10-26 私が
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「それじゃあね! みいな!!」
「「またね〜!!」」
そう言ってフラムちゃんが大きく手を降って部屋から出ていくとフーカちゃんとライカちゃんも二人共綺麗に揃った動きで手を降りフラムちゃんを追いかけていった。私も胸の前で小さく手を振ってできる限りの笑顔で見送った。
「私もあの子達を送って行った後、少しハルさんのお手伝いがあるから・・・・」
横にいたサクラさんもドアへと歩き出す。
「はい! 私はまだここに・・・ 凛々奈さんの側にいるので・・・・」
「・・・うん 迎えにくるね」
サクラさんは少しだけ悲しそうに目を細めると早足でみんなを追いかけて行った。
──あの日私はみんなのお陰で帰って来ることができた。みんなと過ごす日常に。
みんな沢山怪我をしちゃってたけれどあの日から1週間、シエルさんの治療もあって何事も無かったみたいに元気に過ごしている。今日でみんなは治療も終わったようで私もとても安心していた。
────だけど
「今日は冷えますね・・・」
私はベッドで眠る凛々奈さんに語りかける。
あの日からずっと凛々奈さんは眠り続けている。このシエルさんの診療所で、ずっと
穏やかな寝息をたてて本当にただ眠っているみたいに、すぐに起き上がって、いつもみたいに元気にはしゃいでくれる気がしていたけれど
「凛々奈さんッ早く・・・ お、起き・・て」
二人きりになった部屋でまた涙が流れ出す。青白い凛々奈さんの手を両手でぎゅと握るとその手は氷みたいに冷たかった。
「うう・・・ うああああ・・・」
暫く流れる涙は止まらなくて、ずっと凛々奈さんの手を握っていた。
泣き疲れた頃、ふわりと肌を撫でる冷たい空気が伝わってきた。そっちを見ると窓の外に灰色の空が見下ろす乾いた街が広がっている。
「・・・・・・あ」
私は窓に近づくとカーテンをそっと閉めた。そうすると部屋を無機質な電灯の光だけが照らしてなんだかとても暗い感じがしてしまった。明るいはずなのに。
そして私はずっと考えていた事を実行する事を決めた。あの日からずっと考えていたんだ。
ぎゅっと手を握って覚悟をして、私は凛々奈さんにそっと近づくとゆっくりと顔を近づけた。
「早く・・・・ 元気になってくださいね、約束ですよ」
呟くと凛々奈さんの額にそっと唇で触れた。
「・・・・・・凛々奈さん、ありがとうございます 貴方のお陰で・・ あ母さんと、お父さんがいなくなっちゃっても・・・ 生きていられてッ幸せでしたよ!」
また涙が溢れて声が詰まる。
「凛々奈さんも、唯牙さんもハルさん、サクラさんにフラムちゃん達も本当に大好きです・・・」
溢れるなみだで顔が濡れているけど、精一杯の笑顔で思いを伝える。
「凛々奈さん・・・」
話しているうちに無意識に自分の唇が凛々奈さんの唇に近づいていた。 そのまま、そのまま心の動きに従おうとしたけれど。
「ふふふ、さようなら 凛々奈さん」
これからする事に覚悟を決めた事を思い出して私は顔を離す。




