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うちの母様 ~天然街道爆走中~  作者: まるーにゃ
7/21

新婚さんはいつもいらっしゃる

ご覧いただきありがとうございます。


 両親は結婚してウン十年と経ちますが、いまだに〝熟年夫婦〟という言葉が当てはまらない人たちです。



 夕飯の際、身のふっくらとした鯖がお皿に鎮座していました。

 うきうきした母様が訊いて欲しそうだったので、広告の品だったのかと問うと。


母「違うのよ。でも〝お買い得品〟て書いてあったから♪」

私「それでこの大きさですか。すごいですね」

母「うふふ。今日はお買い物の予定はなかったんだけど、なんとなく(スーパーに)行ったほうが良い気がして♪」

私「正解ですね。美味しそうです」


 功績を称えると、


母「そうでしょ♪ うふふ。美味しい♪」


 満面の笑みで箸を進める母様。言葉が弾みまくっています。


父「良い買い物をしたな」

母「そうなの! もう嬉しくて♪」

父「じゃあ、もう少し食べるか?」


 隣に座る母様に、自分のお皿をそっと寄せる父。


母「ありがとう。でもこれはお父さんの分だから」

父「でも、ママは鯖が好きだろう」

母「好きだけど」


 食べ過ぎると困っちゃうと苦笑する母様。


父「それでもひと口どうだ?」

母「んー……じゃあ、お言葉に甘えて……」

父「たくさん持っていけばいい」

母「それは悪いもの」

父「遠慮するな」


 今日も仲睦まじいようで、何よりです。

 ほっこりします。


 それから「はい、あーん」を始めたふたり。

 そこに水を差す娘。


私「はい、その辺で(止めておきましょう)」


 我が家は両親がラブラブだろうと、普通に会話に入ります。

 日常茶飯事ですから。


母「なぁに?」

父「どうした?」


 仕草もそろいますね。息ぴったりです。


私「母様疲れてると、アレルギー(かゆみ)が出るでしょう」

母「……あ……そうね……」


 厳しい現実にしょんぼりする母様。

 体質なので仕方ないと言えばそれまでですが。

 私も見事に受け継ぎましたので、ツラさは解ります。 


父「……そうだったな、すまん」


 父もしょんぼり。


母「お父さんは悪くないわ」


 確かに。

 母様があまりに嬉しそうなので、自分のも分けてあげたいという優しさからの行動ですからね。

 

 協議の結果、また今度……という話におちつき、和やかに夕飯を終えました。



 お互いを思いやる心があれば、いつまでも仲良く寄り添うことができるんだなぁ……と思った夜でした。


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