私のかわいい…
夏を越せないと言われていたお父様だったけど、こうして桃などを召し上がってる姿を見られてうれしい
お父様の申し出で私たちはお父様のお部屋で一緒に食事をしている
お兄様夫婦とサリと宰相、私とリオスで
もちろんお父様は寝台に入ったままだけど…
お父様はチラチラとお兄様夫婦のご様子を窺っている
お兄様とハナさんの仲が気になっているのね
心配しなくても大丈夫なのに
ふふ、それともお父様はハナさんがお気に入りだからお兄様に焼きもちを焼いてらっしゃるのかしら
サリも…とても穏やかに二人を見守っている
心の整理がついたのかもしれない
こういう時間を持てるなんて、なんだか幸せだわ
私はお父様とお兄様のお許しを得て、ほんのちょっぴりお酒を頂いた
姉上はちょっとご機嫌になるとすぐ私に抱きついてくる
「私のかわいいリオスちゃん」
と言って私の頭を胸に押し当て、頬ずりしてきた
「止めてください、姉上」
恥ずかしい、兄上が見てるではありませんか
「父上、笑ってないで姉上に注意して下さい!」
父上は微笑みながら
「リオス、ユキの好きにさせてあげなさい」
とおっしゃったものだから、部屋中の者が大笑いした
兄上を除いては
あまり長居をしては父上の負担になると、私たちは食事が終わると早々に退出した
父上から呼び出しを受けたのは自分の部屋に入ってすぐの時だった
もう一度父上の部屋に伺うと、私に寝台に座るように言って人払いをした
そして静かに語り始めた
「リオス、ユキのさっきの癖はもともとはお前の母親の癖だったのだ」
「えっ」
「お前たちの母親はよくカエンやユキに頬ずりをして、私のかわいい…とやっていた」
「そうだったんですか」
「ユキが小さいころその話をしてやったら、リオスは一度もしてもらえなくてかわいそうだと言っていた」
私の母上は私を産むのと引きかえに命を落とされた
「だからあれはお前の母親の代わりをしているつもりなのだ」
「好きにさせておやり」
「しかし父上、私はもう十五なのですよ」
「リオス…実は私もあれをやられていたのだ、お前たちの母親に」
体裁悪げに父上がおっしゃった




