突然の訪問者
目覚まし時計の音で眼が覚め
「うぅ~んよく寝た!!今日は土曜日だし何して過ごそうかな?
それより優衣にちゃんと話さなきゃね。」
スマホを取ろうとして手に何かが掛かっていることに気がついた。
「???これって…見覚えがある布…まさか!?
お礼用に作っている羽織!?!?何でこっちの世界に持って来れるの?」
混乱していると「ピーンポ~ン」とインターホンが鳴り響いた。
考えるのは後にして出なくちゃね
インターホンの補佐機て通話を押し
「はい。」
「優衣です。」
画面を見ると優衣の顔が見えた
遠隔操作で鍵を開けて
「今開けるから2階で待ってて!!
まだ着替えてなくて…ごめん」
「もぉ~行く前にメールしたのに!!
わかった、2階で待たせてもらうね。」
優衣が家に入ったのを確認し家の鍵を閉めた
急いで着替えなくちゃ!!
よしこれでOKさぁ降りよう………って!!
羽織隠さなくちゃ!!
隠し扉の奥にある部屋にかけ急いで降りた
「ごめ~んお待たせ!!」
「もう風邪は大丈夫なの?」
いつもと変わらない話し方でホットしながら
「うん、この通りもう大丈夫だよ!!」
いつもみたいに動き回ってみせた
「こら、病み上がりなんだから!!」
「アハハごめんごめん」
「教えてくれるんでしょ?」
「うん、飲み物とお菓子を持ってくるから
少し待ってて。それとも私の部屋で話す?」
「どっちでも良いよ。」
「それじゃここで話すね」
お菓子と飲み物を机に置いて
優衣の向かい側のソファーに座った
「話が少し長くなるけど良い?」
「良いよ。その為に朝から来たんだから♪」
少し紅茶を飲んでから
「知ってるよね?
中高いっかんの彩檗学園に高校受験で合格して入ってきたことを。」
「うん知ってるよ。」
返事を聞いてから続きを話始めた
「私が通ってた中学校は皇聖中学別名
お嬢様学院と言われている学校に通ってた。
「えっ!?あの超エリートでお金持ちが通っていると言われている。あの皇聖中学!?エリートコースまっしぐらの!!」
まぁ、こんな反応になるよねそら…
「そう。そこではお嬢様としての振る舞い……。
歩き方からダンス・言葉遣い・対応のしかた
政治・経済等を教わった。
時には外国の王族に呼ばれ舞踏会にも参加した
私にとっては窮屈で仕方なかった。
お父さんやお母さんが大企業のトップだから私までチヤホヤされて嫌だった。本当の私を見て欲しかった。だから自由の大切にしている彩檗学園に高校入学をした。」
「優希は今でも窮屈に感じているの?」
少し考えてから
「そうね。いつも見張られているから……。」
「見張られてる!?」
優衣はキョロキョロ部屋中を見渡した
「ふふふ、優衣ったら。
不審者とかじゃないから安心して。」
何処か安心したような顔をしてから
また不安げな表情に戻った
「まさか、学校でも?この家の中にいても?」
憂鬱な気分になりながら
「…うん、そうだよ。この家にも部屋にも隠しカメラが仕込まれているの。
鍵を遠隔操作で閉めれたのも
隠しカメラのモニターを見てしてたんだからね。
学校では雇われた護衛の人が私の行動を見張っているのよ。」
「そ そんな!?」
優衣の顔が青ざめていった
「話がそれたね。両親の話だったね。」
「あの会社はお祖父からの代から続いているもので、お父さんは一人っ子だったからそれを継ぐことになったの。元は平凡な何処にでもある家庭だったらしい。
お母さんの家系は、代々歴史が古い家柄で元からお金持ちだったみたい。
お父さんとお母さんは、両家の反対を押しきる形で駆け落ちして結婚した。
今から18年前にお祖父さんが亡くなった、お祖父さんは遺書を残していたの。
そう。お父さんに自分の会社の権利を譲るってね
それから両親はあの会社を大きくしたらしい。」
チラッと優衣の方を見ると
涙目になっていた。気づかなかった振りをしながら何故黙ってたのかを教えることにした。
「私が優衣に黙ってたのは…私自身を見ないで
お金に食いついてくる友達や同級生を作りたくなかったから…。ごめんね。今まで黙っていて」
優衣は一生懸命首を降りながら
「私の方こそごめんね。
一人でこんなに抱え込んでいたことに気づけなくて…それでもこれからも友達で居てくれる?」
「うん!!私の方こそ…こんな私ですが友達で居てくれますか?」
「当たり前よ!!」
こうして二人の友情はさらに強まった。
時間を確認すると既に17時過ぎになっていた。
楽しくお喋りしていたら
一本の電話が掛かってきた。
電話番号を見るとお父さんの電話番号だった。
「優衣、
ごめん電話お父さんからだったから出るね」
優衣が頷いたので一旦廊下に出て部屋にかけ上がった。
「お父さんどうしたの?」
切羽詰まった声で
「家に皇聖学院の学院長が来るらしい!!」
「な 何で!?もう私とは関係ないはずよ!!」
「わからん。とりかく急いで帰るから来られたら二階にある応接室にお連れして暫く相手をしておいてくれるか?」
「…分かりましたわ。お父様お早いお帰りをお待ちしていますわ。」
「あぁ…ちゃんと覚えているようだな。」
「えぇ、そう簡単に忘れられませんわ」
「頼んだ。」
「はい。お父様」
電話を切ってドレスに近いワンピースに着替え
髪の毛や洋服を乱さないようにして降りた。
「優衣!!ごめん!!学院長が来られるみたいなの!!鉢合わせする前に…。」
「ピーンポ~ン」
インターホンの画面を見ると
ドレスアップされた学院長が映ってた
(見た目の年齢21~30未満実年齢不明)
「はい。」
「皇聖学院の学院長 皇夜と申します」
「はい。存じ上げております。
ただ今お開け致しますので少々お待ちください」
「優衣、どうする?私の部屋に居る?それとも…
名案を思い付いた!!私の部屋の横にもう1つ部屋があるのは知っているよね?」
「う うん 知ってるけど…。」
「そこに入ってドレス風のワンピースがあるから着せてもらって私の部屋で待ってて」
「えっ!?で でも」
「お願い協力して!!」
「わかった…今回だけだからね。」
「ありがとう。恩に着るよ」
電話でメイドや護衛の人を家に入ってくるように言い。何人かのメイドと護衛を連れて玄関まで行きメイドに鍵と扉を開かせた。
「お待たせしてしまい、申し訳ございません。」
始めに謝罪を入れてから
「ようこそお出でくださいました。
どうぞお入りください。」
「急に押し掛けてしまい申し訳ございません」
「いえ。お気になさらず。私も
皇夜学院長様にお会いしたいと思っていましたからお足をお運びになられて誠にありがたいことです。」
「それなら良かったのです。」
案内をしながら笑顔と言う仮面を被り
剥がれないように、
感情を顔や声に出さないように
学院でトップの成績を常に維持していた誇りにかけて…。
応接室につくとさっさと学院長が奥のソファーに腰を掛けていた。
私も向かい側に座りメイドがお菓子と紅茶を持ってきて机に置きそとに出るのを確認していた
「少し聞きたいことがあるのですが?
答えてくれますよね優希さん」
「えぇ、私に答えられる事でしたら」
「貴公にしか答えられないことです。」
「それなら安心いたしましたわ」
「先程優希さん以外の女性物の靴がありましたが誰か来られているのですか?」
「えぇ、こちらでお友達になった方が来られていますがそれがどうかしましたか?」
「もし良ければ私にご紹介してくださりますか」
やっぱりこうなるよね~
私の交友関係を知りたがる人なのよね~
ドレスアップを頼んでおいて正解だったわ
「えぇ、勿論ですわ。お世話になった学院のしかも学院長様が来られたのですものご紹介いたしますわ。」
ドアの前で待機しているメイドに優衣を呼んでくるように命じた。
暫くして
「お嬢様、ご友人をお連れいたしました。」
「学院長様少し失礼いたします」
「はい構いませんよ。」
扉の前に立ち側にいた護衛の人に
「ドアを開けて。」
ドレスアップしお化粧も軽くされた優衣が姿を表した。
扉を開かせ優衣こそっと呟いた
『失礼いたしますって言って軽く裾をもって…
少女漫画のようにして!!』
『わかったわ。』
優衣が部屋の中に入り
「失礼いたします」
と言い優雅に挨拶をした
そして二人揃ってソファーの前に立ち
「彼女が私の(わたくし)ご学友
夏江 優衣 さんです」
「初めまして、私は彩檗学園
1年A組 夏江 優衣と申します。
以後お見知りおきを。」
と綺麗に礼をした
流石に皇夜学院長も驚いたようだった
「優衣、あの方は私が中学までお世話になった皇聖学院の学院長よ」
「皇聖学院の学院長を勤めております
皇夜と申します。とても礼儀がなったお嬢様ですね。」
「お褒めいただきありがとうございます。
皇夜学院長様はとてもお綺麗ですわね。」
「さぁ、お二人ともお座りください」
「「はい、失礼いたします」」
ここからが長い戦いだった
優衣がボロを出さないようにカバーしながら
仮面が剥がれないように苦労した。
30分後お父さんとお母さんが帰ってきたので
タッチ交代して
疲れはてている優衣を連れて部屋に戻った。
「優衣、お疲れ様。巻き込んでごめんね」
「大丈夫だよ。それより私ボロを出していない?」
「大丈夫だと思うよ。完璧に何処かのご令嬢みたいだったから」
「それなら良いけど…」
「その服あげるよ!!
協力してくれたお礼にね♪」
「いいよこんな高そうなもの…」
「一度も着ていないしちょっとしたお出掛けの時に来て歩いたら♪とっても似合ってるよ」
「そ そう?」
「うん、私より似合ってるよ」
「じゃあ貰って帰るね」
そっと外を覗くと学院長が帰っていくのが見えた
「ふぅ~やっとお帰りになった」
「じゃあ私も帰るね」
「あっ待って!!もう21時回ってるから送ってもらいなよ!!私も乗るからね」
「ありがとう。正直言って家まで持つか心配だったから。」
「クルマ出すように言うって来るね」
優衣を車で家まで送り
お詫びとしてフルーツケーキを渡して家に帰ると両親は再び仕事場に戻っていた
私は、さっさと着替えてお風呂入って
寝ることにした
長くなってしまいました…
次の話は、過去での出来事です!!




