第二十四話 じょーほーぶんせき
「我が軍の大勝利みたいですぞ、姫様!」
うちの騎士団の将軍が鼻息荒く、俺に報告してくる。
おーい、今、手紙書いているんだから、邪魔するなよなー、などと思ってしまう。
そういえば、ついこの間まで、苦戦しているとかいっていた気がしたが。気のせいか。
「それは素晴らしいことですが、陛下からの確かな連絡なのですか?」
「あ、いえ、連絡将校からの早馬でしたので。陛下にも同時に連絡が届いておるものかと」
将軍の声がちょっと小さくなった。
ふむ。
そうすると、騎士団の前線部隊からの戦勝報告か。
ちゃんと確認をとったんだろうな?
「どれ程の戦果であるのかを至急調査した方が良いかもしれないわ」
一応、忠告してやる。
「姫様。それはいらぬ心配と申すもの。我が騎士団といたしましては、この機会に乗じ、全戦力を投入して、魔王軍を壊滅してご覧にいれます!」
どたどた、と出ていってしまった。
うーん、これが誤報だとすると、せっかく今までせっせと作っていた防衛体制が変に歪んでしまうな。
しかも、歪むと、元に戻すのがなかなか面倒くさい。
本当のところは、どうなのかなー?
そんなことを考えて、頭を悩ませている俺に、天啓が下った。
あ、そうだ、聞けばいいじゃん? 魔王軍総司令官殿に。
・・・というわけで、俺は魔王様のところに向かった。
魔王様は最近、俺が教えてやったカードゲームに凝っている。
今日も白鷺亭につくやいなや、ゲームに誘われた。
「マオールさま。本日はちょっとお聞きたいことがあるのですが」
「うん? なんだ?」
「マオールさまは、ご実家の方へと至急帰る用事などはないのですか?」
「藪から棒になんだ。まぁ、教えてやらんでもないが、条件がある」
なんだ?
魔王からの提案にちょっとびびりつつ、聞いてみる。
「な、なんでしょうか?」
「うむ。いつも普通にゲームばかりしておるが、今日は趣向変えて賭けゲームをしよう。アインスよ。お前が勝ったら先程の質問に答えてやる。だが、俺が勝ったら・・・」
「勝ったら?」
ごくり。
つばをのみこむ。
魔王は、たっぷりとためを作ったあと、威厳を持って宣言した。
「脱いでもらう」
脱衣ゲームかよ!
・・・結果、俺の全勝だった。
魔王、よえーな。
もうちょっと修行せいや。
「くっ、なぜだ。・・・だが、まぁ、よい。俺も男だ。質問にはちゃんと答えてやろう。先程の質問だがな、俺は特段帰る予定はないぞ」
「急にご実家の方が大変になったとかはないんですか?」
「だから、別にない。まぁ、たまーに、帰ってこいとは言われるが、いつものことだしな」
そうか。
やはり、そうすると先程の戦勝報告は誤報くさいな。
俺は魔王の宿を後にして、至急、城へと戻ると、親父に早馬をとばした。
後日、やはり、誤報だということが判明し、俺の的確な情報判断に対して、親父や騎士団から感嘆の声が上がった。
まぁ、ウサギの耳は弱いものにとっては最強の武器ですよ。
などと、講釈を垂れてみる。




