#17魚人族を捕まえに!
〜一方ココくんは〜
僕は海の方へ歩いて行く。プレイヤーが目立つようになってきた。何で僕、クマの獣人にしたんだろう。恥ずかしくてフードを被ってないと、ろくに外も出歩けない…
僕はミヨーン大通りを通ると1軒の本屋さんが目に入った。昨日は夜でやってなかった。店前には貼り紙が貼ってあった。
貼り紙には閉店前セールと書いてあった。僕は店前に飾ってあった本が気になった。
「ペルさんごめんなさい。ちょっと見ていきます…」
僕は言いながら本屋さんに行く。本には…空間魔術取得本と書いてある。空間魔術を覚えられる本なんだ…値段は2、0、0、0、0、0ゴールド…20万ゴールドだ。僕の全財産は17万ゴールドだ。足りない…
「坊や、この本に興味があるのかい?」
奥からおじいさんが出てきた。
「はい…けど僕の持っているお金じゃ足りないんですよ」
「そうか…残念じゃのう。この本はな、古い本で…誰も読めないんじゃよ…だからこうして売れ残っている」
売れ残ってしまうなら赤字覚悟で、安くすればいいのに…けど安く出来ない理由があったのかな?
「値段を安くしなかったんですか?」
「この本は古くてもうあまりないのじゃ。それ故に希少価値があるためこれ以上安くはできないんじゃよ」
僕はおずおずと聞く。
「安くなりませんか?」
おじいさんは少し悩んで言う。
「じゃあ18万ゴールドでどうじゃ?」
「あともう少しだけ…」
「ちょっと無理がある」
おじいさん何とか誘惑できないかな?僕はふと気付いた。誘惑行けるかも!
僕は被っていたフードを取って
「お願いおじいちゃん…もう少し安くしてください!」
僕は照れながら言う…おじいさんが僕をしっかり見る。そして笑いながら
「わかった。わしの負けじゃ…16万ゴールドで売ってやろう!」
「ありがとうございます!」
僕はお辞儀をする。おじいさんは本を包みながら、懐かしそうに言う。
「わしにも孫がおったんじゃ。けどある時、浜辺を歩いていたら、魚人族と遭遇したんじゃ。その時に魚人族に孫が連れてかれて、しまったんじゃ。わしは孫に読ませようとこの本を買ったんだが、結局読ませてあげられなかった…」
おじいさんは泣きながら言う。
「おじいさん。お孫さんが連れてかれてからどれくらい経ちますか?」
「恐らく…2年くらいじゃ」
2年ならまだ生きてるかもしれない。
「おじいさん涙を拭いてください。僕はある人のお願いで、魚人族の基地から1人の女性を助けに行きます。その時に助け出しますよ!」
おじいさんは目を見開いて言う。
「坊や…ありがとう。こんな老いぼれを気遣ってくれて…どうか孫がいたら、助けてくれ」
「わかりました。お孫さんの名前は?」
「孫の名前はケル…ケルだ」
「わかりました。任せてください!」
僕はお金をポーチから取り出して、本屋のおじいさんに渡した。本屋のおじいさんから空間魔術取得本を購入して、本屋を後にした。本屋さんのお孫さん以外にも捕まっている人はいるらしい。
僕は少し早歩きで海に歩いていった。
〜一方ココくんを待っている私〜
ミヨーンがいっぱい跳ねる。私は船場で海を見ながら、カレーパンを食べている。だって朝食足りなかったんだもん。カレーパンは素朴な味で美味しい。私のカレーとは違ってちゃんとした味がする。
そういえば学校の入学式3日後だっけ…すっかり忘れてた。友達できると良いな。確か私立高校で小中高一貫の学校だったけ。今思い返せば田舎からそこに行くのは結構難易度高かった…最新技術を取り入れた学校らしい。何でもAR技術が取り入れられているだとか。
「お待たせしました。ペルさん」
ココくんが歩いて来る。
「じゃあ探そうか。どこをまず探す?」
「ペルさん。まず浜辺を探しましょう」
「わかった!」
私とココくんは浜辺に向かった。
〜浜辺に移動中〜
浜辺には人の影すらない。春の海の浜辺ってこんなに人いないのかな?それに少し風が強い。
「ココくんちょっと聞いていい?」
「はい。何ですかペルさん?」
「春の海の浜辺ってこんなに人がいないの?」
「4月だとまだあまりいません。それがどうかしたんですか?」
「いや。私、山の中にある村で暮らしてて、海行ったことなくてどんな感じなのかなって」
「海は7月から9月にかけては、人がたくさんいると思います」
「そうなんだ…私も海行きたいな~」
「そうですか」
ココくんが笑顔で言う。それにしても何もいないな~魚人族ってどんなところにいるんだろう?なんでココくんはここを探そうとしたんだろう…
ココくんはその理由をすぐに言った。
「とりあえずこの周辺で魚人族と遭遇した人が多いので、ここを探しましょう。襲われたら大声で叫んでください。すぐに助けます!」
す、すごい頼り…。
「ココくん、なんで遭遇した人が多いって知ってるの?」
「ミヨーン大通りで聞き込みをしてきました」
やばい…私より頼りになりそう。
「ありがとねココくん。けどココくんも襲われたら叫んでね」
ココくんは中距離戦闘は強いけど近接戦闘は無理だと思う。ココくんが顔を赤くして
「さ、叫びません。魚人族がで、出てきたら一掃します!」
「ココくん、一掃しちゃダメ」
そ、そんな僕、だ、男子なのに叫ぶなんて情けない。ぜ、絶対に叫ばないぞ!
僕は心に決めて探索しようとしていた。
な、なんか顔を赤くしてるココくん可愛い…熊耳男子萌えになりそう。お持ち帰りしたい!
わ、私、何考えてるんだろう。ココくんが襲われたら助けてあげよ!
「なんか呼んだか?」
その時、謎の声が聞こえた。
私は思った。
あれ…ココくんの声?こんなに声のトーン低くないよね。
私とココくん以外誰もいないはず…
僕は思った。
あれ…今の声ペルさんじゃない。誰の声…
僕とペルさん以外誰もいないはず…
「「誰の声?」」
私とココくんの声が重なった。私とココくんが声がした方を向く。そこには…
「どもども。俺は魚人族陸地出入口管理警備兵(ぎょじんぞくりくちでいりぐちかんりけいびへい)であります!」
「ギャー」
ココくんが悲鳴をあげて、私に抱きついた。やばい…ココくん可愛い。私、ショタコンじゃないよね…お持ち帰りしたい。
魚人族は魚の尾びれで立っている奴ら…簡単に言うと。とりあえず見つかったからやりますか。
「ココくん落ち着いて」
ココくんはすごいビビってる…手で頭を抑えていた。早めに気絶させてココくんを落ち着かせよう。私はとりあえず剣を構えた。
「ま、待つであります」
私はその言葉を無視して剣の腹で、頭を叩いた。
コーン…乾いた音が鳴る。意外に硬いな…
「グヘッ」
魚人族は変な声をあげて気絶した。弱い…こんな奴が出入口の警備してて良いのか…
とりあえずココくんを
「ココくん落ち着いて。もう魚人族は気絶したよ!」
「ほ、ほ、本当ですか?」
「うん。後は転移させるだけ」
「ありがとうございます。僕、結局何もしなくてごめんなさい!後抱きついてすみません」
ココくんは私から抱きつくのをやめる。
「良いよ別に…もっと甘えてもいいんだよ」
私は笑顔で言う。するとココくんは照れながら
「だ、大丈夫です。とりあえず三毛さんのところに送りましょう」
「わかった。ユニークスキル:世界転移…発動!」
私は倒れた魚人族のところに転移陣を出現させて、ミケのそばに飛ばす。これで解決すると良いな…
「とりあえずこれからどうしますか?」
「う〜ん」
考えてなかった。ミケが拷問してくれるからやる事が無い…
「ペルさん…家を作るために斧買いに行きませんか?」
そうだ…斧が必要なんだった。
「じゃあ材料とか道具を買いに行こうか?」
「はい!」
私たちは材料や道具を買いに行く事にした。
次回予告
魚人族を拷問する!
一体何を聞き出すのか?次回ついに基地が暴かれるか?