オーナー!!


 水晶を持ち上げた程度では位置座標まで分からなかった。ポーキーズピグを倒しまくればいいのかな?


 ジオルグがいるのは確定なので、私はポーキーズキング1号店を取り出した。私のお店の方が近かったよ!!


「ふむ」


「ジオルグだ!」


「師匠であります!」


 曰く付きのポーキーズキング一号店にはジオルグが出現した。ポーキーズキング1号店は私たちの住まいだよ。


「ジオルグ。バーガーを食べに来たよ」


「うむ。今宵は良き日かな。第7世界線からデリバリーがある」


「デリバリーがあるんだ……」


 嫌なタイミングでクエスト発生だ。今日はもう上がりだと思った!!




『クエスト「粗末にせぬ心よ」を開始しますか?』




 ▽

 クリア条件:第7世界線で作られたポーキーズパフェを完食すること。

 推奨レベル120




 第七世界線って魔族の国かな……ポーキーズパフェって。


「分かった受けるよ。皆でパフェを食べよう!」


「私たちはバーガーを食べたばかりだけど」


「デザートは別腹です……」


 そう言ったウララは巨大パフェを暗い表情で見つめた。魔族の国で作られた巨大パフェだよ~! 5人で食べればいける!


 テーブル席について巨大パフェを囲んだ。豚の頭焼きを模したポーキーズパフェに4人とも気合を入れ直す。


「美味しいです」


「美味しい~」


「見た目があれだけどぺろりと食べられる!」


 新商品のポーキーズパフェを食べて第7世界線に思いをはせる一日となった。





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