#39雪さんの様子がおかしい…
私とココくんはちょっと楽しむと、ミケのところに向かった。そろそろ何かしないと雪さんに悪い。
「ミケ〜私たちに何かお仕事ちょうだい!」
「あ、ペルちゃん。もう、孤児院の方には顔を出してきたの?」
「うん、子供たちと遊んできたよ。それでこれから何をしたら良い?」
「う〜ん。壁の方には人が足りてるから…じゃあ、僕たちの家の場所を決めてきて」
「わかったよ」
私は元気に返事をする。よし、家は孤児院の近くで!
「家の場所?個人ですか?」
ココくんがミケに質問する。そんなの聞く必要ないよ…私とココくんとミケの3人の家だよ!
「違うよ。家を個人にすると連絡とかがめんどくさいから1つの家にしようと思ってるんだけどどうな?」
「良いと思います」
ココくんが元気に反応する。よし、ココくんとミケとの3人の家じゃないのか…けど全員一緒なら夜中に雪さんと一緒にココくんを襲える。ココくんに百合というもの知ってもらえるではないか!
「ミケ、天才!」
「そ、そうかな〜」
「そうだよ、夜中に色んなことできるじゃん!」
「例えば何ですか?」
ココくんが凄い興味津々だ。その領域に足を踏み入れたいのか、ココくん。悪い子だな〜
「まぁ、まずエッチでしょ」
「…ミケさん、僕とペルさん家別にしてもらって良いですか」
「じょ、冗談だって。そんな襲うわけないでしょ…だから例えば、みんなで人生ゲームとかトランプで遊んだりとか…」
「他には他には!」
あれ…この声、雪さんだ。私がココくんの方を見ると、ココくんが雪さんにお姫様抱っこされていた。
「雪姉さん、な、何してるんですか?」
「女性警察官を抱っこ!」
「や、やめてください。下ろしてください!」
「エ〜まだ満足してない」
「満足してる、してないの問題じゃなくて早く下ろしてください恥ずかしいです!」
「ココくん…」
「何ですか、ペルさん。ペルさんも助けてくださいよ!」
「パンツの下…何で女性物のパンツをつけてるの…もしかしてココくん、妹だったの!」
雪さんがお姫様抱っこ…じゃなくて女性警察官抱っこをしてくれたお陰で、ココくんのパンツが見えた。しかも女性もの!それに猫模様の入ったパンツだと…
「違います!僕は男です。男子です!」
「ココくん…気持ちいい事してあげるから、こっちの領域に来ない?」
「行きません!」
「え〜」
「ココちゃんは私とエッチな事するの!」
姉弟でエッチな事。それは…社会的にアウト!
「それは社会的にダメです。私が言い出したことにするため一緒にしましょう!」
「ナイスアイディア!ココちゃん、今日は3人でエッチな事しよっか!」
「却下です!」
ココくんが拒否するのと同時に地面から水の縄が雪さんを拘束する。わ、私も拘束されたい…
「雪姉さん、今日はちょっと様子がおかしいです!」
「エヘヘ、そんな事ないよ」
「とりあえずお医者さんに診てもらいましょう。ペルさん、雪姉さんを運ぶの手伝ってもらって良いですか?」
「良いよ!じゃあミケ、雪さんを病院に運んでくるね」
「はい、いってらっしゃい。それで今晩の晩御飯は広場でピザパーティーをするので7時ごろに来て!」
「オッケー」
ピザパーティーか…私、ピザ食べた事ないな。田舎だと、ピザ屋さんなんて存在すらしないからな…
私は雪さんを負ぶって病院まで歩いて行った。
俺はココ…じゃなくて志太と通学路で別れて、家に帰ってからずっと勉強をしていた。宿題が終わらないよ…宿題に自分の好きな四字熟語を書いて、好きな理由を書いてくるなんて無茶だよ。
「お姉ちゃん、良い四字熟語知らない?」
俺は台所で料理をしている中学2年生のお姉ちゃんに聞く。お姉ちゃんは国語のテストで100点だった。だから絶対に良い四字熟語知ってる!
「四字熟語?」
「うん、学校の宿題で好きな四字熟語を書いて、好きな理由を書かなきゃいけないから参考までに教えて」
「…私たちで表すなら共同戦線じゃない?」
「共同戦線?アニメか何かの名前?」
「違うよ。共同戦線っていうのは、共通の目的や敵に対して、本来、主義・主張の異なる団体などが一致した行動をとることだよ」
「それが何で俺たちなの?」
「私たちってよくお菓子とかの取り合いになるじゃん」
「うん、それはお姉ちゃんが我慢すれば良いんでしょ」
「陸…女の人はね。甘い物を食べていないと生きていけない存在なのよ。わかって…」
「そして甘い物を食べすぎて、太ると…なるほどなるほど。よくわかったよ!」
「何で陸が私の体重が増えたこと知ってんのよ!」
「いや、最近夕食の量とかを減らしてるから、食い意地の張って入る姉には珍しいな〜って思って見てたけどやっぱ太…」
「太ってない!」
俺の腹に重い一撃が入る。だ、誰もお姉ちゃんの事、太ったなんて行ってないよ。こんな理不尽な暴力があるか…あーあ、ペルさんがお姉ちゃんだったら良かったのに…
「また、発情期の患者さんですね」
「雪姉ちゃん、発情期だったなんて…」
ココくんが地面に膝をつく。
「大丈夫、ココくん?」
「ココちゃん、お姉ちゃんのベットの中においで〜今まで体験した事ない事してあげるよ〜」
雪さんが赤いリンゴみたいな顔をして言う。な、なんか和服が脱げかけてて非常にエロい。こ、こんなエロい人を見せてはココくんの心が真っ黒になってしまう。私はココくんの目と耳を隠して
「ココくん、聞いちゃダメ。あれは悪魔の囁きよ!」
「いやペルさん、僕はあんな誘いには乗りませんからね」
ココくんは私の手を振り払う。一応、誘いには乗るんだ…
「とりあえずこの診察室を治るまで借りても良いですか?」
「はい、構いませんよ。これがこの診察室の鍵です」
「ありがとうございます」
私に鍵を渡すとお医者さんは部屋の扉を開けた。
「…あと思い出しましたが、あなた」
お医者さんがココくんに向かって指を指す。
「はい、僕がどうかしましたか?」
「あなたもクマの獣人なので、相手がシロクマの獣人であっても発情しないでくださいね。ここの診察室2つしかないので…」
「だ、大丈夫です」
「そうですか。では、失礼します」
お医者さんは診察室を去って行った。ココくんは雪さんが横になっているベットに近づき心配そうな顔で言う。
「雪姉ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫だよ〜ちょっと発情しただけだから。それよりペルちゃん」
「はい、何ですか?」
「ペルちゃんもお布団の中に入りなよ〜気持ちいい事してあげるから」
雪さんはココくんが無理だと判断して、私を求めたというのか。何、ココくんの目の前で百合をしたいの…
「是非!」
「ダメです。何でペルさんまでエッチなことしようとしてるんですか。そ、そんなはしたないです!」
「もしかしてココちゃん、混ざりたいの…それなら安心して。ちゃんと体液同士が混ざり合うから!」
「雪さん、それは初心なココくんには言っちゃいけません!」
私は言いながらココくんを脇に抱えて部屋を後にした。
「発情期ってすごい…」
私もあんなだったのかな…
次回予告
私たちはピザを食べる予定だった。
だがしかし、現実の方で食事を摂らないと死んでしまう。リアルで!
だから一旦ログアウト!