ほどほどに
ご覧いただきありがとうございます。
週始めに母様が宣言したとおり、今夜のメインメニューはおでんでした。
午前中、買い物に行った母様と父は、昼食後しばらくして仕込みにかかりました。
母様が大根の皮を剥いて輪切りにすれば、父が面取りし(隠し包丁ももれなく入れます)。
母様がこんにゃくを切れば、父が湯通しし(湯切りもきっちりします)。
母様が──
見事な連係プレーです。
風邪をひいて味見すらできない私は、おとなしくお白湯でも飲んでいることにします。
母様は食材を一心不乱に切ると雑念が消えるそうで、イキイキとしておられます。
本当にご立腹でしたから。……無理もないと思いますが。
それにしても、何人前作る気でしょうか。
5……いや、6人前くらいありそうです。
──3人ですけど?
週末は3人しかいませんけど?
その内の一人は食欲がないので、実質2人前あればいいんですけど?
父「このくらい(の味)でどうだ?」
母「ちょうどいい感じね」
仲良く台所に立っているのを見るのは好きなんですが……量を見なければ。
ふたりで寸胴鍋をのぞきこんでいるのは微笑ましいんですが……量を見なければ。
副菜でもふたりの共同作業はスムーズに進み、夕飯時は美味しそうな品々が食卓に並びました。
メインはやはり存在感があります。
深めの大皿に盛られた具材たちから湯気が立ちのぼっています。
母「まるちゃん、お大根なら食べられそう?」
私「はい。少しなら」
小皿にベストな量を取り分けてもらい、お粥とともにいただきました。
味がしみてて美味しいと申し上げると、
母「お父さんの面取りが効いたのよ」
父「ママの作業効率が良いから、煮込む時間が増やせた」
お互いの偉業を讃え合っていました。
じっくり煮込んだおでんは愛情たっぷりでした。
量はたっぷりでなくてもいいと思います。




