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王の花嫁  作者: 川本千根
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移動

移動は全ての農作物を収穫し終えた冬に行われる


また冬は持ち歩く食糧が腐りにくいという理由もある


昼が一番短い日、湖族一斉に移動を始める

争いにになることを恐れてか、湖族同士に一切の付き合いはない

ただ遠い昔に自分たちの王が取り決めたことを忠実に守っている


また移動した先では前の湖族が残した建造物等を使用することはない

これは前の湖族の残したものを使用して事故などがあった時、疑いや憎悪が発生するのを恐れてのことである

ゆえに移動先では一から町を作らなければならない


移動の道中で一番危険で辛いのは青国から白国への途中、神の山の麓を通るときだ

ここでは寒さと足下の悪さが敵になる


だが、青国か白国への移動は過酷な砂漠の国から自然の恵み豊かな国への移動なので人々の心には希望の灯がともっている

それが移動の負担を軽くする


白国から朱国への移動は一番人々の心が弾む時である

湖族にとって朱国は楽園のイメージが強い

なのでこの移動は心理的負担が一番少ない


反対に人々が一番辛く感じるのは気候がよく穀物のよく穫れる朱国から砂漠地帯の青国への移動だ

行く先の資源が少ないので持ち込む荷物の量も多く、移動に負担が伴う


カエンがあらゆるものの軽量化を進めたのもこのためである

裕福なものは馬に荷を引かせるが大部分の人間は荷車をひいて移動する


移動の期間は約一ヶ月半

特に病人や幼い子供を抱えての移動は辛い


前王アナンは白国から朱国への移動の際、要所要所に救護所と配給所をつくったが移動自体は国民各々に任せた


カエンは移動一ヶ月前に東の青国との国境近くにキャンプをはった

そしてそこに病人、幼い子供を抱える家族などを先に集めた

弱者が時間的に余裕を持って移動できるようにだ


新しく土地に入ってきた湖族は前の湖族が残ることを許さない

全てを密偵と見做す

残った湖族の末路は哀れなものだった



旅団の先頭は王とトウゴが務め、殿はリオスと次期宰相と噂されるユジン、フェイの孫シャリアが担当する

サリは団の半ばをフェイの後任の長老神官チウネと受け持つ

ユキの家族はサリと行動を共にする


ハナは旅の途中で必ず体調を崩す者が出る、その者たちが遅れて脱落するのを心配してリオスと共に殿を務めることを希望した

薬師としての自分にできることがあると思ったからだ


だが王はそれを許さなかった




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