第40話 「ゴブリンの襲撃⑤―洞窟内の大規模営巣地④―」
今回、クラウス騎士団長の副官として参加している王国騎士団、警邏部の部長ベルント・フォン・クリューガーです。騎士団員なので、騎士爵を賜っています。
私自身はクリューガー子爵家の三男で、クリューガー子爵家は過去にシューバート侯爵家分家と縁付があり、それ以降は、シューバート侯爵家の一派となっています。
今回、このゴブリン討伐に参加して以降、ずっと疑問に思っていたことがありました。リリーエムラ公爵家当主のご令弟ルウィージェス様が、伯爵位を授かっていることは知っていました。しかし、まだ幼い子どもです。普通、この年齢では実戦に参加させません。
リリーエムラ公爵家から騎士団が派遣されています。普通なら、それで十分な筈です。それなのに、何故参加している?ずっと疑問に思っていましたが、私の方から聞くことは出来ません。立場が違い過ぎます。
それだけではありません。クラウス団長とエルンスト魔術師団長との距離感です。明らかに、リリーエムラ伯爵が公爵家の者だから、という感じではありません。どちらかというと、師匠と弟子の関係みたいな感じがしていました。しかし、リリーエムラ伯爵はどうみても子どもです。
それに、クラウス団長とエルンスト魔術師団長のみならず、全員が、リリーエムラ伯爵の護衛の方に「様」という敬称を付けて呼んでいることです。
カリン様が騎士爵位をお持ちなのは、スタンピード後の式典に私も参加していましたから知っていましたが、何故、子爵、伯爵当主である団長二人が、「カリン様」と敬称を付けて呼ぶのかも、ずっと不思議に思っていました。
しかし、時間が経つにつれ、本当の中心人物はリリーエムラ伯爵であることが分かってきました。しかも、剣術においても魔法においても、一線を画す強さであることも分かりました。
洞窟内には、リリーエムラ伯爵と護衛カリン様のお二人で行かれました。それも信じられませんでした。しかし、本当に信じられなかったのは、お二人で入られて全く無傷で戻って来ただけでなく、洞窟内の上位ゴブリンを全て倒し、村人を救出して、そして、2700匹というとんでもない数の下位のゴブリンを殲滅してきたということです。これを信じろと言われても…。実際に、目の前で見ているので信じるも何も、疑いようのない事実なのですが、心が追い付いていけません。
そして、これはトドメでした。リリーエムラ伯爵の口から自分たちは神族だ、と。
一言、言わせてくれ。誰か、助けてくれ。説明してくれ。
最大の懸念案件、今回のゴブリン襲撃の規模と討伐方法について、討伐遠征班の団長、副団長、副官の全員が集まり、再検討を始めた。
ルウィージェスとカリンからの報告より、洞窟内にはまだ2700匹以上のゴブリンが残っていることが分かっている。上位ゴブリンは残っていないが、それでも、その数は過去に例がなく、当然ながら、過去の討伐戦の作戦も、役に立つとは思えない。
ルウィージェスが手を挙げた。
「あの、ちょっといいかな?」
全員が頷いた。
「先ず前提として、ゴブリンは半妖精である、ということ、知っているかな?」
「は?」
クラウス、副官ベルント、エルンスト、ザビーネ、アダルベルトと副団長ニコデム・フォン・イーゲル、ウィルヘルムと副団長ボルコ・フォン・ナーゲルの全員が、衝撃的なことを聞いたかのように、目を見開き、辛うじて声が出たクラウスを除き、他の5名は、口が半開きになったが、声が出なかった。
「ゴブリンとスライムは掃除屋としての役割があってね。ゴブリンは陸上で、生物の死後、分解されるのに時間がかかり、環境に悪影響を及ぼす物を食して綺麗にするために存在する生命体で、スライムは水中で、生物・植物問わず、水を汚す物を食して綺麗にするために存在する生命体なんだ。基本的に、ゴブリンは死骸・死体の傍で土属性の妖精によって生み出されて、スライムは水を汚染するものがある時に、水属性の妖精によって生み出される。両方とも魔核を持っているから、分類的には魔道生物、いわゆる魔物に分類されているけどね。」
ルウィージェスは一旦言葉を切り、皆の反応を見る。とりあえず、ここまでは理解して貰えているようだ。
「そういう理由で、土属性の妖精によってゴブリンが多く生み出される場所は、死骸・死体の分解に時間がかかる場所、即ち、岩場とか、痩せた土壌の近く。肥沃な土壌では、死骸の分解に時間がかからないから、土属性の妖精はゴブリンを生み出さない。」
この場にいる全員が頷いている。今までの経験から、ゴブリンが多く見られる場所の共通点に気づいたような反応だ。
「スライムは分裂で増えるけれど、ゴブリンは繫殖で増える。これにも理由があってね。ゴブリンが生み出される場所は、岩場とか、痩せた土壌近くと言ったけれど、実は、こういう場所は土属性の妖精にとっても、生きにくい環境なんだ。力を発揮しにくい環境と言う方が正解かな。」
エルンストとザビーネが強い興味を示している。
「新しく生命を生み出すというのは物凄く大変なことで、当然妖精の魔力も大量消費する。だから、適宜自分たちで仲間を増やせるように、ゴブリンは繁殖能力を持っているわけ。持たせた、というべきかな。そういう経緯もあって、ゴブリンは土属性の妖精によって生み出される生命体であるにも関わらず、土属性の妖精の影響を受けにくい半妖精半魔物という、実は、ぼくたち神族にとっても管理しにくい生命体なんだ。勿論、土属性の妖精によって生み出されると言っても、姉さまがゴブリンの『生命の種』を蒔いたから、生まれてくるんだけど…、」
ここまで話した時、副官ベルントの挙動がおかしいことにルウィージェスとカリンは気づいたが、その理由に思い当たる節がなかった。
「ベルント警邏部長、どうしたの?」
ルウィージェスはキョトンとしている。
「リリーエムラ伯爵、今、神族と言いましたか?」
「あ、」
ルウィージェス、カリンを始めとする、その場にいた全員が完全に失念していた。警邏部長ベルント・フォン・クリューガーはルウィージェスとカリンの正体を知らされていない、外部の人間だってことに。
「あ…、クラウス団長、後で説明して貰ってもいいかな?」
「承知しました。」
クラウスも苦笑するしかない。
「簡単に説明すると、ぼくとカリンは神族です。ぼくの姉さま、リリーエムラ公爵家当主も、当然神族です。本来は地上の者たちの前には姿を現しません。だけど、理由があってね。それを説明していると長くなるから、とりあえず、後でクラウス団長に聞いて欲しい。エルンスト団長も知っているから。」
「しょ、承知しました。」
ベルントの額から汗が流れ出ているのが分かる。突然神族と言われて驚くな、という方が酷な話だ。
恐らく、ベルントはエルンストよりも年上だ。宰相のオルトールドと同じくらいか少し年下か。ベルントは見事に、一見落ち着いているように振舞っている。様々な困難な場面に遭遇し、その都度、落ち着いて適切に処理して来た、経験豊かな熟練者で、非常に優秀な人材であることが分かる。
「色々と言いたいこと、聞きたいことがあるかと思うけれど、話を続けるね。」
「はっ!」
何故か騎士でもないルウィージェスに対して騎士団の敬礼をした。
「それじゃ、話を続けるね。ゴブリンの役割は、あくまでも土属性の妖精が力を発揮しにくい場所の掃除屋だから、肥沃な場所に住む人里には本来は降りてこない。例外は、気候の大きな変化とかで、その土地が瘦せてしまって、土属性の妖精が逃げた場所や、疫病で村に多くの遺体が残された時などのみ。」
ここまで言うと、ルウィージェスは小さく溜息をついた。
「本来にはない理由でゴブリンがヒトを襲うことがある。一番多いのが、過去にスパイスとかで味付けされて、自然では発生しない匂いがする物は美味しいと学んだ一群。これは、ヒトが食べ残しをそのまま放置、廃棄して、ゴブリンに学習する機会を与えた結果。火魔法が使えなければ、穴を掘って埋めればいい。そのひと手間を惜しんだばかりに、自分たちでゴブリンに余計な知恵をつける機会を与え、危険なゴブリンを育て、その結果として、新たな危険と脅威を作っている。神族のぼくから言わせれば、ある意味、自業自得。」
ルウィージェスは肩をすくめた。そして、少し視線を上にあげ、少し考える。
「あと、他には、…あぁ、不用心に大量の肉が保管されている所は、保管肉を掃除目的と間違えて来ることもあるか。まぁ、この辺りが、一般的に言われているゴブリン襲撃の理由だね。」
「あぁ~、」
クラウスには心当たりがあるようだ。無意識とはいえ、声を出してしまったことを、クラウスは詫びた。
「だけどね、この辺りは川が近くに流れているのもあって、結構肥沃な土地だし、土属性の妖精も多い。今回救出した幼児も、外傷と脱水症状はあったけれど、健康だった。疫病の兆候もない。林の中を捜索している時に見かけた墓地も荒らされていなかった。適切に埋葬されている証拠だ。そういう意味でも、この村をゴブリンが襲撃する理由がない。」
ルウィージェスはベルントの様子を見た。まだ顔色は悪いが、内容は理解しているようだ。
「今回、洞窟内には軍曹6体、将軍4体と王1体の上位ゴブリンがいたけれど、下位ゴブリンの数と上位ゴブリンの数が合わないんだ。『生命の種』では、基本的に、軍曹は200匹の下位ゴブリンの中から現れ、将軍は5体の軍曹の中から現れて、王は将軍5体から現れる。この過程には約3年かかる。そうすると、」
ルウィージェスは分かりやすいように、アイテムボックスから取り出した紙に書き始めた。
『生命の種』の規則では、
● 軍曹は200匹の下位ゴブリンの中から現れる
● 将軍は5体の軍曹の中から現れる
● 王は将軍5体から現れる
● 王に進化するまでに約3年かかる
今回の上位ゴブリンの数は、
● 軍曹:6体
● 将軍:4体
● 王:1体
『生命の種』の規則でいくと、
● 王1体。将軍4体+1体で数は合う。
● 将軍が王に進化した1体を含めて5体いた。最低でも軍曹9体必要(残り4体にもチャンスはあるため。)
● 軍曹9体には、下位ゴブリン最低1800匹必要(進化出来なかったゴブリンには進化能力がない。軍曹と異なり二度目はない。)
カリンを除く全員が、ルウィージェスが書いたリストに釘付けになる。
「本来なら、この規模を形成するには、最低1800匹の下位ゴブリンが必要で、概ね2000匹いれば十分なんだ。だけど、今回は、ぼくとカリンが倒した数だけで2700匹を超えている。この状況から鑑みるに、今回の、このゴブリンの異常発生は、妖精的な要素は全く関係ないし、『生命の種』の規則から大きく外れている。」
ルウィージェスは顔を上げ、続けた。
「ここに辿り着くまで多くのゴブリンがいたけれど、物凄く攻撃的だった。営巣地を守るために攻撃的になるなら分かるけれど。しかも、これだけの人数がいてだよ。この点も含めて考えると、むしろ、これも一種の古い魔素蓄積による弊害と考えた方がしっくりくる。」
首を傾げながら質問したのはエルンストだ。
「ゴブリンが、魔素過多中毒…ですか?」
「ううん、それは違うと断言できる。」
最弱魔物の代表格はスライムだが、ベビースライムは魔法こそは使えないが、意外と魔力転換率が高い。その証拠に、スライム、ビッグスライムと進化すると共に魔法を使えるようになり、王や皇帝にまで育つと、一般的にいう上級魔法が使えるようになる。
しかし、スライムの次に弱い魔物と言われているゴブリンは、魔力は生命維持程度にしか持たず、王まで育っても、魔法を使えるようにはならない。進化の度に多少保持できる魔力量は増えるが、それもせいぜい膂力を強化する魔力を持つ程度だ。
しかし、スライムは分裂で増えるのに対し、ゴブリンは繁殖で増える。それはつまり、代を重ねるごとに、環境に応じた体質を持つ子孫の発現率を高めることが出来るということだ。
しかも、ゴブリンの繁殖能は魔物随一。それは、ゴブリン種そのもの進化と言える。
「だからね、今回のゴブリンは、古い魔素蓄積という環境に合わせた子孫を増やす手段として、大きく出産率を上げ、より環境に適した個体発現の確率を上げる、という能力を持ったゴブリンだったんじゃないかな、と思う。それが一番しっくりくる、ぼくとしては。」
エルンストは理解したようだ。驚き目を見開いてルウィージェスを見た。
「なるほど。ゴブリンは生命維持程度にしか魔力を持っていません。だから、この古い魔素が蓄積した環境下では、魔素から生きるために必要最低量の魔力を得るのが困難になっている為、彼らも苦しい。そこで、この魔素の魔力転換率が低い環境の下、種の死滅を防ぐために、大幅に出産能力を高めることで、少しでも効率よく魔素の魔力転換率を持つ個体が出てくる確率を上げている、という訳ですね!」
「うん。」
自分自身の理解を確認するよう、咀嚼してまとめたようなエルンストの説明で、他の面々も、ようやく理解したようだ。
「それなら、この異常な数も理解できます。」
そう呟くように答えたのはザビーネ。
「今回の群れには、王を含めて上位が11体いたけれど、それ以外に、普通のゴブリンより少し大きいやつが、結構な数いたんだ。しかも、王の近衛はその集団で占められていた。もしかしたらあれが、進化した新しい種だったのかもしれない。【飛礫】でまとめて倒しちゃったから、強さとかは分からないんだけど。あれは、上位種に進化、という割には小さかった。従来の進化とは違う進化を遂げた集団だったんだと思う。保管庫の中にも入っているから、後で見てみて。」
クラウスとケーニッヒ兄弟も、完全に理解したようだ。
「…ちょっと待て。それはつまり、魔物随一の繁殖能力を持つゴブリンが、更に繁殖能力を上げた…と?」
「そう考えると、被害報告が上がる間もなく、これだけの大群をなし得た理由が理解できるんだ。しかも、かなり短期間で増えたんだと思う。下位ゴブリンの数の割には軍曹の数が少なかったから。期間的には一冬の間、と考えてもいいかもしれない。」
「逆に、それ以外に説明が付かないと思いますね。」
頭を抱えるクラウスに、エルンストがある意味とどめを刺した。
ルウィージェスが見る限り、ベルントの反応は微妙だ。恐らく、古い魔素問題が分からずにいると思われる。これは、後でクラウスに説明して貰うしかない。
「カリン様、今回のゴブリンの営巣地で、何か気付いた点などはございませんか?」
エルンストがカリンに問いかけた。ルウィージェスより色々と経験している。違う点も見えている筈だ。
「私は地上に降臨して1年弱という経験しかございませんが、降臨するに当たり、それなりに魔道生物に関する書籍を読んできました。そこにはゴブリンの生態もありました。あくまでも、その情報を基に感じたこと、となりますが、今回、場所的には、かなり入り口に近い所になります。そこに比較的広い空間があり、通路が4つありました。うち2つは実際に通ってきて、上位のゴブリンを倒したわけですが、残る2つに流した神術から感じ取れた情報は、明らかに生活空間でした。その最たる根拠が、大量に保管された食糧と排泄物の量です。あの時点では特に何も感じなかったのですが、思い返せば、実際に通った2つの通路とは明らかに異なる点がございました。それは、無秩序に掘られた多くの穴です。もし、これが予想外の子どもの数の為と考えると、場当たり的な穴の掘り方にも納得がいくと思いながら聞いておりました。特に今年は雪が多く降りました。この辺りは雨だった思われますが。そうなると、例年以上の降水量により、大量の古い魔素が染み込んだ筈です。そこから推測できるのは、古い魔素が洞窟内に大量に流れ込んだことによって、苦しく感じたものが多かったと思われます。それが危機感となり、種の存続のため、より多産になった可能性もあるかと。」
エルンストは目を閉じ黙って聞いていた。
「古い魔素溜まり問題、奥が深すぎるぞ。」
クラウスは完全に頭を抱えた。
「以前に創造神様から、神族における成人について聞いたことがあります。」
アダルベルトがルウィージェスとカリンを見ながら言った。
「神族は、それぞれの成長速度が異なるため、特に何歳から成人という考えはない、と。それでも2000年を超えたら、我々でいう『成人』として、神としての役割を担い始める、と聞きました。しかし、ルウィージェス様は、降臨された時はまだ16歳でした。今は17歳になられておりますが、それでも、この年齢で魔導王として降臨していることが、如何に異例中の異例であるかが良く分かります。それだけこの問題は、既に待ったなし、ということなのですね。」
「うん。まぁ、この冬の降雪量によって、これだけ多方面に影響が連鎖的に出たのは予想外だったけどね。けれど、色々な問題が顕在化したから、逆に、ぼくにとっては、問題点がより鮮明になって、助かった部分もあるんだ。でも、本当に、待ったなし、なんだ、これ。」
本来2000歳以降に始める仕事を16歳で始める羽目になったルウィージェスに掛ける言葉を見つけることが出来ない大人たちだった。
洞窟内で確認されたゴブリンの数の異常さの理由が、古い魔素蓄積による魔力転換率の低下に対する種存続のための抵抗策としての、繁殖能力の増強のためである可能性が高く、急激な増加の理由として、この冬の例年にない降雨量によって、洞窟内に大量に古い魔素が染み込み、それによる魔素からの魔力転換不良による種存続の危機感から出産率が異常に高くなった可能性が考えられた。それはつまり、この先も、異常な数を抱える大群と遭遇する可能性が非常に高い、ということだ。
しかも異常に攻撃的という特徴も確認されている。爆発的増加による過密状態によるストレスも考えられる。魔素からの魔力転換不良の影響が輪をかけてストレス度を上げている可能性もある。
通常、スタンピードなどの異常時でない限り、1000を超える魔物と対峙することはない。
今回は、弱いゴブリンとは言え、既に2700匹の存在が確認されている。しかも場所は洞窟内という限られた空間内。避難する場所もない。
リリーエムラ公爵家騎士団も体力を少しでも温存する手段が必要だ。エーギグ弦は未経験だし、特徴を聞いたに過ぎないが、新しい弓矢を使った弓術の習得が急務であるとアダルベルトは判断した。
村人たちの休息・睡眠を妨げないよう、ルウィージェスは設営地の近くに、新たに『電撃付き結界』を張り、安全な練習場を確保した。リリーエムラ公爵家騎士団員は全員が練習に参加し、王国騎士団、宮廷魔術師団からは弓術が得意な者が教える側として参加する。
話を聞いたクラウスの副官を務めるベルントも、練習に参加を表明。エーギグ弦は未経験だが、警邏という業務上、弓矢を使うことは多々ある。従来の弓矢ならそれなりに使いこなしている。
ルウィージェスとクラウスが弓にエーギグ弦を張っている間に、エルンストとザビーネが中心となり、宮廷魔術師団がエーギグ弦の調節方法をリリーエムラ公爵家騎士団らに伝えていく。
エーギグは魔物植物の蔓。魔力を流さずとも、弓を持つ者の魔力に影響を受けるという特徴がある。故に、自分で使う弓の弦を調節する必要がある。
アダルベルトとウィルヘルムはエムラカディアの眷属だが、『守護の加護』よりも魔力の純粋化の程度は低い。この二人も魔量の調整法を学ぶ必要がある。
同時に、カリンを含め、手の空いている者たちで、洞窟に来るまでに使用し、回収した矢から魔鳥の羽根を外し、弓にエーギグ弦を張り終えたルウィージェスが羽根から付与魔法の残滓を消去し、他に手の空いている者で矢に羽根を付け直していく。
エルンストとザビーネ、そして付与魔法を得意とする騎士や魔術師らが、その羽根への付与魔法の方法及び魔法の効力と調節の仕方を説明していく。
ようやく、実錬の準備が整った。ルウィージェスが大きなコの字型の結界を3つ作り、的として大木も複数用意した。
この時点でかなり夜も更けてしまっている。明日の討伐に影響が出ないようにしなければならない。練習できる時間は限られている。クラウス、エルンストとザビーネの三人で、リリーエムラ公爵家騎士団に指導していく。
騎士と魔術師も、戸惑うリリーエムラ公爵家の騎士らに魔力の込め方などを個別に指導し、少しでも多く練習が出来るよう、協力し合う。
最後に、アダルベルトは、リリーエムラ公爵家騎士団全員に、エーギグ弦弓と魔鳥羽根の矢で3回ずつ試し打ちをさせ、その結果を組分けの判断材料とした。
昨夜は少し寝るのが遅くなった。朝は少しだけゆっくり起きる。太陽は完全に登っている。
外に出てきた騎士団員及び魔術師団員は、先日よりかは少ないが、それでも十分に「非常に多い」と言えるゴブリンが『電撃付き結界』の外周に積み重なっているのを確認する。その状況を言葉で表すなら、「げんなりした表情で」一択だ。
昨夜、ルウィージェスのゴブリンの生態に関する話を聞いたクラウスらは、破壊された村から漂う死臭に引き寄せられたゴブリンではないか、と推察した。
洞窟の入り口は結界が張られている。洞窟に未確認の穴がない限りは、近辺から来たゴブリンとなる。
ゴブリンは悪臭を放つため、ゴブリンを食す魔物は少ない。
ルウィージェスに確認すると、ゴブリンは共食いするという。生きている間は共食いしないが、死んだ仲間は掃除の対象となる、との説明だった。
つまり、このゴブリンを放置すると、土属性の妖精によって新たなゴブリンを生み出されてしまう、ということだ。もしくは、近辺にいるゴブリンが、「掃除しに」寄ってくる。
放置は出来ない。スタンピードの時と同様に、外周に積み重なっているゴブリンを片付ける必要がある。
穴を掘る班と死骸を放り込む班に分かれる。そして火魔法が使える騎士や魔術師が放り込まれたゴブリンを焼いて処分する。水分を多く含む死骸を焼くと、火魔法の温度が低くなり、不完全炎症が増えて、煙が大量に出てしまう。風魔法が得意な魔術師と騎士も、炎に風を送り燃焼温度を上げる者と、煙を天高く舞い上げる班に自然に分かれ、お互い協力し合っている。
その間、クラウスは、王城と留守を担う王国騎士団副団長フィンに向けて、洞窟内で遭遇したゴブリンに関する現場での見解、プファルーツ州領に向かっているゴブリンの数に関する危険性と、救出した村人に関する手紙を認め、王国騎士団副団長フィンには、王城宛ての手紙を王城へ早急に届けるようメモを付けて、クラウスは「鳥斥候団」の1羽に託した。
また、村人たちを王都へ避難させるための準備も同時進行させる
ルウィージェスが洞窟内から村人を避難させるために作った馬車の内装を、騎士たちが、幼児の安全も考慮し、もう少し快適に過ごせるように手を加えた。
ルウィージェスは、ゴーレムに同行する騎士の命令が届くように、【命令受託魔石】魔法を新しく作り、【共鳴魔石】と連携させ、ゴーレムに『命令受託魔石』を植え込み、同行する騎士たちに『共鳴魔石』を持たせた。
ルウィージェスが神術で王都までの状況を確認すると、やはり、どこから来ているのかは不明だが、少数ではあるが、それなりにゴブリンが戻って来ている。大きな群れは確認されない。
ルウィージェスからその報告を聞いたクラウスとエルンストは、王都まで村人を護衛する人数を増やすことにした。
現在の設営地から王都までは、距離的には1日強だが、護衛班は、王都から設営地まで戻って来なければならない。
たった1日であれだけのゴブリンが戻って来たのだ。2日後は、もしかしたら群れが出来ている可能性もある。ルウィージェスは護衛班に『回復魔石』と『魔力回復魔石』を複数持たせた。
昨夜、救助された村人たちは、しっかりと夕食を食べていた。お腹も満たされ、安心してゆっくりと寝られたようだ。今朝も、朝食もしっかりと食べている。顔色もだいぶ良くなっている。そしてなによりも、安心したような表情を見せている。笑顔も見える。
エルンストの助言もあり、若い騎士と魔術師たちもうまく離乳食を作る事ができ、幼児たちも、もりもりと食べていた。少し大きめの子はお代わりもねだった。昨夜よりも食べる量が増えた。これなら一安心だ。
未成年の子どもたちは、ニックスとシュネーと仲良くなれたようだ。食後、大人たちが片付けをしている間、追いかけっこして遊んでいる。笑い声が聞こえてくる。リラックスできている証拠だ。騎士と魔術師たちからも笑顔が溢れる。
ルウィージェスは、若い騎士と魔術師たちが用意した、王都までの離乳食を保管するための保管庫を新しく作った。大人用の食糧も入れてある。何もなければ1日で王都に着くが、状況が状況だ。少し多めに持たせている。
王都に着いた後、この保管庫は王国騎士団で管理することにした。護衛に同行する騎士に、副団長フィン宛てのメッセージを持たせた。後はフィンが何とかしてくれる。
馬車自体は『結界魔石』で保護している。ゴブリンが食糧の匂いを嗅ぎつけることはない。
休憩の時に使う『結界魔石』も持たせている。魔石使用後は、『魔力回復魔石』で魔力を回復するよう、エルンストは護衛に同行する魔術師団員に伝えている。
これだけ準備すれば、大丈夫だろう。
保護された村人のうち、最年長のアリンと、アリンよりもう少し年下と思われる男性エイクが、もし可能ならば村を見たい、と希望を伝えてきた。
クラウスは一瞬躊躇ったが、もう二度と戻って来られない可能性だってある。亡くなった村民への別れもしたい気持ちも理解できた。
騎士団から三名、魔術師団から三名の護衛を付けた。
数分後、戻って来た二人の目が赤く腫れていた。
誰も、かける言葉を見つけることは出来なかった。
二人は黙って礼をし、馬車に乗り込んだ。
無事に村人たちを送り出せた。後は、何も起こらないことを祈るのみだ。
改めて、洞窟内に残るゴブリン殲滅戦に向けた会議を始める。集まったメンバーは、昨夜と同じだ。
残る洞窟内のゴブリンは、生活空間の下位ゴブリンたちだ。
本来なら、今後の研究のために数体確保するが、既に、十分過ぎる数が確保されている。
昨夜のルウィージェスの説明から、2700匹以上のゴブリンの死骸を洞窟内に残しておくことは出来ないことは理解したが、果たして、この数のゴブリンと対峙しながら、倒したゴブリンを保管庫に入れる余裕はあるだろうか。
昨夜のルウィージェスの話もあるが、それ以外にも、2700匹以上という異常な数のゴブリンを洞窟内に残せない理由がある。それは、洞窟のダンジョン化問題だ。
ダンジョンが生まれるメカニズムは分かっていない。分かっているのは、ダンジョンコアが発生し、ダンジョンコアが洞窟内に居座ると、洞窟がダンジョン化して、成長していく、ということだけ。
そのダンジョンコアの発生メカニズムも分かっていないが、過去に新たに発見された、小さい生まれたてのダンジョンは全て、雪崩や土砂崩れ、もしくは、疫病によって、大量の魔物が一度に死に、その死骸が一年以上放置された場所だった、ということだ。
100匹とかの単位では、まず発生しないと思われている。その程度なら、普通に魔物同士の縄張り争いなどで起こっているし、そんな頻繁に生まれたてのダンジョンは見つかっていない。
だが今回は、2700匹以上は確定している。この数は、雪崩や土砂崩れなどの大規模自然災害時の被害に相当する。これだけの死骸が洞窟内に残れば、ダンジョンコアが発生してもおかしくはないし、あっという間に育ってしまうだろう。
大型ダンジョンにはダンジョンスタンピードという現象が認められている。防衛の視点からしても、ここは王都に近すぎる。
ダンジョンスタンピードもそうだが、より深刻な問題がある。それは、ここは王都から徒歩でも1日で着く距離ではあるが、それ以前に、王都より手前側に『鳥の森』があることだ。
王都は『鳥の森』の水を水源としている。水源の近くに、大きな街ができることも大きな問題となる。
大型ダンジョンが生まれれば、必然的に街が出来る。多くの人が住めば、水は汚染される。水が汚染されれば、その周辺の環境が変わる。周辺の環境の変化が『鳥の森』にどのような影響を及ぼすのかは、全く分かっていない。その影響を確かめる術もない。
だから、ここに大型ダンジョンが生まれては困るのだ。
話しを聞きながら、ルウィージェスは、どう提案すれば良いのか考えあぐねていた。
正直、皆が洞窟内に残るゴブリンを退治した後、ルウィージェスが火魔法で燃やし尽くしてしまえば良い。そうすれば、ダンジョン化の問題は解決する。
だが、それだと手伝い過ぎて過干渉になってしまうのだ。これだけは気を付けなければならない。
どう考えても、倒したゴブリンは、全てとは言わないが、ある程度は持ち帰って来てもらう必要がある。その後に、ルウィージェスの支援で強化させたエルンストの火魔法で焼き尽くすという手がある。
流石のエルンストの魔法でも、体内に多くの水分を持つ生物の死骸を大量に残したままで、全てを焼き尽くすのは難しい。水と火の相性の悪さは、如何ともしがたい。
ふと、ザビーネの後ろに立ててある杖が目に入った。
――――そう言えば、エルンスト団長が杖使っているところ、見たことない。『魔術の要』の紋章を持つフォーゲル伯爵家当主なら、代々伝わる杖を持っている筈。それなら、威力増強が期待できる、かも?
ルウィージェスは、左隣に立つエルンストの袖をツンツンと引っ張り、小声で問いかけた。
「ねぇ、エルンスト団長って、フォーゲル伯爵家の魔法杖、持ってるの?」
「え?杖、ですか。はい、使ったことはありませんが、当主なので一応は。」
そう言うと、エルンストはアイテムボックスからフォーゲル伯爵家当主のみが継げる魔法杖を取り出した。
「ちょっと見せて貰ってもいい?」
「はい、どうぞ。」
ルウィージェスはエルンストから魔法杖を受け取ったのだが、その瞬間、その杖の寿命が残っていないことが分かった。
「エルンスト団長、この魔法杖、確かに世界樹の枝と黒竜の魔石を使っているけれど、もう杖も魔石も寿命が殆ど残ってないよ。今の団長の魔力を流したら、木っ端みじんになる。」
「え?!」
思わず普通に声が出た。皆の視線がエルンストに集まる。
「ちょっと待ってて。」
そう言うと、エルンストに杖を返し【転移】した。
1分も待たないうちに、ルウィージェスが【転移】で戻って来た。両手には長めの枝と大きな魔石が握られている。
「これは世界樹の枝で、こっちは姉さまが保管していた先々代の古代赤竜の魔石ね。これで杖を作れば、今のエルンスト団長の魔力にも耐えられるよ。」
そう言うと、ルウィージェスは世界樹の先に古代赤竜の魔石を【リング】で括り付けた。
「エルンスト団長、この枝を両手でしっかりと持っていてくれる?」
ルウィージェスは、エルンストに枝を手渡した。
「これから、ぼくがエルンスト団長の手の上にぼくの手を乗せて、杖を作る魔法をかけるから、その時、団長の魔力を流してもらえる?光可視化の時の要領で。」
「あ、はい。承知しました。」
ルウィージェスは、しっかりと枝を掴むエルンストの両手を包むように、ルウィージェスも両手を添える。
「エルンスト団長、魔力流して。」
エルンストが魔力を流した。それを確認し、ルウィージェスは、
「【魔導王魔術:世界樹杖】発動!」
と唱えた。
すると、世界樹の枝が形を変え、杖になる。杖の先は魔石を囲むように枝が3本に分かれた。更に2本の細い枝が伸びていて捩じりながら、3本の枝をらせん状に包んでいく。手元はシンプルだが、持ちやすそうな形になっている。魔石の台座は3段になっている。非常に豪華な杖だ。よく見ると、魔石とは反対側、持ち手側の端は球状になっており、フォーゲル伯爵家の紋章が入っている。
エルンストは身じろぎ一つしない。視線は杖の先端に釘付けだ。
「エルンスト団長、魔力の流れはどう?」
ルウィージェスの声に意識が戻る。
エルンストは、魔力の可視化と同じ程度の魔力を流す。非常に流れが良い。
「凄いです。非常に魔力の馴染みが良いです。」
「それじゃ、ちょっと試してみようか。エルンスト団長は【火魔法:灼熱火焔地獄】使える?」
「はい、使えます。」
「それじゃ、外で空に放ってみてくれる?」
エルンストが外に出ると、他の面々も付いてきた。
「それでは、」
エルンストは息を整える。【火魔法:灼熱火焔地獄】は上級魔法。空に放つとしても、勢いがある。足場を整え、姿勢を正す。
「【火魔法:灼熱火焔地獄】」
エルンストが杖を空に突き上げ、魔法名を唱えた。
すると、一瞬だが、大きな炎の渦が魔石の周りに現れ、「ボォー」と炎が音を立て、勢いよく渦を巻きながら空に吹き上がっていく。
空一面に赤い炎が広がり赤く染める。
大きな炎の音に、外にいた者たちは振り向き、テントの中にいた者たちが何事かと、勢いよく外に飛び出した。
エルンストは、杖を通る魔力の滑らかさに驚き、過去に放った同じ魔法とは思えない大きさと勢いに、体が震えた。恐怖の震えではない。歓喜の震えだ。
エルンストが勢いよくルウィージェスの方に振り返った。
「今のが…、」
言葉が続かない。
「うん、大丈夫そうだね。いけそうだ。」
ルウィージェスは頷きながら小さく呟いた。
「エルンスト団長、本来、エルンスト団長が杖を使うと、ここまで威力が増強されるんだ。今までの杖はもう危ないから使わない方が良いよ。」
ルウィージェスは皆にテントに戻るよう促した。
テントに戻る途中、クラウスらも興奮し、【火魔法:灼熱火焔地獄】の勢いなどを話しながら移動している。
外もざわついている。外にいた者たちはエルンストが放ったところを見ている。テントの中にいて、見ていなかった者たちに話しているのが聞こえてくる。
全員がテントに戻り、テーブルを囲むのを待ってルウィージェスが発言した。
「エルンスト団長の杖の準備が出来たから、一つ提案がある。」
「お願いします。」
クラウスが即座に答える。
「ゴブリンを洞窟の中に残すのは、やはり問題があると思う。ある程度は拾ってくる必要はある。討伐後に、エルンスト団長が新しい魔法杖を使って【火魔法:灼熱火焔地獄】と【風魔法:竜巻】を同時発動させて中を焼き尽くせば、今のエルンスト団長の威力なら5回か6回で洞窟内全てに火が回る。それに、例え細かい横穴の中まで炎が回らなくても、【火魔法:灼熱火焔地獄】は超高温。空気自体が超高温になるから、自然発火して、横穴のゴブリンも残らない。」
ルウィージェスはエルンストの方を向いた。
「この方法が、洞窟をダンジョン化させない一番確実な方法なんだけれど。」
「私は構いません。」
エルンストは即決即答。答えには迷いはなかった。
「【風魔法:竜巻】の魔法陣は渡す。教科書では上級魔法になっていたけど、これ、本来は中級魔法なんだ。風しか吹かせないからね。雨も伴えば、上級になるかもしれないけれど。」
「え、【風魔法:竜巻】って中級魔法なのですか?」
「うん、本来はね。【火魔法:灼熱火焔地獄】の魔法陣も渡した方が良さそうだね。古い魔法陣、効率悪いから。」
「是非、お願いいたします。」
「うん。わかった。」
ルウィージェスは皆の方を向いた。
「ゴブリンだけではなく、生物は死骸になっても体内には大量の水分があるから、どんなに強力な火魔法を使っても、どうしても温度が低くなるし、不完全燃焼が多くなってしまう。火魔法の温度が下がれば、それだけ放つ回数も増えて、エルンスト団長の負担が大きくなる。今のエルンスト団長は、【火魔法:灼熱火焔地獄】と【風魔法:竜巻】なら、10回放っても魔力残量的には全く問題ないけれど、それでも、普段そこまで魔力を消費することがないから、かなり疲労感として残ってしまう。だから、出来る限りで構わないから、ゴブリンを拾ってきて欲しい。保管庫に『吸収魔石』を付ければ、少量の魔力を流すだけで、【逆流風魔法:吸収】と同等の威力の魔法が発動するから、ゴブリンから目を外さずに回収できるから。」
クラウスは、皆の顔を見渡す。
全員が頷き、同意した。
「ルウィージェス様、保管庫の準備の方をお願いいたします。」
「うん、分かった。」
洞窟内討伐の骨子は決まった。後は詳細を詰めていくのみだ。
第40話では、ルウィージェスとカリンから洞窟内の状況を聞き、残る2700匹以上のゴブリンの討伐方法を検討しますが、いいアイディアが浮かびません。
その話し合いを聞いていたルウィージェスは、そもそも地上の者たちは、ゴブリンの生態を正確に把握していないことに気づきました。
正しい討伐方法とは、正しい処理方法もセットです。正しく処理されなければ、後々になって問題が発生してしまいます。
そこで、ルウィージェスはゴブリンの生態を説明し、正しい処理方法も伝えることにしました。
同時に、フォーゲル伯爵家に代々伝わる魔法杖の寿命がほぼ尽きていることにも気づき、新しい魔法杖を作りました。
これで、あとは討伐が残るのみです。
さて、第一章第41話も引き続き、大規模洞窟内営巣地殲滅戦が続きます。次回はクラウスたちが討伐に向かいます。
来週5月9日(土)20:00公開予定です。
第41話 「ゴブリンの襲撃⑥―洞窟内の大規模営巣地⑤―」
来週もよろしくお願いいたします。
また、お会いできるのを楽しみにしております。
月 千颯 拝




