第6章04話 冒険者ギルドで宴会
ドタバタしているうちに12月になってしまった。お母さん騒ぎから1週間が過ぎ、テリッチさんの活躍で操りの影響は無くなっている。
混乱状態がまだ残っているが呪ったりはしなくなったようだ。
せっかく良くなって来ているので、アデルさんにはお母さんの事は内緒にしてある。
ホフマブルグは南部に在るので寒さはそれ程でも無いが、熊などは冬眠するという。怠慢な熊だ。
我々は禁断の森の再生を頑張っているが、まだ半分も出来ないでいる。
「オークが魔素を使ったのなら痕跡くらい有りますよね」
「森が大分再生されて瘴気も相当減っているのに何も見えんな」
「儂はもう少し先だと思うぞ、思ったよりこの森は大きい」
「噂だとダンジョンが在るらしいです。僕はダンジョン興味無いですけど」
「そろそろ喉が乾かぬか?」
アデルさんのエール病が始まった。
「冒険者ギルドで休みましょうか、余り行って無いので顔も出さないと」
冒険者ギルドに行くと朝の狩りを終えて帰って来た冒険者が食堂でゴロゴロしている。殆どが顔見知りなので皆さん挨拶してくれる。
何時もの所にダンクさん、ノレルさんデコボコ娘4人組みとトトちゃんがいた。
「ダンク久し振りだな」
「マネも元気そうだな。坊ちゃん久し振りです。まさか、この顔ぶれで狩りなんて言わないでしょうね」
「森に魔獸が居なくなったら困るよう」
ダークエルフのリスラが真剣な顔だったので、皆で笑ってしまった。
「アデルさんは知っているよね。こちらはテリッチさん」
「ユウメイ、シテイル」
皆、自己紹介をしている。
「エール飲みに来たんだ。一緒に飲まない?」
歓声が上がり、何時ものように猫耳のイリアが注文に走った。
「トトちゃん魔力を増やそう」
トトちゃんは帽子を脱いで、頭を下げるとプレートを俺に見せた。Cランクになって攻撃魔法も45くらいまで伸びていた。
マネさんとアデルさんテリッチさんもプレートを覗き込んでトトちゃんを誉めている。
トトちゃんの両手を持って魔力を送っていく。魔法壁が柔らかいので結構広がり1.5倍くらいまで伸びた。
「トトちゃん、また今度やろうね」
トトちゃんは嬉しそうな顔でピョコンと頭を下げ、ボロの魔法帽子を被った。
エールと串焼きが来ると、アデルさんが2杯目を注文している。全員楽しそうで来て良かったと思った。
「司令、ズルいですよ。呼んで下さい!」
セリちゃんとミアさんが来ていた。ミアさんは既に皆と知り合いらしく挨拶している。アデルさんに言われて猫耳のイリアが、また注文に走った。アデルさんとマネさんは女の娘と仲が良い。
リーダーのダンクさんが苦笑いしている。稼ぎ時だから気持ちは分かる。
全員で乾杯し直して、また騒ぎ出した。
「良かったら皆さんも飲みません?」
結局、食堂に居る全員で飲み始めた。オーク戦のお礼の気持ちだった。
だんだんギルドの宴会みたいになっている。
ジグロさんが来た。現在はリヒトブルグのギルド長と兼任だ。新任が決まらないらしい。
「坊ちゃん達が禁断の森を再生してくれているお陰で、魔獸が増えて来ました」
「瘴気みたいのが無くなって来ているので、増えているのかもしれませんね」
「禁断の森に今は居なくなってしまった魔獸が復活しているようです。増やす為に暫くは狩猟を禁止してます」
何処に隠れていたのだろう? あの森が豊かになれば人口を増やす事が容易になる。
「リヒトブルグのギルドメンバーは増えてますか?」
「お陰様で、とても順調です。坊ちゃんが作ったベッドハウスのお陰で、レベルの低い冒険者達があっちに移っているのですよ。ここを含め他領からの流入者も増えてます」
「他領からの流入者のレベルは?」
「AクラスBクラスまで来てますよ。王都との交易の護衛なんかで食べていた冒険者に仕事が無くなっているのですよ。王都の没落は酷い状態です」
「何でリヒトブルグのギルド長が決まらないのです?」
「本部が変なのを送ろうとしたので、こちらが拒否したのです。現在ホフマン辺境伯領だけで黒字ですので、独立状態でやってます。
他所の領も似たような状態ですので、冒険者ギルドの再編成になりそうです」
「何かお役に立てる事が有れば言って下さい」
「そう言って貰えると助かります。本部が強引にホフマブルグとリヒトブルグにギルド長を送ろうとしているとの噂が有るのです。黒字を王都に送ろうという魂胆らしいので阻止しませんと」
「街に入れませんので安心して下さい。来てしまった時は警備隊に連絡してくれれば始末します。ギルドの資金は確保しているのですね」
「ホフマン領の冒険者ギルドの資金は別立てです。陸奥銀行にお願いして決済してます」
「冒険者の資金も守らないとならないし困りましたね」
「今は3分の2くらいの冒険者ギルドが本部を無視してますので、本部側の冒険者ギルドのメンバーが慌てて移住や鞍替えしている所ですよ」
「だから、ここにお洒落な冒険者が何人も居るんだ」
「はい、王都の人達です」
たまにはギルドに情報収集に来ないと駄目だなと思った。




