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#98リックン困る

 暗い洞窟の中で動く生き物。

 頭は白くて大きい。

 ヌルヌルした手のようなものが8本。

 僕に絡みついてくる。

 そして度々洞窟にはフラッシュがたかれる。

 雪ちゃんはこんな写真撮ってどうするつもりなんだろう?


「さてさて、とりあえずこの後どうする?」

 私はショートケーキを食べながら言う。

「ペルさん、まだケーキを食べ始めたばかりですよ」

 ココくんはチョコレートケーキを食べながら言う。

 ポットはイチゴパフェを食べながら頷く。

 あ、忘れていたことを思い出した。

「ココくん、チョコレートケーキ美味しい?」

「はい、美味しいですよ」

「一口ちょうだい〜」

「良いですよ。じゃあペルさんのショートケーキも一口ください」

「良いよ」

 私はショートケーキを一口サイズに切って、ココくんの口に向かって持っていく。

 そして……

「はい、ココくん。あ〜ん」

 ヘッヘッへ……この方法を使えば合法的に間接キスが出来る。

 私はやはり天性からの天才のようだ。

「ぺ、ペルさん…僕、自分で食べれますよ」

 ココくんは頰を赤くして言う。

 ポットは…なんか謎のオーラが出ているのを感じる。

「ほら、ココくん。ショートケーキが落ちちゃうから早く」

「え、あ、はい」

 ココくんは落ちそうなショートケーキを食べる。

 これによってココくんもアーンをせざる終えなくなる。

 私の方法に抜かりなし…

 さて、アーンをしてもらおうではないか!


 ファ〜眠い。

 かったるい……

 身体全体が重たい気がする。

 ここはどこだ?

 確か僕はペルさんと雪さんに監禁されて色々な薬品の実験体にされるところだった。

 そこまではしっかり覚えているが、その後どうしたのかがわからない。

「一体何があった?」

 僕が部屋を見渡すとまず最初に犬耳の女の子を見つけた。

 この子は誰だ?

 もしかしてペルさんと雪さんが誘拐でもして来たか?

 それにしても可愛いなぁ……

 何才だろう。

 僕やココと同い年っぽいけど幼すぎる気がする。

 これが雪さんの小説に書いてあったロリとか幼女というものか!

 これは確かに可愛い。

 小説の挿絵とほとんど同じじゃないか?

 かわゆい……

 ちょっと耳とか触っても怒られないよね。

 僕はそっと犬耳に触れてみる。

 サラサラとした茶色い髪に生えている犬耳は触れると嫌がるように耳を動かす。

 少し嫌がっているのも可愛い。

 ヤバイ、猫派から犬派に転職しそう。

 まぁ、猫がすごい好きってわけじゃないからいいけど犬も特別好きってわけでもないからなぁ〜

「どないしよう……」

 あ〜僕にもこんな可愛い妹とかが入ればいいのになぁ〜

 うちの姉と来たら命令ばっかりでまったく可愛げがなくて…大雑把な面が多いから姉というよりも友達って感じの方がある。

 この子と友達になりたいなぁ〜

 というか……この子さえ良ければ付き合い!

 ん……

 テーブルの上に飲み物の入った瓶の下に白い紙が置いてあることに気づいた。

「なんだこれ?」

 僕は瓶をどかして紙を開いてみる。

「リックンへ。これから佐藤咲さんに街を案内して来ます。なので女の子と一緒に僕たちが戻るまでいて下さい。ココとペルより」

 これは雪さんの小説のようにエッチなことしてもセーフってこと?

 どういうこと?

 そういうことでいいの?

 どう、どうなの?

 していいならするよ、僕!

 紙に何か他に書いてないの?

 あ、あった。

「追伸––リックンは変態じゃないと信じています。くれぐれも少女に手を出さないでください。あとその瓶の中身は昨日のバーベキューで残ったジュースです。良ければどうぞ」

 ……………

「なんで!」

 なんで手を出しちゃいけないんだ〜

 良いじゃん。

 僕だって男だぞ。

 そんな女の子と一緒に部屋においておくのがいけないと思う。

 そうだよね、ね!

「しかしこのままエッチなことをすると絶対に怒られる。というか信頼が完璧に吹き飛ぶ」

 ましては学校のクラスメイトの咲さんもいるとなれば、なおさら手が出せない。

 咲さんは女子だ。

 僕が女の子に手を出したとなれば一瞬にして学校に広まってしまう。

 ど、どうすれば良いんだ。

 方法としてはただ一つ。

 女の子はおそらく犬の獣人だ。

 だったらワンチャン発情期で僕を襲ってくることがあるかもしれない。

 そのほんの僅かな可能性に賭ける。

 これしかない!

 ないんだ!

 た、確か雪さんの小説なら獣人は発情期に特殊なフェロモンだかなんかを出すらしい。

 だからそれを確認した上で起こせば、僕はむしろ男の子だからちょうどいい人がいた、って感じで襲ってくる。

 これぞまさしく現実的にエッチなことをして僕に責任がない、唯一の可能性なんだ!

 そこで僕は気づいた。

 特殊なフェロモンってどこから出るのだろうと……

「か…」

 僕の心の声が漏れ出す。

「確認しようにもわからないじゃん!」

 べ、別にいいじゃん。

 男子高校生は毎日好きな女の子のこと妄想してるって聞いたことあるし、小学生がちょっと妄想するのも同じことだろ。

 そうだろ?

次回予告

みんな色々な事している中、一人の少女が一枚の紙に頭を擦り付けていた。

まだペル…もとい美由紀は未来で起こる災厄を知るよしもなかった。

その災厄の元凶が何かを始めようとしていた………


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