#50ギルドのデザイン
「ココちゃん」
「ココちゃんじゃないです…それで何ですか?」
ココくんはメイド服のスカートを上げながら階段を下る。
「これから何するんだっけ?」
「これからギルドの建築です…建築士さんにペルさんが言ってたデザインで頼んでありますよ」
「うん…」
流石、ココちゃん。しっかりしてる!
「その後は?」
「特に予定は入ってませんよ…」
「じゃあ、この格好でイチャイチャは…」
「却下で…」
「じゃあまた子供たちと遊ぼうか!」
「……それは…考えておきます」
お、これは子供たちと遊んで命令されるのをあまり嫌っていない…これはもしかしてもしかするとココくんの隠れた本性が垣間見れるのでは!
さて、国の一角…メインストリートっぽいところに私たちはやって来た。ここは道がとても広く、他に国でもあれば人の賑わいが絶えない道になるだろう。しかし、私たちはあまり周辺の探索をしていない。だから国があるか、ないのか、も分からないな…
だがひとつ確信している事がある。それは必ずこの世界にも国らしきものがあるという事。だってここの住人は魚人族に捕らえられていた人とどっかの国から来た兵隊たち。だからどっかに国があると思う…そしてあんな大人数を率いて来れるという事は、あまり遠くないという事。そんな事を思考している間に…
「ペルさん、ここですよ」
「……ここ?」
「はい、ミケさんがここに建てたら便利で良いって言ってました。ここはこの国のメインストリートだから他の国と条約を結んだら、貿易が豊かになりますよ!」
「おお〜まるで、世界史の昔、今を生きているかのようだ…」
「そうですね…お父さんが「今度のゲームは世界史の勉強ができるぞ〜」って言ってたけど、その通りです」
「これってもしかして将軍とかにも慣れるんじゃない」
「ペルさんはこの世界で武神にでも慣れるんじゃないですか?この前はすごい大人数を1人で倒しちゃったらしいじゃないですか?」
「あ…あれはね、将軍的な立場の方と一騎打ちして私が勝っただけだよ」
「だけど、それだけで大人数のゆう事を聞かせるのは凄いです。僕は援護しか出来ないので…羨ましいです」
「そ、そうかな…」
男の子はやっぱり近接戦闘がしたいのかな…
「ココくん、近接戦闘したい?」
「……え、別にしたいわけじゃないですけど…」
「けど?」
「男の子なので、ペルさんには良いところ見せたいです」
「…ココくん?」
「い、いえ何でもないです…」
……私の耳にはペルさんに良いところ見せたいです…って聞こえた。まぁ、そんないつもツンデレなココくんがこんな謎タイミングでデレるわけがない。
「あ、ココさんと…ペルさん…お待ちしておりました」
私たちの元に1人の男の人が来ていた。
「こんにちは、アサギさん」
「こんにちは…今日はギルドの外見のデザインと室内の構造などを考えて参りました」
「ありがとうございます」
私、初対面なのにそこの点スルーか…私、悲しい。
「それでは室内構造を紹介しますね」
「あの…」
私はここで口を指す。
「どうかしましたか、ペルさん?」
「ここで立ち話もなんですから、カフェで座って話しませんか?」
私は将来、メインストリートになる道の大きなカフェを指差しながら言う。
「いえ、ここではないと説明できないので…」
「そ、そう何ですか?」
ここでないと説明できない理由とは…
「ペルさんには説明してませんでしたか?」
ココくんが笑顔で言う。え、何、ココくん納得してるの!理解してないの私だけ?
「どういう事?」
「このアサギさんは建築士であり、デザイナーです。彼には職業限定のスキルとして、立体投影があります」
「立体投影?」
「はい、立体投影とは、家の構造や外見、オブジェなど置くところに赤い線と青い線、緑の線で試し置きができるスキルです」
何それ?
「ココさん、口で説明するよりも実際に見てもらったほうがよろしいのでは?」
アサギさんがココくんに問いかける。するとココくんは…
「そうですね…ではお願いします」
「わかりました」
アサギさんがキャンパスでギルドの外見と思われるイラストのページにする。その絵をアサギさんがトントンと絵から出すようにノックする。すると…縦線を赤、横線を青、高さを緑で表示されていた。そう、私たちの目の前には3色に見えるギルドがあった。ギルドの外見は周りと基本的に合わせてあって、単純にギルドの看板を掲げてあるという至ってシンプルなデザインである。
「こちらが外見です。外見は派手さを控えたいとのココさん、ミケさんの要望があったのでそれを自重してみました」
うん、派手さがない。普通にホント…デフォルトなギルドって感じがする。けどドアが少し小さい気がする。
「どうでしょうか?」
アサギさんが私とココくんの方を向いて言う。
「良いと思いますよ」
とココくん。
「ドアをもう少し大きく出来ませんか?」
と私。私はギルドを作ったけどドアが狭いっていうなんかラノベにあってはならない現象が起きそうで怖いからだ。
「出来ますが…どれくらいですか?」
「後15センチくらいですかね。それぐらいの高さんほうが見栄えも良いと思いますよ」
「なるほど…確かにギルドのドアはちょっと大きいぐらいが良いですね」
アサギさんはキャンパスのギルドを手直ししながら言う。そして…
「これでどうですか?」
アサギさんが再び投影する。そこにはさっきより一回り大きくなったドアがあった。うん、これで何か持ち込む時も、相当大きくなければ引っかかる事はない。
「良いと思います!」
「そうですか…それは良かったです」
……まぁ、こんな感じにどんどん確認していき、最終的に建築分野の方達に設計図を渡すところで今回は終わりにした。そして私たちは歩く度に注目を浴びた。何せ、黒騎士…黒い剣士とメイド服を着込んだ男の子が歩いていたら、嫌でも注目が集まるだろう。私は別に黒い剣士だったから良かったけど、ココくんはメイド服だから相当…恥ずかしがっていた。そんなココくんも可愛い…いと可愛けり…
次回予告
そう、私は今日から楽しみだった高校生活に!




