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【第1章完】お嬢様はゴールキーパー!  作者: 阿弥陀乃トンマージ
第1章

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第8話(2)不動のキャプテン

「川崎ステラが大量リードしている!」

「これは意外な展開ね!」

「選手交代よ!」

「百合ヶ丘を出すの?」

「いや、違う選手ね……」

「誰かしら、あのツインテールは……」

「ふふっ! やっぱりワタクシの出番ですわね!」

 魅蘭が笑いながらピッチ脇に立つ。

「頼むね」

「お任せあれ!」

 円と交代で魅蘭がピッチに入る。

「よっと!」

 雛子がボールを奪う。

「雛子さん、一旦下げて!」

 ヴィオラがボールを要求する。

「それっ!」

 雛子がボールを下げる。

「OK!」

 ヴィオラがボールをキープする。

「ヴィオラ、寄越せ!」

 真珠が前線でボールを要求しながら、斜めに走り込む。

「!」

 横浜プレミアムのディフェンスがそれに釣られる。

「……!」

「⁉」

 ヴィオラの出したパスが、マークの付いていないフリーの状態の魅蘭に渡る。

「ナイスパスですわ! ……えいっ!」

「き、決まった!」

「これで4点差……!」

「あの抜け出し方……只者じゃないわね……」

 ギャラリーがざわつく。

「ふふふっ! この鷺沼魅蘭の名をその胸に刻み付けなさい! 横浜の皆さん!」

 魅蘭が左手を胸に添え、右手を掲げる。

「さぎぬまみ……らん⁉」

「さぎぬま みらん ですわ!」

 ギャラリーの声に魅蘭が反応する。

「ギャラリーとケンカすんなよ!」

「どの口が言うんだか……」

「ああん、なんか言ったか?」

「なにも……」

 真珠と雛子が言い争いながら魅蘭に駆け寄る。

「とにかくナイス!」

「ファーストタッチでよく決めたわね!」

「ふふっ、もっと褒め称えてもよろしくてよ?」

 魅蘭が胸を張る。

「いや、まだ試合中だからよ……」

「そうね、ゴールセレブレーションはこれくらいで……」

「あらら?」

 軽くハグやタッチをして、さっと離れる真珠と雛子に魅蘭は拍子抜けする。

「おおっ、良い調子!」

「出来過ぎなくらいね……」

 ベンチでガッツポーズを取る円の横で、恋が笑みを浮かべる。

「恋は出ないの?」

「ヴィオラちゃんのフィクソが上手く機能しているし、雛子ちゃんも守備を頑張っているし、変にいじらなくても良いんじゃないかしらね」

「なるほど……」

「まあ、もうちょっと様子を見て……ん?」

 恋が横浜プレミアムのベンチを見る。コーンロウヘアーが特徴的な女性がコーチに何やら話しかけている。

「あ、あれは中華街で見た……」

「いよいよ出てくるということかしら……?」

「コーチ、自分が出ます」

「……」

「まだ前半とはいえ、これ以上の点差が開くのはマズいです」

「………」

「自分たちを投入してもらえれば、流れを取り戻してみせます」

「…………」

「コーチ!」

「アンタらがいないからこうなったんでしょ⁉ 揃いも揃ってどこ行ってたのよ⁉」

「会場間違えました……」

「ったく、とりあえず、アンタを投入するわ!」

 コーチがユニフォーム姿になった、コーンロウヘアーの女性の背中を押す。

「おおっ‼」

 ギャラリーが湧く。コーンロウヘアーの女性がピッチに入る。

「へっ、いよいよ真打のご登場か……」

 真珠が笑う。

「三人はもっと前目にポジションを取れ! 守備は自分一人で充分だ!」

「ああん⁉」

 コーンロウヘアーの女性が出した指示に真珠がムッとする。

「舐めやがって! ボールを寄越せ!」

「むっ……」

 ヴィオラが逡巡する。

「いいから寄越せ!」

「はいっ!」

 ヴィオラから真珠にボールが入る。

「よっしゃ!」

「むん!」

「うおっ⁉」

 素早く体を寄せたコーンロウヘアーの女性が真珠からボールを奪う、ボールがこぼれる。

「よっと!」

「ナイスパス!」

 雛子からのパスが抜け出した魅蘭に通る。

「……ふん!」

「ぬおっ⁉」

 コーンロウヘアーの女性が猛然としたダッシュで魅蘭に追いつき、ボールを奪取する。

「そらっ! ……リターン!」

 味方にボールを預けたコーンロウヘアーの女性が川崎ステラのゴール前に駆け上がる。

「そうは……なっ⁉」

 対応しようとしたヴィオラが驚く。浮き球がゴール前に送られてきたからである。

「ぬん!」

「ぐっ⁉」

 コーンロウヘアーの女性と競り合うがヴィオラは簡単に吹き飛ばされる。コーンロウヘアーの放った強烈なヘディングシュートが川崎ステラのゴールネットを揺らす。

「決まった! 守備面だけでなく、攻撃面でも頼れる!」

「これが横浜プレミアム、不動のキャプテン、八景(はっけい)(じま)(くれない)!」

「さあ、反撃開始だ!」

 紅と呼ばれたコーンロウヘアーの女性が両手を叩いて、チームを鼓舞する。

お読み頂いてありがとうございます。

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