兄弟の悶々 絶望のプリン編 川瀬 春 《かわせ はる》(14) 川瀬 冬姫 《かわせ ふゆき》 (16)
兄弟とは、両親が与えられる愛情や寵愛を分け合う存在である。
ある時には小遣いの額を、ある時には夕食のグレードを、そして今は プリンを。
交差する視線が火花を散らす。
机の上には一つのプリン。
「いやぁ そう言えば昨日、皿洗い全部私がやったよね」
この言葉により、形勢は冬姫に大きく傾く。
「でも、それは一昨日姉ちゃんが一切やんなかったからだろ。」
すかさずカウンターを入れ、凌ぐ。
刹那、思考を巡らせ自分の方がこの『プリンアラモードスペシャル・舌がとろける生クリームを乗せて』を食べるに相応しいとわからせる言葉を模索する。
「あー あんたが今やってるゲーム元々私の奴じゃなかったっけ」
「それで言うなら姉ちゃん、前に俺のゲーム壊したじゃん。」
これには、冬姫の人としての何かを疑う。
「で、でも私、良くママの買い物手伝ってるもん」
それを察した本人も分が悪いと、話題を変える。
ていうか、
「友達が来てる時にする会話じゃねえだろ!」
という言葉はギリギリ胸の奥に仕舞えた。
こいつが、今日うちで遊ぼうよ。とか言うから、来たのに途中で弟さんと会って、家に着いてみればこれだよ。
「でも壊したじゃん」
この攻撃に味を占めた弟さんは逸らされた事に構わず刺していく。ーーやめてやれよ。黙っちまったじゃねぇか.....自業自得か、いいぞもっとやれ。
「はっ そうだよアレ元々ガタが来てたんじゃん。私だけが悪いんじゃないよ。ママだってやってたじゃん。」
ーーそうなのか。...関係ないけど冬姫、お母さんの事ママって呼ぶんだ。
「いや 明らか姉ちゃんの台パンのせいだろ」
.....冬姫ぃ おまえ嘘だろ。
「......」
冬姫、ここで黙るのは、ボクシングでタオルを監督からぶん取って、自ら灰色になってく様なもんだ。
いいのかお前クズにだけなって終わるぞ。
「うっう」
? なんか言いそう。
「うるせぇー!知るか!」
....友達辞めようかな。
春休みに入って2人も友達を失うことになりそうだ。
「あの クリーム溶けてるよ」
流石に見てられなかったので、言ってやった。
「あっ 亜条、忘れてた」
ーーだろうな。
「て、まじで溶けてんじゃん!もう分けよう姉ちゃん!」
「ん そうするか」
「......ねぇ私も欲しい」
その後、上に乗っていたいちごはジャンケンでの決着となったそうです。
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