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イジメの構造

○月○日。

 俺は、今回の悲惨な事件を、倉持に相槌を打たせながら振り返って来た。

「祝賀ダイブする奴がまともかな?って思ったりするな。」

「熱狂的なファン心理ですか?俺には分からんな。」

「ちゃうちゃう。倉持。熱狂的なファンやない、『チョケ』や。」

「チョケ?日本人じゃないんですか?」「メモ帳とペン。」

 倉持は素直に、普段使っているメモ帳とペンを差し出した。

 俺は、メモ帳に『道化る』と書いてやった。

「チョケる、の意味や。ドウケルって言うこと。標準語的に言うと、『お調子者』。」「はあ。」

「前の優勝の時、まだ産まれてないか、幼児やったんやろうな。そやから飛び込んだらどれだけ悲惨か聞いて無い。マスゴミは、怪我だけのことを言う。本当は飛び込んで欲しくないけど、と言いながら、水位を60センチ上げてたらしい。そやから、大昔のように大怪我はせんかも知れんが、体が汚れるし臭いもつく。うっかり飲んだ水は、内臓を痛める。オマケにヒーローにはなれん。藤島先生も怒ってはった。悲惨さを衆知して、予防策も徹底すべきやと。」

「成程。」「それより、水門の事件や。闇サイトとChot GPTが関連しているらしい。蒲鉾屋御曹司誘拐事件も、半グレが利用していたらしい。闇サイトで犯罪したい奴を募集して、アクセスした奴に、コレをダウンロードしなさい、って闇サイトが指南する。Chot GPTは、『犯罪のレシピ』を教える、魔法のプログラムや。今回は、ドラマのせいで、虐められた、何とか追い詰めてやりたい、とでもそのプログラムに希望する。結果、木村は2人の女優を痛め付けて、水門に放り込んだ。」

「それで、女優達を不安にし、追い詰めた訳ですね、先輩。」「いや、俺はちょっと違うと思う。追い詰めた相手は、木村を虐めた相手や。虐めてるのを知ってて黙ってた奴らや。詰まり、同級生のグループ全体や。総子が言ってたわ。ホンマに反省しているかそうか分からんって。」

「あ。そうか。EITOが阻止しなかったら、主役の女優も、木村の役演じていた女優も殺され、同級生は、いつ殺されるかとビクビクした生活を送ることになったんだ。」

「うん。俺が大学で聞き込みした情報やけどな。他のグループも目に余るな、って思った者もいた。例えば、劇中で、虐め役が主役の鞄を隠した、とするやろ?」

「はい。」「あの鞄、どうしたん?どこに隠したん?って、あの被疑者の木村に尋ねる。当然、答えられへん。ドラマの中のことや。そんな虐めしてたんや。同じ名前っていうだけで。」「悪質ですね。」「で、魔法のプログラムや。本庄先生は情状酌量もどの程度認められるか微妙やなって言ってたわ。」

「先輩はやっぱり優しい人ですね。」「お前は、ええ後輩や。」

 抱き合う俺達を、飲み屋の女将は笑って見ていた。


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