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第30話 彼女の視線 第4話 “広がるほど怖くなる”

前回のお話、お読みいただきありがとうございます。まだまだ、話は展開していきます。

連載は、加速度的に反響を呼んでいた。


一章ごとに完結する短編形式。主人公は、ある中年男性。彼のフェチ(パンスト)と、職場の人妻との不倫、そしてそれを観察する若い女性の視点。


純は、事実をそのまま書くのではなく、登場人物の名前を変え、状況を少し変えながらも、核心はそのままにしていた。拓は「高木」に、瞳は「美咲」に、自分は「純子」に。


読者のコメントがつき始める。


「このフェチ描写、リアルすぎない?」

「不倫の心理描写がえぐい。書いた人、経験者?」

「純子の視点が好き。観察者の孤独が伝わる」


あるコメントが、特に心に刺さった。


「この作者、誰かを愛してるんだね。でも、その愛し方が少し歪んでる。だからこそ、こんなにリアルなんだと思う」


純は、そのコメントを何度も読み返した。


愛している? 拓を?


違う。私はただ――見ていただけだ。


でも、コメントは消えない。


さらに、徐々に気になるコメントが増え始めた。


「『高木』って、まさか○○会社の……?」

「いや、偶然だろ。名字だけじゃ分かんないし」

「でも、描写が細かすぎて、実在する人物をモデルにしてるとしか思えない」


純の指が、震えた。


ネットは沸騰しているのに、職場は凍りついていた。


誰も何も言わない。

ただ、視線だけが、私をじわじわと焼き始めていた。


※『彼女の計画_外伝』影たちの物語をお読み頂くとより作品の深みを味わうことができます。

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