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チョロイン☆デビュー!  作者:
城下町
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9/83

第八話「就職活動」

「……でさでさ、ボクいいもの見つけたんだけど」

噴水が特徴的な広場のベンチに座り、クリスがそう切り出した。


「お、何だ?」「なに?」 ジェイドとライズも同じように座る。

私もクリスのほうを見ながら、四人用ベンチの端に座った。 装備のせいでわりと狭い。

「えっとねー……旅って、お金いるでしょ?今も足りてないし」

「そうよね……、このステータスにこの装備って、似合ってないわね」

ライズの口から、私は知らない内部事情(?)が飛び出す。

えっ、この籠手わりと気に入ってたんだけど……、ボロいんだ。


「だからねっ、ギルドにでも入ろうかと思って!」

「……ギルド?」

素っ頓狂な声を漏らした私。 何だっけ、ギルドって。

「…………アリア、忘れてるのか?」 そう言うと、ジェイドが誇らしげに解説を始めた。


「起源はおよそ五百年前にさかのぼって……まぁいいや、だいたい会社みたいなもんだ」

「……ほう、なるほど」 「……かいしゃー?」

ジェイドがしまった、という顔をする。 クリスには通じなかったし、この世界にはないわけか。

……だったら、私の身元がばれるんじゃないか?

まあバレたとしても、不都合はないけど……。 いざという時の切り札にとっときたい。


「あ、あぁ……ギルドマスターの所に冒険者が集まって、依頼をこなせば収入がもらえる」

もちろんランク付けもあるぞー、と付け加えるジェイド。

「そういえば、アリアって身分証明とか持ってるの?」

「……ここのそういうのって、何があるんだ、ジェイド? 保険証みたいなの」

「ほけ……っ、冒険者には冒険手帳で、一般市民は……土地の権利証っぽいのがある」

あ、オープンに切り札を捨ててしまった。


「……ほう、手帳ねぇ」

「無くしてるのー? たぶんギルドに、発行の機械あるよ」

そっちのほうが、ギルド名も刻まれて……表紙が格好いい見た目になるらしい。


とりあえず、時間はもう夕方から夜に変わりそうなので、

私ら一行はクリスが見たというギルドを探しに行くことになった。



「……あっ! ここだーっ!」 元気もりもりなボクっ娘。

やっぱりロリというのは走っても疲れないようで、目的地についただけでも無邪気に喜んでいる。

――そういえば、三人の年齢っていくつなんだろ?

「……うーん、私は15。 人間の基準とは、違うかもしれないけどね」

あれ、ライズって人間じゃないの?

「あら、そう言えば知らせてなかったか……。 一応私、半分はエルフなのよ?」

「…………俺は19」

ハーフエルフということにびっくらこいた様子で、ジェイドは自分の年齢を呟いた。

「知らなかった……。 あ、私も15だ」


「なにやってるのーっ、行こうよ! 夜になっちゃうよ」

「あ、ごめん。 年齢聞いてた」

「えーっ、だったらボクも入れてよーっ!」 ふくれっ面になるクリス。かわいい。


「アリアはいくつなの?」

「ライズと同じ、華の十五歳だ」 「……鼻?」

あ、わかんなかったか。

「まぁいいや……。ボクは10! もうじき11になるよーっ」

ギルド入るんじゃなかったのか?

「あ、そうだった……。 行こ行こっ!」

クリスはそう言うと、まるで小学生の遠足(行きの序盤に限る)のようにウキウキで歩き出した。


――そういえば、三人のこと…私はまだまだ知らないんだよな。

そもそも会ってから五日くらいしか経ってないし、一緒に冒険するのなんかは今日が初めてだし。

だったらもう少し積極的に質問して、せめて一般常識とメンバーのプロフィールくらいは覚えておこう。


……あと、ジェイド初登場の時の、見せつけるようなご都合ハーレム武装は何だったのか。

あの人たちは、あそこの住人だったらしいけど……。

何故ジェイドがモテる? 出発の時も「行かないで」って泣かれたぞ。


まぁいいや。


そうやって思考を廃棄した私の目の前には、一面が白と青の、ギルド内部が広がっていた。

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