表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/50

最終話 バレンタインデーの夜に-4

最終話です。

 お父様とお母様、そしてお義父さんお義母さんたちとのバレンタインデーは大成功に終わった。

 みんな私たちが作ったガトーショコラを絶賛してくれてとても嬉しかった。


 時刻は午後八時。夕ご飯を食べ終わってしばらく家族でくつろいだ後に、自分たちの部屋に戻ってきていた。


「楽しかったわね〜」

「うん。喜んでもらえたし、何より美味しいって言ってもらえて嬉しかったね」

「……ねえ、アリス。あなたのためにバレンタインデーのプレゼントを作ってあるの」

「ええっ、本当? ……やっぱりわたしたちの考えることは同じだね。わたしもミラにあげるプレゼント、用意してるから……♪」


 サプライズにするつもりだったので、まさかアリスも同じことを考えていたなんてびっくりだ。

 でも、やっぱり私たちの気持ちは一緒だな……と嬉しくもあって。


 早速プレゼント交換会をはじめる事にした。


「今更もったいぶっても仕方がないし、恥ずかしいから早く渡しちゃうわね」

「ミラのプレゼント、たのしみ……」

「とは言ってもお菓子だけれどね?」


 私はそう言いながら、昨日作ってクローゼットの奥に丁重に隠しておいた可愛い包みに入れた箱を取り出す。


「ハッピーバレンタインデー、アリス」

「わあっ、ありがとう♪ あけてもいい?」

「ええ、もちろん」


 ちゅっ、とお礼のキスをされて、私からもお返しをする。

 そしてにっこり微笑みあう。

 アリスが私のあげたプレゼントの包みを破かないように丁寧に開けると、箱をパカッとあけた。


「わぁ、可愛い♪ これって、たしかマロングラッセ、っていうのよね?」

「うん。シスタリアではまだ流行ってないんとけど、ルピナスとかでは大ブームらしいわ! 何でも、永遠の愛を誓う証として贈るもの……なんですって」

「本当? ありがとう、ミラ。わたし、とってもうれしい……」


 頭では分かっていても、改めて行動や言葉で言われると嬉しい。そんなことを狙って渡してみた。

 本当はかなり時間がかかって、素人だと作りにくいお菓子なのだけれど、そこらへんは魔法でちょちょちょっ、となんとかさせた。


 以前ルピナス王国に行った際に、リコやマナからおすすめされたお菓子で、シスタリアでも早く流行ってほしいものだ。完成したときに一個だけ味見してみたのだけれど、ルピナスで食べたもの以上に口の中で崩れていく食感がたまらないものになっていて、個人的には大満足だ。


 早速食べてみてほしいな、と思ったのだけれど、アリスは大切そうにテーブルの上に置くと、自分の机の方に向かっていった。


「今度はわたしからね」


 そう言って取り出したのは、中が透けて見えるケースにリボンが可愛く巻いてある小さな箱。

 中を見ると、色とりどりのマカロンが並んでいた。

 ピンク、白、黄色……。見ていて可愛い、小さくて美味しそうなマカロンたち。


「すごい、これアリスが全部作ったの?」

「えへへ、難しかったけど頑張ったの。マカロンって、『特別な人』っていうお菓子言葉があるらしくて、これはつくらないとな〜って」


 箱を渡してきながら頬を真っ赤にして、はにかみながら呟くアリス。

 私は思わず可愛くてたまらないアリスにぎゅーっと抱きついて啄むようにキスをする。


「み、ミラ……。こんなにされると恥ずかしいよ……」

「いいのよ、今は私たち二人しかいないんだから。それにもっと恥ずかしいこと沢山してるでしょ?」

「それとこれとは別問題だもん」


 頬を膨らませてしまったアリスに苦笑しつつも、キスの雨は一旦止ませ、アリスの目を観て一言一言を紡いでゆく。


「アリス、とっても素敵なプレゼントをありがとう。でも私の何よりのプレゼントはアリスが一緒にいてくれることなのよ……。これからもずっと一緒に生きていきましょ? 私の大好きな、可愛いお嫁さん♪」

「ミラ……。わたしこそ、ミラがいなかったら今のわたしは居なかった。ミラには本当に感謝してるわ。大好き。愛してる。これからもずっとわたしの近くにいてください」


 目を瞑って、今度は舌を絡ませるディープなペーゼ。

 お互いの存在を、愛を確かめあいながら、永久(とわ)に愛し合うことを改めて誓いあった私たちだった。


 これからもずっと、二人で幸せな未来を歩んでいけますように。

 そう願って今日も私たちは大好きなパートナーと一緒に過ごすのでした。


長らくお付き合い頂き、ありがとうございました。

『バレンタインデーの夜に』

丸二年間の連載を経て、このお話でこの物語は完結いたします。


今度こそ本当の終わりです。

今まで休載に休載に休載に警告に休載が続きましたが、長らくの応援ありがとうございました。

ここまで来れたのも皆様の応援のおかげです。


大好きな看板娘である二人のお話を書く事を止める、なんてことはできないので、今後は主催している百合アンソロジー、同人誌や今後投稿する番外編へのお話の収録をさせて頂きます。


今後ともどうぞ、二人のいちゃいちゃラブラブの物語をよろしくお願い致します。




『バレンタインデーの夜に』

2018/2/14,23時現在


全70話(カクヨム)

合計122,324字(カクヨム)

累計87,923PV(小説家になろう+カクヨム)


連載期間

2016/2/14〜2018/2/14(小説家になろう)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ