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第4話 回復術師は王子と遭遇するようですよ

投稿が一週間も空いてしまった⋯

どこかでこの遅れをとりかえせるかな⋯

「ほら起きなさい、ついたわよ」

母に起こされ馬車の窓から外を見ればそこには城へと続く広大な庭、

そして目的地であるオルトランデ城がそびえ建っていた。

「じゃあ、まずはあいつのところに挨拶にでも行くか」

(あいつ?)

アイリスはアルフリッドがまさか王のことをあいつ呼ばわりしているなんて知らず、

誰の事を言っているのか考えるが思いつかず、サシェがため息を吐いているのにも気づくことはなかった。

そのまま城内へと入りすれ違う騎士や王宮仕えの魔導士などから挨拶や敬礼などをされつつも

アイリス達はとうとう玉座のある部屋の扉の前にたどり着いたのであった。

「エルストイ家の方々ですね、この先で王がお待ちです。

くれぐれも、くれっぐれも失礼のないようにお願いしますよ?」

「ああ、任せとけって」

部屋の扉の前で立つ騎士から念入りに注意をされ、それを軽く流すアルフリッド。

騎士は少し、いやかなり納得がいかない返事ではあったが、扉を開きアイリス達を部屋の中へと入れる。

「オルトランデ王国第二部隊隊長アルフリッド・エルストイ並びに我が妻サシェ・エルストイ、

娘のアイリス・エルストイただいま参上致しました。

我らが王ライオット・オルトランデ王におかれましては」

「そういった堅苦しい挨拶はしなくていい」

王の前で跪き挨拶をするアルフリッドの言葉を遮るライオット・オルトランデ王

ただこの後の展開が何となくわかっていたサシェはため息が出そうになるのを何とか抑え込む。

そんな中ライオットの口から続けて出た言葉

「お前がそんな堅苦しい言葉使うとか気持ち悪いだけだし?

え、何お前は俺を病気か何かにしたいの?国家転覆目論んでるの?」

「あ?てめえ喧嘩売ってんのか!?

人がわざわざ口調変えてやってんのに!」

(ああ、やっぱりこうなったか)

ライオットが王とは思えない言葉を吐き、それを聞いたアルフリッドは怒りだし、

サシェはまたため息を吐く

「上等だてめえ表出ろ!

王だろうが関係ねえぶっ飛ばしてやるよ、貧弱弱小弱者!弱いの三点セット野郎!」

「ほ⋯ほう⋯言ってくれるじゃないか!この似非魔術師が!」

まさに売り言葉に買い言葉そのまま喧嘩はヒートアップしていき遂に

「「上等だ表出ろ!」」

二人はそろって部屋を出ていった。

出ていく途中扉の前にいた騎士に止められるがライオットがその騎士の腹に一発拳を叩き込む。

しっかりと身体強化の魔法を何十にもかけられた拳は鎧をぶち抜き騎士の腹に叩き込まれた。

いわゆる腹パンクリティカルヒットである。

薄れゆく意識の中騎士は

(エルストイ隊長に言うだけじゃ意味なかった⋯

でも王に言うのも⋯ああ、だから今日だけはこの仕事したくなかったんだ⋯)

そう、この二人は会えばまずは喧嘩を始めることが非常に多いので、

こういった事はしょっちゅう起きていて周りからは、二人が会う日はある程度時間がたつまで近づいたら危険という認識があったのだ。

そしてすぐに外から二人の怒号と罵倒、魔法の炸裂音などが聞こえてきた。

「あらあら、あの二人は本当に仲がいいわねえ~」

「良すぎるのも考え物ですがね女王陛下」

二人が出ていった扉から入ってきたのは、ライオットの嫁にしてこの国の女王ナイア・オルトランデ。

「うーん、私たちもあれくらいしますか先輩?」

「先輩はやめてくださいといつも言っているではないですか⋯」

この二人は学院時代の先輩後輩の間柄なのであった。

「ほらあなたも隠れてないで挨拶しなさい」

ナイアは自分の後ろに隠れていた子供をサシェの前に押し出す

「は、初めまして、ラングスタ・オルトランデ⋯です」

緊張しているのか少し言葉がたどたどしくなってしまいるこの少年こそ

今回のパーティーの主役である王子のラングスタ・オルトランデである。

(本当は初めてじゃないけど最後にあったのはもっと小さかったころだし覚えてないか⋯

ちょっとショックね)

「初めまして、ラングスタ王子、私はサシェ・エルストイそしてこの子が⋯

あ、あれ?」

サシェは忘れられてることに少しショックを受けるがそのことを表には出さずに挨拶をして

こちらもアイリスに挨拶させようとするがいつのまにかアイリスがいなくなっていることに気が付く。

慌てて周りをぐるっと見てもおらず慌てるが、ふと外から聞こえる声の中に

『ぶっとべアルフー!くたばれライオットー!そこだいけーパパー!』

アイリスの声が混ざっていることに気づき慌てて外に出るとそこには

アルフリッドとライオットの魔術飛び交う喧嘩を見て大興奮のアイリスがいた。

「王様なんか倒しちゃえーもーやせー!」

「ふははははは!娘の応援を受けている俺に負ける道理なし!ここで死ねライオットー!」

サシェはそれをみて本日何度目かもわからないため息を吐く。

そんなサシェの横をラングスタが駆け抜けてアイリスの横に並び

「父上ー!頑張れー!そんな無礼千万なやつ凍らせろー!」

「おお、ラングスタよ!見ていろ今からこの無礼千万なやつを凍らせてオブジェクトにしてくれるわ!」

「あらあらー」

負けじとライオットを応援するラングスタ、それに応えてさらに苛烈に攻撃するライオット

それを見てほほ笑むナイア。

アイリスは急に隣にきて自分の父を無礼千万などという子を睨み、むぅ⋯と唸り

「⋯あなた何なの⋯?」

ラングスタも睨み

「そっちこそ」

子供どうしも一触即発の状態になりサシェとナイアが止めようとするが間に合わず

「ちび」

「そっちのがちび」

それからはもう売り言葉に買い言葉知っている限りの言葉を使っての罵り合い。

母親組は仲裁しようとするがいつのまにか父親組が喧嘩をやめて観戦しに来て助長する始末。

結果として子供の喧嘩はナイアによって止められ、

父親組はそろって我慢の限界を超えたサシェにシバかれることになった。

いったん落ち着いたところでナイアが

「私たちは大事な話があるから二人は遊んでらっしゃい」

といいアイリスとラングスタを置いてその場を後にした

「ところで、あなた誰?」

「そっちこそ誰さ」

この二人喧嘩に夢中でまだお互いが誰なのか全く把握していなかったのである。

「私はアイリス、あなたは?」

「僕はラングスタ、このくにのおうじさ!」

「え、王子⋯プフッ」

お互い名乗りラングスタが王子であること言うとアイリスは似合わないと言いたげに笑ってしまう。

「く⋯このー!」

「きゃー(笑)」

ラングスタは怒りアイリスに襲い掛かるがアイリスは笑いながら逃げ出す、負けじと追いかけるラングスタ。

廊下を駆けていく二人を周りは微笑ましく見守りつつも

(やっぱり血は争えんか)

と思うのであった。

二人はそのまま庭まで駆けていった。



そのころライオットの私室にて四人は集まり

「で、大事な話って何だライオット」

さっきまでのふざけた雰囲気はどこかに行き、部屋の中には剣呑とした雰囲気が漂う。

「ああ、実はな⋯」

何時にもなく凄みを利かせたライオットは重い口を開き

「ナイアが二人目を身ごもった!」

「「は?」」

出てきた言葉はまさかの第二子出来ちゃったぜ宣言。

それを聞き呆けるエルストイ夫妻。

「え、あ、えっと⋯まじ?」

「まじだ!」

剣呑とした雰囲気はどこかに行き、今度は和気あいあいとした雰囲気が場を包む。

「本当⋯なの?え、ナイア、え⋯?」

さすがのサシェも動揺が隠し切れず昔のような口調になる。

ナイアはただニコニコしてお腹をなでる。

その後ライオットは舞い上がり、アルフリッドも助長して舞い上がり騒ぎだす。

サシェもナイアとこの時ばかりはと立場関係なく話に花を咲かせる。

「お食事を持ってまいりました

ご子息の方々には別の者が運んでいます」

その部屋にメイドが食事を持ってきて、子供たちにも持って行っていることを報告する。

四人は食事に舌を打ちつつ、話は思いで話に移行してこの一時を楽しんだ。



それから数時間がたち、サシェとナイアがアイリスとラングスタを探しに行く。

「あの子たちどこにいるのやら」

「次は噴水のほうに行ってみませんか?」

ナイアが噴水に行こうと提案し、二人は噴水のほうへと行くと、

噴水のまえにあるベンチでちいさな影を見つける。

「あらあらもうこんなに仲良くなって」

そこにはアイリスとラングスタが疲れたのだろうか二人そろって眠っていた。

ただ、先ほどとは打って変わって中良さそうにくっついて眠っているのを見て、

サシェ達は起こすのは忍びないがもう時間なのでおぶって行くのであった。

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