第36話 「ゴブリンの襲撃①―『鳥の森』の異変―」
初めまして。今回の第36話で初めて登場しますメリザンド・フォン・ファイファーです。ファイファー子爵家の長女です。
宮廷魔術師団錬金部門、魔法陣作成班に所属しています。
少し私の紹介をさせて下さい。
私の母は、元平民で元菓子職人です。第一婦人としてファイファー子爵に見初められ、貴族婦人となりました。上級貴族では平民が第一婦人になることはまずありませんが、下級貴族では、稀にあります。
父のファイファー子爵は、まだテューゲンリン王国王立アカデミーの初等部に通っていた時に、クラスメイトの母クリステルがよく持ってくる自作の菓子の出来栄えに驚き、ある日、試食させて欲しい、と頼んだそうです。
母クリステルの実家は、商いで大成功を治め、豪商の仲間入りを果たし、その成果でもって、氏を賜った家です。ですので、生粋の平民。
生粋の平民の自分が、貴族家のクラスメイトから声を掛けられた事に驚き、その目的が、自分が作った菓子である事に更に驚き、何と答えたらよいのか分からず、固まってしまったそうです。
しかし、相手は貴族家の嫡男。実家に何かあっては大変と、その日持っていた菓子を全部渡したそうです。
父は、深い意味はなく、純粋に綺麗な菓子を食べてみたいという気持ちだけで声をかけたそうで、母の反応を見て、突然過ぎたと猛省したそうです。
しかし、家に帰ってから食べた菓子の味に驚き、もっと食べたいと思ったそうです。
とはいえ、猛省直後に、また欲しいとはさすがに言えず、大切な記憶として、食べたい気持ちを封じ込んだそうです。
それから数年後、高等部に進学し、宮廷魔術師団の団員になる事を目標に、魔法の研究に明け暮れていたある日、通学路に小さな菓子店が新しく開店し、何気なく店に入って商品を見て、驚いたそうです。そこには、初等部の時にクラスメイトから貰った菓子と同じデザインの菓子が小さな袋詰めで売られていたそうです。
衝動的にその菓子を買って、研究棟の休憩室で一口食べ、それが、記憶に残っている菓子と同じ味だったそうです。
それから父は、菓子職人を確認したいと思い、通い続けたそうです。
そして、とうとう、菓子職人に出会う事が出来たそうです。
相手も、直ぐに父の事に気づいたそうです。
その時になって、初めて父は菓子の礼が言え、とてもうまかったと伝えることが出来たそうです。
高等部の課程を修了し、宮廷魔術師団の入団試験に合格し、その数年後、家督を継いだそうですが、その間も、ずっとその菓子店に通っていたそうです。
その間に母の人柄を知ることになり、同時に、商人として教養に富む女性である事を知り、いつしか、密かに恋心を抱いたそうです。
そして、家督を継いでひと段落付いた時、思い切って母にプロポーズしたそうです。
当然、母の実家は猛反対。平民が貴族に嫁いでも苦労するだけだ、と。
でも父はめげず、2年間も通い続けたそうです。
子爵家の方からも、貴族家から嫁を取れと重圧が凄かったらしいですが、父は頑として受け付けなかったそうです。
2年後、とうとう母の実家の方が折れたそうです。
ファイファー子爵家はフォーゲル伯爵家の一派で、ヴァイマル州領の一領を預かっていますが、領地は代官に任せており、ファイファー子爵当主は、定期的に戻って領地確認はしますが、それ以外は余程の事がない限りは王都の屋敷にいるので、母は結婚後も菓子職人を辞める必要はなく、仕事を続けても構わない、と父が確約書を書いた事も大きかったそうです。これは母から聞きました。父からは、自分の店を持つのが母の夢だと聞いていたから、それを折る理由も権利も自分にはないから、と言っていました。
そういう経緯もあり、父は第二婦人を迎えていません。
母は、私が高等部に進学した時に店を母の兄弟に譲り、それ以降は、趣味として菓子作りを続けています。
フォーゲル伯爵家の三男が家督を継いだ時、フォーゲル伯爵家の派閥へのお披露目会がありました。
新しくフォーゲル伯爵家の当主に就任したエルンスト卿は、母と私に、よくお声をかけてくださいました。エルンスト伯爵は、母が菓子店を営んでいる事をご存じで、何度も買いに行ったことがあるとも話して下さいました。
そして、私には光属性の才能があるから、是非伸ばして欲しい、とも助言して下さいました。
その時の私は、世間の目という物を理解するには幼過ぎましたが、エルンスト伯爵が好んで母の店を通っていたと皆に知らせる事で、他の者への牽制と当主の支持を明確にし、私たちの立場を堅固にして下さったそうです。
その話は、母から何度も聞いていました。だから、私が宮廷魔術師団に入団し、研修期間を終え、直接団長の下で訓練を行う事になった初日、焼き菓子を持って行きました。母が、エルンスト伯爵から特に好んで買っていた焼き菓子を聞いていたので、それを作って持って行きました。
団長は、お披露目会の時に私がエルンスト伯爵に話した、初めて作った焼き菓子の話を覚えて下さっていました。
その場で焼き菓子を一つ口に入れ、「そうそう、この味」と嬉しそうに言って下さいました。そして、「貴女が私の結婚式に合わせて作ってくれた焼き菓子を思い出すよ」と言ったのです。正直、私は覚えていませんでした。しかし、エルンスト団長は覚えて下さったのです。
私はエルンスト団長の下で訓練を受けるようになってまだ2年目の、新人同然の者です。ですが、私はそういう団長の部下である事を誇りに思っています。そして、期待してもらえるよう、勇往邁進していきたいと思っています。
旧【飛行】に禁忌の魔法陣が使われていたことが判明し、その後、ルウィージェスが時空創造神クロティノスの力を借りて、旧【飛行】が作られた経緯を確認しに過去に遡ったところ、フォーゲル伯爵家の歴代最強の魔術師と呼ばれているアデル伯爵が作ったものだと分かった。ただ、その作成目的が、古い魔素障害で魔法が使えなくなり、魔法への関心がなくなってしまった平民に魔法の楽しさを知ってもらう事だった。
エルンストは、アデル伯爵が残した魔法陣の記録に関しては、ほぼ全てに目を通していた。それには自信がある。しかし、それらの記録は全て、戦闘魔法の改編・改善を目的とした物であり、ルウィージェスからの報告にあったような、遊戯を目的とした魔法陣の記録ではなかった。
探し物は禁忌の魔法陣を含んでいる。例え部下であっても、手伝ってもらうわけにいかない。
宮廷魔術師団の団長としての日常業務の合間に、宮廷魔術師団の資料室に保管してある感謝祭などの、一般王国民を対象にした祭りに関する資料の中に、アデルの遊戯を目的とした魔法陣が含まれているか、一つ一つ確認していくしかない。
時間がかかるが、創造神が禁止した禁忌の魔法陣を残すわけにはいかない。
ルウィージェスからの報告を受けてから5日後のこの日、ようやく一通りの確認が終わり、エルンストは久し振りに食堂でゆっくりと昼食を取っていた。
ルウィージェスが改編した【紙吹雪】、【空中水泳】、【泡風船】と【飴細工】の魔法陣を、久し振りの食後のデザートを味わいながら眺めていたところ、宮廷魔術師団錬金部門、魔石作成班の班長ミラ・フォン・ハルトマンが声を掛けてきた。
宮廷魔術師団では、午前中は基礎体力作りと、班に分かれて、戦闘員は軍事訓練もしくは魔力制御の訓練を、非戦闘員は、魔力制御の訓練を行っているが、午後は各自の仕事をしている。一般の団員はほぼ同じ時間に昼食を取るが、班長などの役職持ちは、午後のスケジュール確認や準備等があるため、昼食時間が重なることは、実はとても珍しい。
「団長がこの時間に昼食を取られるなんて、珍しいですね。」
「ミラも、この時間に昼食、普段取れていないだろう。」
ミラに、エルンストの向かい側の席を勧めた。
ミラはフォーゲル男爵家からハルトマン男爵家に嫁いだ者の孫だ。本家伯爵家の者には強い攻撃魔法を施行する者が生まれやすいが、男爵家からは強い光属性を持つ者が生まれやすい。そしてミラも、強い光属性を持ち、王国内でも珍しい上級回復魔法、【光魔法:エクストラヒール】の使い手だ。そう言う意味では、フォーゲル家の血を濃く引く女性だ。
ミラはエルンストが見ている魔法陣に気づいた。
「団長、その魔法陣は?」
エルンストは手に持つ魔法陣の経緯を話した。
「え、それでは、それは、未確認のアデル伯爵の魔法陣なのですか?」
「あぁ。古い魔素障害が酷い現状では使い勝手が悪かったから、ルウィージェス様が改編してくれたがね。見てみるかい?」
「是非!」
アデルが残した魔法陣は、魔術師にとってはテキストやバイブル的な存在。有志でアデル魔法陣研究会やアデル魔術研究会なるものを設立し、魔法陣や魔術の研究をしているグループも数多く存在している。
ある意味、この王国内で一番研究が進み、研究されつくされているのが、アデルが残した魔法陣だ。
アデル没後400年近くが経った現在において、未確認の魔法陣が発見されたと言う。
魔術師として興奮しない理由がない。
ミラが最初に手に取ったのは【飴細工】の魔法陣だった。
「これは、火魔法が中心なのは分かるのですが、火力調整型?勢いを付ける術式が全く見当たらない。少し風魔法の術式もある?ん?これって、明らかに攻撃魔法ではないですよね?」
そう言いながら、紙の裏を見た。
「…【飴細工】?なんですか、これ?」
エルンストは、ルウィージェスが見たという、実際に【飴細工】魔法陣を使って飴細工を作成している光景を説明した。
「それでは、この【飴細工】を起動させると、飴を溶かすのにちょうど良い温度の火魔法が発動し、棒やピンセットなどを駆使して、色々な形の飴を作る、というわけですか。あぁ、それで温度調節用の術式があるのですね。」
ミラは、【泡風船】の魔法陣を手に取った。
「なんか、アデル伯爵が、このような遊戯魔法も作っていた、というのが、ちょっと意外でしたね。」
「あぁ。そもそも、飴を溶かしてもう一度形を作り直す、という発想そのものが、過去の資料からは結びつかないよな。」
「本当に。こういう遊び心を持った方だったのですね。」
ミラにとっても、アデルは血のつながりのある先祖だ。
「団長、この【飴細工】、今日の午後、ちょっと試させて頂けませんか?」
「そうだな。私もルウィージェス様の説明でしか知らないからな。全てちょっと試してみるか。」
その日の午後、宮廷魔術師団錬金部門では新たに見つかったアデル魔法陣を試してみることになった。
新たに発見された魔法陣を試す前に、色々と準備する必要がある。
今回試すのは、全て非攻撃魔法で遊戯魔法。普段と必要とする物が全く異なる。
買い物に出かけたのは、エルンストからお金を預かったミラと、【ハイヒール】の使い手シルステンの二人。今回必要なのは飴、食用着色料、串や石鹸などで、特別重い物はない。
ミラとシルステンの二人が石鹸を求めて、教会に続く道沿いを、雑貨屋に向かっていた時だった。手押し台車を複数の人数を押しているのが見えた。方向的には教会に向かっている。
「怪我人、でしょうか?」
シルステンが呟いた時、台車が二人の横を通った。
台車の上には、大人の男性二人が仰向けに乗せられていたが、職業軍人の二人には直ぐにその怪我の理由が分かった。
「今の人たち、傷が腰より下に集中していましたね。しかも、結構深い。背丈の低い魔物、でしょうか?」
シルステンは、後ろを振り返った。
「あれは、獣の爪痕ではないね。何か、鈍器か刃物か。背が低く、武器を持つ魔物…。ゴブリン?」
ミラも振り返り、教会の医療院に向かう台車を目で追った。
「季節的には、ゴブリンが一番可能性ありそうですよね。」
「一応、団長に知らせておきましょう。全くゴブリンの目撃情報がないのを、すごく気にしていましたし。」
「そうですね。」
教会の医療院に向かったのは確実だ。二人は買い物を続けた。
二人が買い物から帰ってくると、藍がエルンストの左肩に戻っていた。藍も外で虫を捕食し、昼食を楽しんだようだ。
錬金部門は期日までに納品する必要のある物を作成している部門でもある。当然ながら全員が参加することは出来ないが、未確認アデル遊戯魔法陣に興味を持たない魔術師などいない。参加権獲得のため、かなり激しい戦いがあったようだ。参加出来なかった魔術師たちが、本当に悔しそうにしていた。
エルンストは、集まった宮廷魔術師団錬金部門の団員に説明をし、【紙吹雪】班、【空中水泳】班、【泡風船】班と【飴細工】班に分けた。
今回のは全てが遊戯魔法の魔法陣。危ない魔法はない。せいぜい、【空中水泳】くらいだろうか。念のため、【空中水泳】班には風魔法を使う魔術師を数名配置した。
エルンストとミラは【飴細工】から試してみることにした。
この班には、料理経験者が多く集まった。
エルンストは伯爵当主だが、実は料理が好きだ。調味料の匙加減で味が変わるところが、なんか実験している気分になるという理由で、珍しい調味料を見つけると躊躇することなく購入し、料理長と試してみている。
エルンストの、この趣味は身内の中では結構有名で、国王アギディウスも、国王という立場から珍しい調味料が手に入ると、必ずエルンストに分けている。勿論、それによって作られた料理を、アギディウスは楽しみにしている。アギディウスと宰相のオルトールドは、自分たちを「味見担当」と呼び、新しい味を楽しみにしている。
一般的に女性の方が魔法との相性が良い、と言われている。事実、強弱問わず、魔法使いの人口は、女性の方が多い。
これは、女性が次世代の生命をその体に宿す事が強く関係していると考えられている。
曰く、強い魔力を持つ事で、体内に宿す次世代の生命に魔力を渡す役割を持つ。
曰く、強い魔力で体内に宿す次世代の生命を守り抜く。
曰く、強く魔力で邪から児や子も守る。
宮廷魔術師団も、男性団員よりも女性団員の方が、数としては多い。但し、女性は生まれ持った役割から、妊孕性を持つ年代は、男性団員の方の数が多くなることが多い。これは、仕方がないことだ。
高度な武術を身に付けた者や強い魔法が使える者は貴重だ。テューゲンリン王国では、妊娠・出産等を理由に、騎士団であれ魔術師団であれ、退団する必要はなく、逆に、戻って来られる状態になったら戻ってきてくれ、というスタンスだ。
そういう背景もあり、【飴細工】班に集まったのは、エルンスト以外は全員女性だった。しかし、エルンストはその辺は無頓着で、気にしない。
以前、クラウスが女性多数の中で男一人が気にならないか聞いたことがある。その問いに対する返答は、「妻、いるし」だった。
クラウスたちは、そういうエルンストをある意味尊敬している。
【泡風船】と【飴細工】は、使う材料の関係上、紙のまま魔法陣を使うのは難しい。エルンストは、この間覚えたばかりの【魔法陣転写】で、【泡風船】と【飴細工】の魔法陣を石板に写した。
【飴細工】に参加したのは8人。最初は、菓子作りが得意なミラと、元菓子職人の母を持つメリザンド・フォン・ファイファーが試してみることになった。
ルウィージェスから、この魔法陣は生活魔法の魔力で起動するようになっている、と聞いている。
「この魔法陣は、本当に少量の魔力で十分らしい。魔力量としては、生活魔法使用時程度で十分との事だった。」
エルンストが、ミラとメリザンドにそう説明すると、二人から同時に「え?」という声が漏れた。
「私も驚いたが、そもそもこれは、一般魔法が使えない人たちが使う事を前提としていたらしいからな。」
「そう言えば、そういう話でしたね。」
ミラが頷いた。
「とりあえず、【生活魔法:乾燥】で試してみます。」
そう言うと、ミラは魔法陣を起動させた。
本来、魔法を起動させても魔法陣は一瞬しか光らないのだが、魔法が発動した事を見せるためだろうか。魔法陣がうっすらと光り続けている。
「なんか、芸が細かいですね。」
「あぁ、魔法に興味を持ってもらうための苦心というか、努力の跡が見受けられるな。」
メリザンドも同様に、【生活魔法:乾燥】で魔法陣を起動させた。
「確かに、熱いと言えば熱いですが、【火球】よりも温度が明らかに低いです。この温度では、触れば火傷は負うでしょうけれど、物が燃える温度ではないですね。」
メリザンドは、光る魔法陣の上に手をかざしながら感想を述べた。
「あくまでも素人が飴を溶かして形を作るための魔法陣だ。飴が焦げない温度に設定してあるのだろう。」
「子どもの遊戯ですものね、これは。魔力調節ができないようになっていて、しかも、高温にならないようにしてある。あぁ、だから熱を風魔法で集める感じにして温度を上げているのか。」
「だろうな。」
ミラの見解にエルンストも同意見だ。
ミラは飴を一つピンセットでつまみ、少しずつ魔法陣に近付け、ちょうど良い温度を探す。
「あ、ここですね。飴がゆっくりと溶けてきました。」
ミラは慌てて溶け始めた飴に串を刺し、少し魔法陣から離した。
「あまり柔らかすぎると流れてしまいますが、このくらいの硬さを保った状態であれば、確かに、形を作り直すことは出来そうです。」
メリザンドも、溶け始めた飴に串を刺した。
「ルウィージェス様の話では、串を2本刺して、くるくると練るようにして形を作っていた、と言っていたよ。」
「なるほど、」
ミラとメリザンドは2本目の串を刺し、くるくると飴を練り始めた。
「この状態から食用着色料を使えば、マーブル模様が作れそうです。」
流石菓子作りをよく行っている二人だ。どのようにしたら『細工』になるのか、イメージが湧くようだ。
ミラは、串やピンセットなどを操り、器用に小鳥の形を作った。流石に尾は短いのが1本だが、明らかに、モデルは藍だ。
「凄いな、本当に小鳥になった。」
エルンストは、ミラから小鳥飴細工を受け取り、くるくると回して見ている。
藍も興味津々だ。
メリザンドが作ったのは、花の形をした飴細工。食用着色料で花びらと花弁を表している。
「溶かしながら作るから、部位を別々に作って、後からくっつけるという事も出来るのか。」
メリザンドのアイディアに感心するエルンスト。
「小さな子どもが対象の場合は、これはとても安全でいいですが、10歳くらいの、火を使う家事の手伝いを始める年齢くらいの子が作る場合は、炎が見えている方が、作りやすいかもしれませんね。細かい部位を作る時は、炎が見えている方が、微調整しやすいかと思います。」
早くもメリザンドは、この魔法陣の長点と欠点に気づいたようだ。
「ふむ…、」
エルンストは、魔力可視化で【飴細工】の魔法陣を描き、編集を始めた。
【飴細工】班の団員は勿論の事、気付いた他の班の団員も、エルンストの編集作業をじっと見ている。
魔法陣の編集は、実はとても難しい。魔法の術式に造詣が深くないと、そもそも作れない。魔法陣は術式の集まりだ。それぞれの術式が正しく構築されて初めて魔法陣は発動する。基本的ルールを無視して作った魔法陣は、発動しなかったらそれで良いが、ヘタすると暴発する事もある。
テューゲンリン王国は勿論の事、他の国でも、基本的ルールを無視して作った魔法陣を暴発させて、大小の如何を問わず、被害を出した場合は、事故ではなく事件扱いとなる。つまり、犯罪者として処罰される。ただし、当然ながら教育機関における暴発は、事故扱いになる。
宮廷魔術師団の団員は、王国内でも飛びぬけて高度な魔法を使う者たちの集まりだが、魔法陣の編集を行える団員は、魔法陣作成班に所属するほんの数人だけだ。彼らは全員、テューゲンリン王国王立アカデミーの高等部で魔法陣専門科を選択し、優秀な成績で卒業した者たち。それでも、エルンストのように短時間で編集できる者はいない。
数分後、どうやら満足できる魔法陣が出来たようだ。エルンストはアイテムボックス内から紙を取り出し【複写】した。
「メリザンド、これでちょっと試してみてくれないか?」
【飴細工Ⅱ】魔法陣を受け取ったメリザンドは、石板の魔法陣と見比べた。メリザンドの後ろと左右からも、他の団員たちが覗き込んでいる。
「あ、これ、【種火】の術式を追加して、風魔法で火力を調節できるようにしたのですね。」
「【種火】なら、どんなに魔力を込めても、炎が縦長になるだけで、広がらないからな。二人の作業工程を見ていて、強い火力が必要なのは、どうも数秒だけの事が多いようだから、その場合は、風魔法を起動させれば、その時だけ火力が強くなる。それでも、横に広がることはないから、溶かしたくない部分まで溶けてしまうような事は起きないと思う。」
メリザンドは、エルンストが編集した【飴細工Ⅱ】を起動させ、先ほどと同じ工程で同じく花の飴細工を作った。
「こっちの魔法陣の方が熱の範囲が狭いので、細かい部位が作りやすいですね。それに、最後の部位貼り付け作業も行いやすいです。」
エルンストは、【魔法陣転写】で【飴細工Ⅱ】の魔法陣を石板に人数分を転写し渡すと、それぞれが、【飴細工】と【飴細工Ⅱ】魔法陣の両方を使って、飴細工作業を開始した。
エルンストが作るのは、勿論藍だ。
ミラは、エルンストが最後の微調整を始めた頃を見計らい、買い物途中で、ゴブリンによると思われる負傷者二人が、教会の医療院に運ばれる所に遭遇した事を伝えた。
「そうか、とうとう出たか。」
「はい、運ばれている最中でしたので、どこで負傷したのかは分かりませんが。」
「教会の医療院に運ばれたのなら、ヘルガ院長が詳細を聞いている筈だ。傷が魔物によるものならば、騎士団の方にも報告が行くだろう。後で、クラウス団長に報告が上がってきたか、聞きに行ってくる。」
エルンストは、満足いく藍を模した飴細工をしばらく眺め、長い2つ尾が折れないように、そっと袋をかぶせた。
娘のエヴァリンは藍が大好きだ。きっと喜んでくれるだろう。エヴァリンの喜ぶ顔を想像するエルンストの顔は、父の顔だ。
藍は、自分にそっくりな飴細工の周りをくるくる回っている。恐怖を感じている様子はない。警戒もしている感じもない。エルンストの肩に直ぐに戻る様子もない。どうやら気に入っているようだ。
エルンストは、他の班の様子を確認した後ミラに監督を頼み、騎士団の方に向かった。
クラウスの執務室に向かっていると、ちょうどクラウスが執務室から出てきた。
「エルンスト殿、ちょうど良かった。」
「医療院の方から報告、入りましたか?」
クラウスの、何故知っている?と言わんばかりの表情に苦笑しつつ、昼過ぎ、買い物を頼んだ魔術師団員が、たまたま負傷者が運ばれているところに遭遇した事を話した。
「なるほど。ヘルガ院長からの報告では、魔術師団員の見立て通り、ゴブリンによる傷との事だった。場所は、『鳥の森』から20分ほどウール川を下った所らしい。設置した罠にかかった川魚を回収していた時に襲撃されたらしく、襲って来たのは3匹のゴブリン。運悪く、手や服に魚の臭いが付いた状態だったために、魚を放置しても襲って来たそうだ。たまたま、設置した罠を解体する事になっていたらしく、工具を持っていたから、それでゴブリンに抵抗して、3匹全てを倒したそうだ。目視の限りでは、倒した3匹以外にはおらず、荷馬車で王都まで戻って来る時も、ついてくるゴブリンはいなかったそうだ。ヘルガ院長の報告書によると、ゴブリンによる負傷にしては、深い裂傷が多かったらしいが、恐らく、魚の臭いが原因だろう、との事だった。」
「ウール川、ですか。『鳥の森』には今まで一度もゴブリンの棲息は確認されていませんから、川の下流側のどこかでゴブリンの営巣地が出来た、と考えた方が良さそうですね。」
「あぁ。一週間以内に特別警邏隊を編成して、近くの村々を回ってゴブリンの目撃情報を集めようと思っている。」
「承知しました。こちらも、警邏隊に参加させる団員を選定しておきます。」
特別警邏隊の規模などの目算を二人で話し、二日後までに警邏隊の規模、警邏の範囲、日数及び予算を宰相に上げることを決めた。
因みに、【飴細工Ⅱ】は【種火】の術式を使っているため、一般魔法が使える者専用とし、食堂のコックに、使い勝手を聞く事に決めた。
数日後、コックから【飴細工】及び【飴細工Ⅱ】で作った飴細工を食堂で販売したい、との提案が上がり、お試し期間として、1カ月間だけ販売してみる事にしたのだが、特に子持ちの団員たちから好評で、1カ月を待たずに定番商品となり、宮廷魔術師団食堂の名物となった。翌月には、騎士団の食堂でも販売される事になった。
ゴブリンによる負傷者の報告が出た翌日、エルンストは藍を左肩に乗せ、数人の魔術師団員を連れて『鳥の森』に向かった。
警邏隊の派遣が決まっている。エーギグ蔓の採取に来たのだが、ついでに、「鳥斥候団」の団員集めも兼ねている。既に10羽程が団員になっている。
森に入った途端、エルンストと団員は強い違和感を覚えた。
「団長、鳥の鳴き声、少なくないですか?」
違和感の正体に気づいたミラが小声で聞いた。
「ミラもそう思いますか。」
エルンストは藍に結界を頼んだ。
藍には原因が見えていたのかもしれない。普段は体を守るように結界を張るところ、今回は足元から頭部まで守るように結界を張った。
それに気付いたエルンストは、異常事態が起こっていることは間違いないが、確証が必要と判断した。
「今日は森に入るのは止めよう。ただ、ここから王都までの距離はあまりない。騎士団と王城へ報告するため、周辺の下調べをしよう。」
エルンストと攻撃系の魔法を得意とする魔術師たちを前衛にし、補助系魔術師たちを後衛にして周りを注視しながら進んだ。
藍が「ぴっ」と鳴いて、片羽根を広げ、斜め左上を指した。
エルンストたちもそっちの方を見る。
すると、高さ1メートル半くらいの所にある枝の上に、一匹のグリーン・ウォルフがいた。エルンストたちは身構えるが、明らかにグリーン・ウォルフはこちらの存在に気付いているのに、枝の上から動こうとしない。しかもよく見ると、その周りに複数のグリーン・ウォルフが、やはり同じように枝の上におり、動かない。
エルンストには、このグリーン・ウォルフの行動に心当たりがあった。
グリーン・ウォルフはこの『鳥の森』に生息する魔物の中では強い方だ。にも関わらず、エルンストたちに対し敵意を向けてこない。これは完全に気配を消し、面倒な相手から身を隠している状態だ。
強い魔物がいるわけではない。しかし、グリーン・ウォルフが面倒くさいと感じる魔物がいるのだ。
思い当たるのは、昨日目撃されたゴブリンだ。だが、ゴブリン数匹程度では、グリーン・ウォルフはあのような行動はとらない。
エルンストは、グリーン・ウォルフから目を離さず団員に伝えた。
「ゆっくりこのまま下がる。そして、騎士団と王城へ報告だ。グリーン・ウォルフが相手をしたくない魔物がいる。グリーン・ウォルフが森から出ずに、木の上で気配を消す行動をとっている以上、強い魔物ではない。おそらく、数が多いのだ。」
ゆっくり後退し、急ぎ騎士団へ報告した。
エルンストから報告を受けたクラウスは、急ぎ二人で登城した。
途中で藍はエルンストの肩から飛び出した。ルウィージェスに何か伝えに行ったのだろう。
エルンストが『鳥の森』での様子を国王アギディウスと宰相オルトールドに伝えていると、王城のメイドより、ルウィージェスが急ぎ用で謁見を求めているという報告が入った。
やはり藍がルウィージェスに何かを伝えに行ったのだ。しかも、その内容はルウィージェスが直接動く程の事だったのだ。
「王様、宰相さん、急ぎ連絡する事があります。」
「ルウィージェス様、授業中わざわざありがとうございます。」
国王アギディウスが礼を述べた。
「ランから報告がありました。エルンスト団長から森の様子が伝えられたと思います。」
そう言うと、ルウィージェスは皆の前に【時空間魔法:スクリーン】で王城から東西南に広がる地図を出した。
「ランも『鳥の森』の鳥たちに異常を感じたため神鳥の力を解放し、付近の鳥たちの視覚を共有して状況確認したそうです。それによってランが見たのは、大量のゴブリンの群れでした。しかも、点在していました。その位置が、」
そう言うと、ルウィージェスはスクリーン上に複数の光の点を付けて行った。
「これだけ点在していて、しかも、南東の方へ大移動を始めていたそうです。」
四人はあまりの範囲の広さに無言になった。
「ランによると、『鳥の森』にも既にゴブリンが入り込んでいるそうです。ただ、この森にいるゴブリンは、他と比べると群れの大きさは小さい方だったそうです。」
ルウィージェスは皆の反応を見ながら話を続けた。
「ランからの報告を受け、ぼくも感覚を広げて確認しました。そうしたら、」
ルウィージェスは王都からみて南東、『鳥の森』の湖を起点として走るウール川の周りに点在する村々に光の点を付けて行った。
「ぼくが確認した限り、このウール川を挟んだ左右に点在する村、8か所が既にゴブリンの襲撃を受けていました。」
この報告には四人が勢いよく立ち上がった。
「既に被害が出ていると?」
クラウスが聞いた。
「はい。ぼくがメイドさんを待っている間に確認したところ、食糧庫を中心に襲撃を受けていました。」
四人はルウィージェスが付けた光の点の場所を食い入るように見ていた。
「プファルーツ州領の州領主か、ライラン領主からの連絡は来ていないのか?」
国王アギディウスが宰相オルトールドに聞いた。
「ルウィージェス様が示して下さった場所は、全てライラン領地域から王都側に点在しています。その為に早馬を出せずにいるか、早馬が被害にあってしまった可能性があります。」
「そうなると、こちらからも早馬を出せないか。」
「はい、馬が危ないかと思われます。」
アギディウスとオルトールドは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
【時空間魔法:スクリーン】に映し出された村々の場所と藍が確認したゴブリンの群れの場所を睨んでいたクラウスが口を開いた。
「これは範囲が広すぎます。プファルーツ州領側との連絡が難しい以上、王都より北側の州領に援軍を要請すると同時に、冒険者ギルドにも応援を頼むしかないと思われます。」
クラウスの表情も硬い。
「騎士団、魔術師団、共に準備を開始してくれ。」
「はっ!」
団長二人は国王アギディウスと宰相オルトールドに敬礼をし、出て行こうとした。
「あ、クラウス団長、ちょっと待って。」
クラウスはルウィージェスの方を振り向いた。
「ニックスも討伐に連れて行って欲しい。ニックスはまだ小さいからスキルを付与出来ないけれど、神術で迷子札にスキルの術式をかければ、ニックスもスキルを発動できるようになるから。ニックスに付与するスキルは【遠吠えの共感】。これは補助魔法の一つで効果は「攻撃力強化」。ランと同じで、ニックスの遠吠えが聞こえた仲間の剣術、弓術を含む全ての物理的攻撃力と攻撃魔法の威力が上がる。スキル発動時の遠吠えは遠くまで響くから効果範囲はそれなりに広い。そして、ニックスが遠吠えする度に効果時間が延長されるから、時間を気にしなくてもいい。それに、ニックスは既にミルク卒業しているから、柔らかくしてあげれば、ぼくたちと同じご飯が食べられる。」
「それはありがたい!」
「ぼくも後で騎士団の訓練場に行って、ニックスがスキルを使えるようにします。」
「よろしく頼む。」
そう言うと、クラウスとエルンストは騎士団、魔術師団に向かった。
ルウィージェスは学校を飛び出してきてしまったので、オルトールドが学校へ手紙を書き、しばらく休む旨を認めた。
学校へ戻り、宰相オルトールドからの手紙を学長に提出し、ルウィージェスはリリーエムラ公爵家に転移した。エムラカディアは神界にいるとの事だったので、伝達鳥の神鳥カードリーに手紙を託した。
リリーエムラ公爵家からある程度の食糧などをアイテムボックスに補充し、着替えなども用意した。
今回は、母狐ミルとニックスの弟シュネーも連れて行く。
母狐にはスキル【母の遊び唄】を、弟シュネーの迷子札には【活力の息吹】の術式付与を行った。効果は全てニックスと同じだ。
そうこうしているうちに、エムラカディアが戻ってきた。事情を伝えると、リリーエムラ公爵家の州領騎士団と王都騎士団に命令を出し、ルウィージェスと一緒に王国騎士団と宮廷魔術師団と合流することになった。
リリーエムラ公爵家騎士団は、準備にもう少し時間がかかるため、ルウィージェスが先にクラウスとエルンストに、リリーエムラ公爵家騎士団が準備を開始していることと、母狐ミルと弟シュネーも連れて行く旨を伝えた。
リリーエムラ公爵家騎士団の準備が整ったため、【ゲート】でリリーエムラ公爵家騎士団は王国騎士団と合流した。
「アダルベルト州領団長、ウィルヘルム王都団長、早い合流、深く感謝する。」
クラウスは握手しながら言った。
「お久しぶりです、クラウス団長。我々はルウィージェス様から、王国騎士団たちがゴブリンなどの下位魔物の襲撃発生を確信している、と伺っておりました故、ある程度は準備しておりました。」
「本当にありがたい。この冬から連鎖的に魔物の異常行動が続いていましたからね。この時期になるまで、ゴブリンの大群などの報告が入らない異常事態を危惧しておりました。」
一通り挨拶を終えると、クラウスは若い騎士にエルンストへ連絡を入れるよう指示し、カリンにも参加を依頼し、早速会議室へ移動した。
この間にルウィージェスは、ニックスの迷子札に【遠吠えの共感】の神術術式を付与した。
今回は、ゴブリンの出現が広範囲で、しかも過去にない規模の数が認められている。現場で大きな判断が求められる可能性が高い。また、規模によっては長期戦となる事も考える必要がある。
諸々の事情と戦力を考慮し、騎士団はクラウスが率いる一団とニックス、宮廷魔術師団は団長エルンストと、光魔法と攻撃魔法の両方を使う副団長ザビーネも参加する事になった。
騎士団の副団長フィンは、『鳥の森』より王都側にゴブリンが出現した時に備え、また、宮廷魔術師団から団長と副団長が討伐戦に参戦するため、王都で騎士団・魔術師団の留守を担う事となった。
エルンストの一団にはルウィージェスとカリンが攻撃の主軸として参加し、大きな群れを殲滅する。副団長ザビーネも攻撃魔法を得意とするため、適宜、小一団をまとめる事とした。
リリーエムラ公爵家騎士団は、アダルベルトの一団に母狐ミルが付き添い、ウィルヘルムの一団にシュネーを加えて戦力を強化することにした。
宮廷魔術師団の団員は、属性のバランスを考慮し、全ての団に十数名ずつ派遣した。特に、支援魔法と結界魔法を得意とする団員を積極的に他の団に合流させた。人数的には一番少なくなったが、エルンスト、ルウィージェスとカリンの3人と「魔道神鳥」藍がいる為、攻撃力・防御力共に、一番高い。
プファルーツ州領から連絡が来ない理由の一つに、早馬がゴブリンに襲われた可能性がある。もし、『鳥の森』より北側、王都側にもゴブリンが押し寄せた場合、王都との連絡が取れなくなる可能性も考えられた。
そこで、ルウィージェスはクラウスとエルンストに、エルンストが集めた魔鳥軍団「鳥斥候団」に、緊急時の連絡係になってもらっておいた方が良いのでは、と提案した。
二人も強く同意し、ルウィージェスが「鳥斥候団」に伝え、団員の10羽全てに【魔導王魔術:スキル付与】で【連絡の唄】を付与した。
これは、この【連絡の唄】スキルを持つ仲間同士で共鳴しあう事が出来るため、遠くで【創造魔法:連絡の唄】を発動させても、仲間の【連絡の唄】を感知する事ができ、仲間に自分の居場所を伝える事が出来るスキルだ。当然、危機を知らせる事も出来るため、大型の鳥などに襲われた時に、鳴き声を出さずにスキルで連絡を取り合う事も出来る。
副団長フィンも合流し、「鳥斥候団」団員に副団長フィンを紹介し、覚えてもらった。そして、王都側に団員3羽を残す事にした。
「鳥斥候団」の魔鳥たちは神鳥ではないため、藍のように夜間飛行は出来ない。また、戦う能力も持っていないので、人族たちが戦っている間は、安全な所に避難している。
その為、ルウィージェスは【創造魔法:共鳴魔石】で魔石を作り、【連絡の唄】のスキルを持つ鳥団員を呼ぶ手段とした。『共鳴魔石』は各団長と副団長が持つ事とした。戦闘時に使う魔石ではないので、普段はポケットなどに入れておいて、「鳥斥候団」団員を呼びたい時に魔石に魔力を込めればよい。
他の州領からどの程度が派遣されてくるかは、まだ連絡が入っていない。合流した時点で適宜戦力を考慮し、団を編隊するしかない。
『鳥の森』は王都から近いため、まずウィルヘルムの一団が担当し、先行する団との合流を目指すことにした。
第36話から、とうとう惑星エムラにおける最終編、最後で最大のイベントが始まります。ルウィージェスは、ゴブリン戦が終わった後、惑星カティアスに行きます。
さて、次回の第一章第37話以降は、王都を離れ、騎士団、魔術師団共に奮闘します。
来週4月11日(土)20:00公開予定です。
第37話 「ゴブリンの襲撃②―洞窟内の大規模営巣地①―」
来週もよろしくお願いいたします。
また、お会いできるのを楽しみにしております。
月 千颯 拝




