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王の花嫁  作者: 川本千根
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弟 リオス

ハナは不思議だ

あんなに醜い姿でやって来てあっという間にここのみんなの心を掴んでしまった

特に父上の


姉上などは父上のお身体が持ち直したのはハナのお陰だど思っているようだ


兄上を慕っていたサリでさえ、好んでハナの側にいるように見える



私は醜いハナが兄上の花嫁になったのが嫌でたまらなかった

が、この前のケンカで少し見直した

賢いだけでなく強い

強いだけでなく度胸がある


ハナの金色の髪は異様だが、灰色の目は顔立ちに似合っている

最初に見た時、目の焦点があってないように見えたのは、あの色のせいだったのだな


顔のただれも治ってきたせいか、ここに来たばかりのときほどの汚さは感じなくなった

会話していると頭の回転が早いのがよくわかる

それにたまにとんでもなく面白いことを言う



兄上は一目見た時からハナの資質がわかっていたのだろうか?


私はずっと兄上は姉上以外には愛情を持てない人だと思っていた

私にも、父上にも

だからこそ全てのことに淡々と対処できるのだと


だが皆の言うようにハナのことはとても気に入っているように感じる


ハナは…

ハナは兄上のことをどう思っているのだろう


この国の王の花嫁には神事に関しての重い責任が課せられる

ハナにとって兄上の花嫁に選ばれたことは嬉しいことなのだろうか




あの日のケンカ以来リオス様はいろいろなことを話して下さるようになった


リオス様はご自分が母親の命と引きかえに生まれてきたことに罪の意識を持っていると打ち明けて下さった


わかる、私もそうだもの


お母様が大好きだったカエン様は母親似のユキ様をこよなく愛していて、母親の命を奪った自分のことは疎んじていると


…思春期の少年が描きがちな物語だ


私にはカエン様はお二人とも大切にされているように見える


リオス様はお兄様が大好きなのだ…

もしかしたら本人は気づいていないかもしれないけど


私はむしろお父様と、お父様とカエン様の間に距離を感じる


もちろんカエン様はお忙しいので時間が取れないのだろうけど、あまりお見舞いにも行ってないようだし

お父様のことについてもお話しにならない


カエン様はお父様の軽やかなお人柄がお好きではないのだろうか?




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