#23革命じゃなくてクーデターって呼ぼうぜ!
私たちは今、絶賛脱獄中です!
なんでだろう。脱獄してるとすごいテンションが上がる。魚人族の兵士が沢山現れる。しかしどれも戦力が低くて弱い。リックンも一度脱獄を試みたらしい。リックンの戦闘能力なら十分突破できる。けれど脱獄は失敗してしまったらしい。リックンによると数で圧倒されてしまって、脱獄できなかったらしい。
「その程度の戦力で我に勝てるとでも思ったか!」
と私は中二病発言をしながらどんどん倒して行く。
「貴様らごときでは我を目視することも叶わん!」
とリックンは言いながら短刀でどんどん瞬殺して行く。見ているのが気持ちいいぐらいに…
「ペルさん…ここ一帯の兵士は倒せましたよ」
「お見事!」
「先を急ぎましょう。急がないと騒ぎを駆けつけた兵士がやって来ます」
「「うん!」」
私たちは監獄を走りながら出口を探す。徐々に敵数が減って行く。
相変わらずエクスカリバーは強い…一撃で魚人族を倒せる。リックンは相手を背後から切って行く。ココくんは魔術で雷鳴魔術で私を援護している。バランス良い…
「ペルさん、どこまで行っても牢屋ばっかりです。もしかして出口がない…」
リックンが私に聞いてくる。出入口的なものがないと魚人族たちも入ってこれないはずだし。それに罪人を処刑台に連れて行けないはず。
「流石に一つはあると思うんだけど…」
まさか出入りはほとんど転移?それはないと思うんだけど。
「出口が見つからない…」
私は呟く。まさか本当に見つからないとは…
「ペルさん、これからどうしますか?」
ココくんが聞いてくる。
「どうしようか…」
私とココくんが相談しているとリックンが笑顔で
「良い方法思いついた」
お、これで脱獄出来るかな…
「それはどういう方法?」
ココくんが聞く。リックンが待ってましたと言わんばかりに
「高火力の魔術か剣技で穴を開ける」
確かに高火力の魔術や剣技を使って建物を壊すのは良い案かも…
「けど僕はそんな高火力の魔術は使えません…ペルさん使えますか?」
私の高火力の剣技…あの鋭利なエアブレードで穴が空くかな。
「私の剣技エアブレードで穴が空くと思うんだけど…」
「ペルさんやってみて!」
リックンが私をせかす。
「2人とも私の後ろに下がって」
「はい!」
とリックン。
「わかりました」
とココくん。
「剣技エアブレード!」
私は剣を振りかぶって、剣技エアブレードを放った。しかし剣技エアブレードでは監獄のコンクリートを破壊できる威力ではなかったらしい。穴は空かなかった…というか亀裂すら入らなかった。
私たちは無言になる。しばらくしてリックンが
「他に高火力の剣技はありませんか?」
高火力な剣技がどれだか分からない…けどエクスカリバーのスキル、聖剣エクスカリバーなら確実に空けられるかな…
「じゃあ他を試してみるね」
「お願いします」
ココくんが心配そうな顔をして言う。私はエクスカリバーを両手で持って頭上に構える。
周囲から光の粒のようなものが現れ、剣に吸収されていく。ちょっと重たい…普段の私の姿なら軽々出来るけど今の私の姿では少し安定しない。
「ペルさん大丈夫ですか?」
ココくんが心配そうに言う。リックンは私の剣を無言で見つめている。
「大丈夫だから心配しないで」
私はそう言って、自分の剣を見上げる。剣は光を纏いながら、剣先からゆっくりと黄色い光を放ち始める。
まわりは沈黙している。ただここで聞こえるのは、剣が周囲から光の粒を吸収する音だけが虚しく聞こえる…
私は発動条件を満たすと高らかに言う。
「スキル発動!『聖剣エクスカリバー』」
私は頭上から真下に思いっきり剣を振る。剣の重みで私の体が一瞬、フワッと中に浮く。エクスカリバーから放たれた光は壁を貫通する。外の一般人に当たってないよね。私の使えるスキルの中で一番威力があるのは多分これだ。
私はエクスカリバーのエネルギー放出をやめて、2人の方を見ると2人とも呆然としていた。
私はココくんとリックンに笑顔で言う。
「壁に穴が空いたよ!」
「ペル様、今のスーパーすごいビームなんですか!」
リックンが私の目の前で跪いて言う。そんな敬わなくて良いよ…
「この剣のスキル『聖剣エクスカリバー』だよ」
私は剣を鞘に戻して言う。リックンは
「じゃあその武器ってアーサー王伝説に登場するあのエクスカリバーですか?」
「そうだよ。とりあえず敵が来ないうちに出ようか」
「うん!」
リックンが元気に返事をする。あれ、ココくんがいつもよりおとなしい…具合が悪いのかな。
「ココくん静かだけどどうかしたの?」
私はココくんの目の前に行って言う。
「いや、何でもないです。ペルさん凄いですね!」
ちょっと顔が赤くなってる…熱でもあるのかな。私はココくんの肩を両手で逃げられないようにしっかり掴む。
「ぺ、ペルさんどうしたんですか?は、早く行きましょう」
「ちょっと待って!」
私はココくんを止めて、私のおでこを、ココくんのおでこにあてる。ちょっと熱い…
「ぺ、ぺ、ペルさん何してるんですか?」
「ココくん大丈夫?顔赤いし、おでこも熱いよ」
ココくんはさらに顔を赤くして
「そ、そんな事ありませんよ。気のせいですよ。大丈夫です!」
照れてるココくんかわいい…というか今、おでこをあてた時。キス出来たんじゃないの…私ったらなんてミスを!と考えつつも冷静に
「本当に大丈夫?」
「大丈夫です!」
ココくんが大丈夫って言ってるなら大丈夫なのかな。
「2人ともお熱いですね〜」
それを見ていたリックンがニヤニヤしながら言う。ココくんの顔が真っ赤かになる。
「お熱くないから!」
ココくんが私の手を振り払ってリックンを叩く。お熱いって…リックンに私とココくんリア充だと思われてるのかな。私とココくんがリア充…想像しただけで楽しそうだ。ココくんと遊園地に行ったり、ココくんとお昼ご飯を食べたり、ココくんとエッチな事をしたり…楽しそう。
「と、とりあえず早く行きましょう!」
ココくんがこの状態を変えようと、私とリックンに言う。しかし
「けどどうやってここから降りるの?」
リックンがエクスカリバーで空いた穴から外を見る。私も2人のそばに行く。穴に近づくにつれて、風の音が聞こえる。それに寒い。私は穴から下を見る。魚人族の街が少し小さく見える。
「どうやって降りるの…」
そう、気づかずに閉じ込められていた牢獄は、この監獄の最上階に位置していた。上には海が広がっていて、海は青色に輝いている。とても綺麗な景色だ。下には街がある。ミケとギョギョさんは今頃どうしているのか心配になってきた。ミケが変なことしてなければ良いんだけど。下にある街の建物を見る限り相当高い。私にはこの高さから飛び降りる勇気はない。それにこのゲームは高いところから落ちると落下ダメージを受けてしまうらしい。私はまだ受けた事がないから分からないけどかなり痛いらしい。
「ぺ、ぺ、ペルさんどうしますか?」
「どうしようか…」
ココくんの足が震えてる。震えてるココくん可愛い…
「ペルさん。あそこで行進している人たちは何ですか?」
リックンが指を指して言う。
「行進している人?」
私はリックンが指を指したところを目を凝らして見てみる。良く見ると魚人族が何処かに向かって行進していた。どこに行ってるんだろう…
「みんなどこに向かってるんだろう…」
私は魚人族の行進を目で追っていく。目で追った先には立派なお城があった。
「もしかして王様のお城に向かってる?」
「どういう事ですか?」
リックンが私に聞く。どういう事ってわからないけど、何かが起きていることは確かだ。
「もしかしたら革命かもしれませんね」
ココくんが隣で言う。革命ってフランス革命とかを想像すればいいのかな?
「ココ、革命ってどういうことだ?」
「僕の仲間の魚人族のギョギョさんが逃げてきて、戻らないって言ってました。多分、魚人族のほとんどが王様に不満を持っているんだと思います。それで何者かの影響で、革命が起きているんだと思う!」
そういう事なら納得が行く。リックンも納得したらしい。流石、ココくん説明がうまい。私も説明うまくなりたいな〜
「だから起きているのか〜けどココ」
「どうかしたのリックン?」
「革命じゃなくてここは…クーデターって呼ぼうぜ!」
リックンはおとなしい子だと思っていたけど、結構ノリがいい子だった。
クーデターか…ちょっとかっこいいな〜
「とりあえずどうやって降りますか?」
うーん…どうやって降りればいいんだろう。階段を使って降りるとなると大変だしな…
「じゃあ俺が下でキャッチしようか?」
リックンが提案する。え、無理でしょ…下に降りることが大変なのにキャッチするなんて。
「リックン、ちゃんと考えてよ!」
ココくんがリックンに言う。
「ちゃんと考えてるよ!」
「ちゃんと考えて、何でそんな答えが出てくるんですか!」
この2人仲が良いな〜
「だから俺が先に下に降りて、2人をキャッチするんだよ!」
「そんな事出来るわけないでしょ!まず、どうやってリックンが降りるの?」
確かに方法としては無理な気がする。私、重たいし…
「影に入って下に降りて行く。それならダメージは受けない。俺はアサシンだからそれぐらいは出来る!」
マジか…アサシンてそんなことできるんだ。私もアサシンになろうかな。
「絶対に行けるんですか?」
「行けるよ!俺が嘘ついたことあるか?」
「一昨日、学校で嘘ついて部活をサボって僕と一緒に帰ったの誰ですか?」
リックンは後ろを向いて…
「そ、それは誰だろうな…そんな悪い事するやつ」
「リックンでしょ!」
2人とももう学校始まってるのかな。2人とも可愛いな…私は私の新しい特性を理解した。それはショタコン!
理解したくなかった…けど理解してしまったならしょうがない。猫とショタコン両方が好きだ!
2人ともある程度言い合った頃に、私がリックンに聞く。
「とりあえず、やってみてください」
「わかりました!影魔術イン・シャドー」
リックンがスキルを発動させると、徐々にリックンの体が歪み始める。リックンは影のあるところに徐々に吸い込まれて行く。そしてリックンはいなくなってしまった…
「リックンがいなくなっちゃった…」
私が呟く。するとココくんも
「どこにいるのか全くわかりません」
すると影から黒いものが浮き上がってきた。これが真のダークマターか!
「これがイン・シャドーです!」
と黒いものがリックンの声で言う。
「この状態で下に降りてもダメージは受けないから、俺が先に下に降りておいて2人を下でキャッチするで良いと思います!」
リックンが元の姿に戻って言う。うまく行くかもしれないけど大丈夫かな…私、結構体重が重たいと思うんだけど。
「わかりました。では、リックンお願いします!」
「うん任せろ!けどココとペルさんのどっちが先に落ちるの?」
「それは…」
私とココくんは顔を合わせる。どっちが最初に落ちるの?
そんな時に変なのが待ち構えていた。
「貴様らの脱獄もそこまでだ!この監獄の看守長ギョーシャ様がここで処刑してやろう。ありがたく思え!」
うわー、なんかめんどくさそうな奴が来た。大剣を構えていた。こいつの後ろには、大勢の看守がいた。とりあえず倒すか!
私はココくんの前に出て、剣を構える。
「可愛いクマの獣人の女の子が剣を構えてどうするつもりかな?」
「決まってるでしょ、貴方たちを倒すの!」
「威勢が良いな〜。俺は嫌いじゃないぞ。そういうの!」
ギョーシャは言い終わる前に走り出した。私は剣を中段に構えて、突進して行く。普段の私ならまともに撃ち合えただろう…
キーン…剣と剣がぶつかる音がする。私の体の大きさでは突進しても対して効き目がない。私は剣と一緒に思いっきり吹き飛ばされる。私は監獄の空いた穴から外に…
「「ペルさん!」」
ココくんとリックンが叫ぶ。しかし2人の前にも、もうギョーシャがココくんの目の前で剣を構えていた。私は咄嗟に叫ぶ。
「ここくん気をつけて!」
私の咄嗟の叫びによって、リックンが反応した。リックンはココくんを思いっきり突き飛ばして、自分もその場から退避したらしい。
私は最後にそれを見て、下に落ちていった。
その時の感情は怒りしかなかった。
可愛いココくんに攻撃しやがって許さん…許さんぞ!
次回予告!
私は監獄の最上階から落とされる。
私は2人を助けにもう一度あの場所へ!
ギョーシャよ、ココくんに乱暴な事をした罪は重いぞ!




