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チョロイン☆デビュー!  作者:
旅立ち
4/79

第三話「酒場からのスタート」

身体が完治するまでのことは、暇すぎて描写する意味もないだろう。

ダイジェストで行くと、

私のこっちでの名前が判明……というか命名した。 あと最重要事項として、幼女がちょっと懐いてくれたっぽい。


ファーストネームは、かっこ良さげな音楽用語から拝借した。

我が名はアリア・ユリシフタ。 ラストネームは「ゆりぶた」に「し」を挟んで、それっぽくした。

これからはロリコンとして、生まれ変わった気で頑張ります。もう生まれ変わってるらしいけど。


――とまあ、あらすじはこれくらいにして……。

私はいま、町の酒場に来ている。 わざわざ足を運んできた理由は、仲間入り歓迎会……とやらのため。

あ、この世界は、未成年でも酒が飲めるようだ。


「……じゃあ、始めるわ」

落ち着き払った喋り方でそう呟いたのは、二刀流を愛し、少しは常識人の匂いがする、かっこいい剣士のライズ。

ラストネームはアルロッタというらしく、普通の桃色なのか薄い紫が入った桃色なのか良く分からないが美しい髪を持っている。

髪型は癒しのツインテールで、身長は今の私と同じくらいだ。多分年齢も同じくらいだろう。


「えーと、彼女が今日から仲間に入るアリアだ」

「よろしくお願いします、アリア・ユリシフタと申します」


私は転校生か……。 まあ、自分自身の描写もしておこう。


今朝に鏡で見てみたんだが、この人生は割と難易度が低そうだ。 ……何が言いたいのかというと、けっこうな美少女であった。

目の色はエメラルドのごとき緑色で、前述の通り髪は青。 髪型は普通にストレートヘアで胸も普通。

――にしても、オラあほ毛のこと初めて見たぞ! すっげぇな!!


で、次が幼女ことクリスティア・フォーサイス、愛称クリス。

紺色の髪を一本の三つ編みにしてて、長さは腰に届くか届かないかのギリギリライン。

なんとなーく私に似てるところが、なんか妹的な意味でポイント高い。

あ、知ってると思うが彼女の職は回復役の魔術師で、ボクっ娘という素晴らしい属性を持っている。


――気が進まないが、最後に「アレ」の紹介。

名前はジェイド・アラバスター、職業は戦死……もとい戦士。 背中にでっかい斧を背負っている。

見た目は黒髪のちょっとボサボサのショートに、ちょっとばかり茶色っぽい黒い目。

うーん、話すことがこれ以上ない。 普通よりちょっと良いくらいの日本人顔としかコメントしようがないからな。


「へーっ、空飛ぶお姉ちゃん、アリアっていうんだ~っ」

いつの間にか私は、クリスの脳内で空を飛んでいたらしい。

あれは天空かどっかから落ちてただけで、私に浮遊能力は……。無いとも言いきれない。


「じゃあ、話題もないし何か質問して!」

ツインテールを揺らしながら、ライズはそう仕切る。


「……えーと、ここって未成年でも酒飲めるわけ?」

「当たり前じゃない。 まさか、まだ寝惚けてたりするんじゃ……」

ちょっと心配そうに、ライズが呟いた。


よしきた。 私には、多分飲酒経験はない。

異世界に転生して冒険して、そのまま魔王にでも倒されるんだったりすれば、こっちでも酒が飲めない可能性だってあるからな……。

今のうちに飲んで、ついでに酔っといたほうが良いんじゃないか? この時の私はそう考えていた。


「あーっ! そういえば、ジェイドも会った頃にそう言ってたよ? 子どもが酒のむな、って」

ジェイドも寝ぼけてたんだー、と、クリスは笑いながら言った。 はい可愛い。


「あ、あぁ……。俺の故郷はそういう風習があったからな」

「ジェイドの……故郷? どんな場所なのー?」

「えーと……。地震が多い島国だ」


――よし、同郷であった。やはり私はお前を信じていたぜ、ハーレム男!!

ちなみに、信じていたのは「出身国が同じ」ということだけだ。 お前が主人公なんて、誰が信じるか!


「もー、具体的なのでやってよー! ……あ、すいませーんっ!お酒4つ下さい」

クリスが不満そうな顔をしながら、手を挙げて慣れたように注文を取った。


――で、そこから紫色のワインっぽい酒が、グラスに入って運ばれてきたんだが……。

うーん……。 ここまでは覚えてるが、こっから記憶がだいぶ曖昧だ。

後でライズに聞くと、「聞かないほうがいい」と深刻そうな顔で言われたので、多分酔っぱらって何かやらかしたんだろう。



そんなこんなで、今日はいよいよ冒険開始の日。

想像より格好良い、固い生地で出来たワンピース的なものと堅い生地でできたロングブーツを装備して、私は泊まらせてもらっていた家の扉を開けた。

朝の陽射しが眩しかったが、そのまま目を開いて……かっこよく、にしっと笑って見せる。 うわ、まぶしっ。

そしたら目の前には、ジェイドとクリスとライズの三人が、私に微笑み返しながら立っていた。

……まぶしくないの? 私は目がヤバイことになりそうだし、もうやんないぞ。


まあいいや。

さぁ、私たちの戦いはこれからだっ!

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