第1章 11話『車内にて1』
駅に着くと色々な人で溢れ返っていた。
「凄い人だね。魔法学校の入学式もあるからいつもより多いね・・・。」
「うん、逸れない様に手繋いでもいい??」
「いいよ、放さないでね。」
そんなやり取りをしながら、目的の電車を探していた。
「あっ、あれだよ、ツカサ、学園専用列車。」
「へぇ~。ちなみにあれは何を元力として動いているんだい??」
「あぁ、あれはね小さなクリスタルを媒介に魔法で動いているんだよ。」
「へぇ~、魔法原理の応用か。」
「そう、よく知ってるわね。」
「昨日読んだからな。」
「どこまで読んだの??」
「空間魔法までかな??」
「空間魔法使えるの!?」
「使おうと思えば、原理は分かってるから後は実践してみないとわからないかな。」
「凄い、あんな難しい原理をいとも簡単に読破するなんて・・・。」
「そうかな・・・。結構楽しかったなぁ。って列車の時間大丈夫??」
「忘れてた。急ごう、ツカサ。」
「了解。」
俺達はあわてて列車に飛乗り、空いている部屋を探した。10分ほどして空いている席を見つけたのでそこに入った。
「はぁ、この列車凄いな、浮いてるぞ。」
「当り前よ、風のクリスタルを使ってるんだから。ちなみにクリスタルは魔力の源みたいなものかな??魔法石よりも強力な魔力を放ち、その魔力は尽きる事がないと言われているわ。それをこの列車にも使用しているのね。」
「へぇ~。魔法って凄いんだな。めちゃくちゃ便利がいいなぁ。」
「そうでもないわよ。魔力を使う道具しかないと言う事は自分自身の魔力を使わなければならないし、その分体力も低下するのよ。」
「でも日々鍛錬してたら魔力も上がるって。」
「ツカサ位最初からあったらいいわよねぇ~。」
そんなやりとりをしていたら、いきなりドアが開いた。
何だ??と思い、振り向くと、そこには一人の変な男が立っていた。
「誰だこいつ??変な奴。」
そう言ったら男は口を開いた。
「あぁシイナちゃん…僕のマイスィートハニー元気にしていたかい??でもなぜそばに男が…、もしや…そんな…。」
男は一人妄想して意気消沈していた。
「恋人だなんて、ツカサどうしよう…。」
こっちもこっちで妄想していた…。
とりあえず、早く元に戻って欲しいと思いながら学校の教科書を読むことにした。
・・・・。
そうこうしていると、シイナが戻ってきた・・・変な世界から。
「ツカサまた読んでるの?あれ程無理は駄目って言ったのに。」
「無理はしてないよ、楽しんでいるし、それにあっちの世界に一人で行っていたのはシイナだろ。」
「ごめん、つい…。」
「まぁいいけど、で誰これ??」
「あぁ、ストーカーかな??」
「そうか、じゃあとりあえず、魔法で外に運ぶか。」
「出来るの!!?」
「あぁ、多分・・・。久々だがな、まぁ何事も挑戦だ。」
そう言って俺は風の中級魔法にあたるフライを試してみた。
するとストーカらしき男の体が勝手に浮きあがり、そのままどこかに飛んで行った。
まぁどこかは分らんがな。
「凄―い。本当に出来た。」
「俺を誰だと思ってるんだ。まったく。」
「惚れ・・・ちゃい・・・そうだよ・・・。」
と言ったが俺には何を言ったか聞こえなかった。