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おばあちゃん(時々、他の家族)と孫の日常の思い出《短編集》)  作者: おうすい


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ばあちゃんと人魂

祖母と孫の夏の夜の思い出です。



夏の夜になると、私はよく祖母と縁側に腰掛けて涼んでいた。


風のない夜だった。


ふと田んぼの向こうに、青白い灯がふわりと浮かんだ。


「あれは何?」


幼い私が尋ねると、祖母は驚く様子もなく言った。


「人魂たい」


私は思わず祖母の腕にしがみついた。


けれど祖母は笑った。


「何も悪さはせんよ」


安心しかけた私に、祖母は続けた。


「ただね、足を広げて立っとったらいかん」


「どうして?」


「人魂が足の間を通り抜けると、あっちの世界に連れて行かれるけんね」


私は慌てて両足をぴたりと閉じた。


その様子を見て、祖母は声を立てて笑った。


田んぼの向こうでは、人魂がゆらゆらと揺れていた。


あれから何十年も経った。人魂が本当にあったのかは分からない。


けれど夏の夜道で不思議な灯を見るたびに、私は無意識に足を閉じる。


そして、あの時の祖母の笑い声を思い出すのである。


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