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銃と少女と紅い百合  作者: 彼方リカ
私がいたいのは
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101/120

10-11 双子と脚マン

◆


 双子の少女、フーカとライカは両足に鎧殻を装備し全身を黒い戦闘スーツで包んだ男と対峙する。その様子だけを見れば闘いになどなる筈もない。か弱い少女と武装した兵士。


 しかし彼女達は異能の少女。


「うおぉおお! 行くぞフーカ!」


「おっけい、ライカ!」


 双子は同時に攻撃を開始する。


ライカは頭上に飛び上がり回転しつつ襲い掛かり、男の頭に踵落としを。フーカは低く走り足を狙う。男はそれに対して腰を低く構えると、右足を高く上げて地面に叩きつける。地面を抉る衝撃と爆音。陥没する地面と鉄の脚からの衝撃で近づこうとしたフーカは吹き飛ぶ。そして男の顔のヘルメットの一つ目のカメラアイがライカをギロリと睨んだ。空中から踵落としを試みるライカに向け、大木と見違える程の太さの脚による上段蹴りが放たれた。


「びゅびゅ〜ん」


 踵落としと蹴り上げがぶつかり合う刹那、フーカの声が聞こえるとライカの軌道が空中で変わる。男の蹴りを空かすようライカは男を飛び越えて後ろへズレた。フーカの起こす風で押し出された事による予想もつかない動き。


「おりゃぁあ!!!」


 ライカの回転の勢いは止まっていない。むしろ風により増した回転の力を乗せた渾身の踵落としを男の後頭部へ叩き込む。ブチ込んだ踵と後頭部から電光が光る。バリバリバリと激しい音が弾けた。これがライカの電撃の能力。


「どーだ!」


 一撃を決め着地したライカが振り返ると鉄の塊が目の前に迫る。


バゴォン!!


 ライカの居た位置が爆ぜる。男が叩きつけた脚によって。電撃を意に介さず振り上げた脚をライカへ振り返ると同時に叩きつけた。


「あっぶな〜 ライカ気を付けてよ〜」


「あはは〜 ! あれで気を失わないなんて、中々やるじゃん!」


 少し離れた所でフーカがライカの手を引いてしゃがんでいる。ギリギリの所でフーカが風と共に引っ張って移動し回避に間に合っていた。だが男の脚は止まらない。

双子に一気に距離を詰めると男は二人に蹴りによる攻撃を繰り返す。


「おわっと!」


 その威力は凄まじく、もし少女達に掠りでもすればその部位は間違いなく破壊されるだろう。しかし


「ひょいっと」


 少女達には当たらない。フーカの風、それに加え一人では回避し切れない攻撃も互いが手を引き合い、足場になり、お互いがお互いに必要な動きでサポートし合い汗一つ流す事なく余裕の表情で躱し続ける。

一心同体の華麗な動きはまるで楽しそうに踊っているだけにも見えてしまう。そして。


「ライカ! 久しぶりにアレ使うよ!!」


「おっけ! やっちゃおう!!」


 当たれば一撃で命に届きうる攻撃に晒されながら二人は笑いながら言う。二人はパーカーのポケットから何かを取り出した。手にしたのは薄い黄緑色をした綺麗な羽だった。その先端は鋭く尖り銀色に鈍く輝く。形だけ見れば羽根ペンのようなそれを二人が片手に5本ずつ握る。


「多分固くて刺さらないからライカ〜 頼んだよ〜」


「おまかせッ!!」


 そこから再び双子が攻めに出た。ライカは男の正面へ、フーカは少し遠回りに男の背後に回る。男は迫るライカを迎撃する為脚に力を込める。脚を包む装甲が光る。そしてライカが間合いに入ろうかというその瞬間───


「あらよっと!」


 男の攻撃範囲のギリギリ外で急停止したライカは男の顔へ人差し指を突きつける。そこから黄色く輝く雷撃が放たれた。電撃と閃光が男を襲う、が指先から発射されるそれは男に届く前に拡散し、少し男の目をくらまし痺れさせるだけだった。


ザザザッ


 しかし流れた電流によって男の顔を覆うマスクに異常が起こる。マスクの中央のカメラアイを通して外を見るその映像にノイズが走った。軽度な痺れと視界の異常に男は右手を上げてマスクの上から顔を覆い仰け反った。


「ライカ!! 今だよ!!」


 その隙を見逃さなかったフーカが叫ぶ。


「シュート!!」


 それを合図に二人は手にしていた羽を投げる。美しい羽を靡かせてそれは飛ぶ。そしてフーカは目を閉じ右手を天に掲げた。彼女が操る風は舞う羽を狙いへ導く。


ダダダダダダッ!


 羽の針は仰け反った男の右脇、首筋。ぶ厚い戦闘スーツの装甲の隙間へ吸い込まれるよう突き刺さる。


「ツっ!?」

 

 男はその痛みに驚くがそのダメージは大したことはない。細く鋭い針だが浅く刺さっただけに過ぎない。それを確認すると男は距離の近いライカに迫ろうとするが。


「フェザーダーツ、時雨が用意してくれた僕達専用の武器だよ」


 背後のフーカが口を開く。


「刺さった瞬間に反撃じゃなくて、すぐに抜くべきだったね〜 それ(フェザーダーツ)は ライカの為の・・・」


「避雷針だ!!!」


 叫んだのはライカ、いつの間にか高くジャンプして飛び上がり男の真上に居た。


「いっけ〜 ライカ〜 10万ボルト〜!!」


 両手を上げるフーカ。


「ピーカーチューっ! っじゃなくて羽の雷撃(プルームヴォルト)!!!」


 ライカが宙で全身から電撃を放つ。その雷撃は先程のように霧散することなく真っ直ぐ男に向かって疾走する。男に刺さる羽へと。


 バリバリバリバリバリバリバリッ!


男の体を雷撃が襲う、針を通して戦闘用の厚く硬い装甲を超えて肉体を直接破壊する。


「ん〜 でも狙いに電気を流すから避、雷針じゃなくて呼雷針?受雷針?」


 電撃に攻撃されている男を尻目にフーカは腕を組み首を傾げる。


「まあいっか!」


 そして10秒近くライカは宙から全力で雷撃を撃ち込み続けて落下した。黒焦げになった男からはプスプスと黒い煙が上がりそれはもう、動かない。


「やったね〜 ライカ〜」


 着地したライカの元へスキップでフーカがやってきた。


「あーフーカって私の事ポ○モンだと思ってた? 酷いわー、ダルいわー、もう帰って時雨とお風呂入って寝たいわー もう何もかも面倒くさーい」


 着地したまま座り込んだライカは死んだ目で何かブツブツ言っている。


「あ、電池切れか〜 よいしょっと」


 フーカはいつもの事だと何処からかスタンガンを取り出して。


「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃ」


 再びの少女が少女の首にスタンガンを押し付けるの図。


「どうだ! 私達の勝ちじゃあい!!」


 元気いっぱいに回復したライカ、そして。


「やったね〜」


「「イェイ!!」」


       パチンッ!



 二人は飛び跳ねてハイタッチ、勝利したのは小さな双子。

こんにちは久遠レンです。

なんと今回でこの小説のエピソードが合計100話になりました!(キャラ紹介やオマケの短話も含んでですが・・)

文字数ももうすぐ20万字に届くかなといった所です!

飽き性な自分がここ迄続ける事が出来たのも読んで下さる皆様のお陰です! 

本当にありがとうございます!!

このままなんとか最後までこのお話を書いて行けたらなと思っております。

また、読んで下さる皆様の反応が本当に励みになりますのでよろしければ評価やブックマーク、感想等で凛々奈達を応援して頂けたら嬉しいです!

11話はもう少し続きますが、少しでも楽しんで貰えるよう頑張って更新して行きますのでお時間がある時にでも覗いて下さると嬉しいです!

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