失せろ
「学園長!納得できません!!」
「僕たちは無期限停学なのにノワール嬢の処分は軽すぎます!」
「こんなのは不公平です!」
案の定ここぞとばかりに噛みついてくる馬鹿ども
ていうか本当に馬鹿すぎて脳みそに蛆でも湧いているんじゃないか?
「逆にどこが不公平なのか教えてほしいのですが?」
一言言って黙らせてやろうと思ったら、今まで静かに場を見守っていたヒロインちゃんが口を開いた
私を含め、みんなヒロインちゃんが発言をするとは思っていなかったため視線がヒロインちゃんに集まる
「私は事の発端が起きた現場にいたためこの場に呼ばれました。彼らがそこにいる彼に不名誉極まりないことをしてそれを誤魔化そうと醜い言葉をつらつらと並べ立てている所も見ましたしノワール嬢が彼のために怒り、少しやりすぎとはいえ仇を取っている所も見ました。それに加えて今先生方が目にしている資料、話を聞くだけでも法に触れる程のことを彼らはしているように思えます。このことを告発してくれたノワール嬢は処分を取り消しにしてもいいくらいの功績だというのに、不公平だと騒ぎ立てるのはおかしくないですか?むしろなぜ公平になると思えるのか教えてほしいですわね?」
純粋に疑問だと言うヒロインちゃんにクズ共も一から冷静に状況を振り返られた上で戦える手札を持ち合わせていないことに気づき、返す言葉がない中うっと押し黙った
ていうかヒロインちゃん中々歯に衣を着せない感じ清々しくて好きだな~
元々こういう設定だったのかな?
「彼女の言う通りです。学園長が下した正当な判断に異議を唱えること自体失礼に当たります。聞く価値はないかと」
おお!こんな厳しいソフィも初めてだ!
「お二人とも、ありがとうございます。最後に私からも、一つだけ言わせてください。自分たちの犯した罪がどのくらいなのかまだ理解できないとは、今まで随分と本能だけで生きてきたのですね?おめでたい限りですわ」
訳:脳みそもまもとに使えない癖に何様のつもりで人様と同じ場所に立とうとしてるんだ身の程を知れ
往生際悪く吠えてきた負け犬どもを一睨みしてから学園長の方を向いて一度頭を下げた
「学園長、お騒がせして申し訳ございません。処分も決まったことですし、クロスくんも汚れたままなのでこれで失礼してもよろしいでしょうか?反省文は謹慎明けに提出しに行きます。」
「そうですね。それでは、この件はここまでといたします。ソフィールくん、今後のことについて少しお話があるので、ソフィールくん以外の全員は退出してください。」
学園長のその言葉を皮切りに私たちは応接室を後にした
「はあー、本当に時間の無駄もいいとこでしたわ!金輪際!私には関わらないで頂戴!!」
部屋を出た途端にネパルナ先生はクズ共に向かってそう言い放ちカツカツとわざとかってくらいヒールの音を鳴らしながらその場を去って行った
「それでは僕はガリレイ先生に報告しに行ってきますね」
「シェイルス先生、ありがとうございました」
「ご迷惑おかけしてすみませんでした。ガリレイ先生には後日また改めてご挨拶しに行きますね」
「セツィーリアくん、クロスくん、一日大変お疲れさまでした。一先ずはゆっくり身体を休めてくださいね」
私たちを一言そう労ってからシェリーはネパルナ先生とは反対方向に進んで行った
そして扉の前に私、クロス、ヒロインちゃん、そしてクズ三人衆が残された
ヒロインちゃんには改めて話したいこともあるから、まずは場所を移動したいな
そう思い、クロスとヒロインちゃんに声をかけようとしたその時
「……るさない、、許さないぞノワール!!!貴様のせいで!!!」
憎悪しか込められていない目でベスパル・ノスカが私を睨んだ
クロスが私の前に立ちふさがって守ってくれようとしたけど、私はその背中に触れ大丈夫だと伝えた
そして一歩、クズに近づく
クズの後ろの二人はもう完全に戦意喪失をしているのかベスパルには目もくれなかった
ここまで来たら、その執着心だけは一級品だと称えるべきかな
今にも殴りかかってきそうなクズの前に立ち、にっこり笑顔を向けてから
「とっとと失せろカス」
クズにしか聞こえない声でそう言い放ち、奴の一番大事なとこを潰す勢いで右足を思いっきり振り上げた
この後、応接室前で世にも醜い絶叫が響き渡ったことは言うまでもないし
私は私でクロスにそんな不潔なとこに足を振り上げるなと怒られた




