第96話 3人でお風呂
「「お邪魔しま〜す!!」」
羽矢と莉菜は元気な挨拶で一輝の自宅へ足を踏み入れた。
「はいはい。どうぞ」
一輝は来客用のスリッパを2人へ差し出した。
羽矢は黒、莉菜は白のスリッパを各々に受け取った。
「美月はまだ帰ってないようだな。買い物して帰るって言ってたしな」
一輝は靴箱を確認し、独りごちた。
大体、美月の方が一輝より帰宅が遅いが、ごくたまに異常に早い日がある。
「朝元。申し訳ないが。お風呂を貸してもらっていいか?外で汗をかいて身体中がジメジメする」
羽矢は右手で顔を仰ぐ。額や頬には微量に汗が滲む。
「いいよ。でもおそらく浴槽にお湯が入ってないから、すぐにお湯を投入するね」
「ああ、すまないな。流石に汗をかいたまま、他人の自宅で寛ぐのは失礼に値すると思うからな」
一輝は足早にお風呂場へ移動した。
「浴槽は・・・美月が先日洗ってるな」
一輝の言う通り、お風呂の浴槽はピカピカだった。
美月が毎晩、隅々まで手入れしている。そのため、汚れの1つすら発見できない。逆に、浴槽のテカりが数え切れないほど存在する。
一輝は給湯器のスイッチを押した。
機械音のアナウンスが、お風呂場で響き、お湯を供給し始めた。
「よし!完了!」
一輝は羽矢達が身を置くリビングへ帰還する。
「かずくん、私もお風呂に入ってもいいかな?」
莉菜は一輝の顔を窺いながら、尋ねた。
「構わないよ。増本とどちらが先に入浴するか話し合って」
「何を言ってる。順番など必要ない。私達3人で一緒に入浴する予定だから」
羽矢は恥ずかし気もなく、堂々と言い切った。
「は?」
一輝から素っ頓狂な声が漏れた。表情もカチカチに固まった。
今、何を口にしたのだろうか。現時点では理解が追いつかない。
「私もその・・つもり・・だよ」
逆に、莉菜は恥ずかしそうに首肯した。顔は赤く紅潮し、身体全体も左右にもじもじする。
「そういうことだ。もう少しすれば、入浴の準備をするぞ」
「え・・・。強制?」
一輝は即座に疑問を呈した。無意識に言葉を発していた。
「強制ではない。ただ私達と一緒に入浴したくないか?」
羽矢は試すように得意げな表情を浮かべた。口元も、いささか綻ぶ。
「・・・」
本音を言えば、入浴したい。いや、したいに決まってる。
絶世の美少女である羽矢と莉奈。スタイルも抜群でエロい。胸も非常に大きい、多量の男子を惹きつける人気者だ。
この2人と入浴するなど、西城高校の男子が夢見る事柄だろう。
一輝の選択により、実現の有無が決定する。その場面に直面する。
「一緒に入る・・」
一輝は完全に欲望に負けた。
脳内で羽矢と莉菜と入浴する光景を想像し、内心で興奮を抑えることは困難だ。
「よし!決まりだな!!そこで1つ提案だ。上着だけだが、服を脱がし合わないか?」
羽矢は一輝の想像を軽く超えた。
思いもしない提案を提示した。
「聞こえなかったか?服を一緒に脱がし合わないか?」
羽矢は一輝から反応がないため、再度繰り返した。
「うん。それは聞こえてる」
「かずくんと服の脱がし合い。興奮するかも」
莉菜はこれでもかと頬を緩ませた。脳内で邪な妄想でも考えているのだろうか。
「莉菜も賛成のようだな。決まりだな。もちろん上半身だけだぞ」
パチンッ。
羽矢は右指をスナップした。
「莉菜、まずは私から先に言ってもいいか?」
「いいよ。提案者は増本さんだからね」
2人は簡単なやり取りを済ませた。
羽矢は一輝の元へ歩み寄り、ブレザーへ手を掛けた。
「お、おい!本気か?」
一輝は気が動転し、大きな声を上げてしまう。まるで抵抗するように。
「本気?私はいつも冗談を言わずに本気だぞ」
羽矢はぺろっと舌なめずりし、一輝のブレザーのボタンを外す。1つまた1つと。
一輝は微動だにせず、されるがままだ。
「よし!全部外せたな」
羽矢は後ろに回り、優しく一輝からブレザーを脱がした。
「まずは第1段階は終了したな。次は莉菜の番だぞ」
羽矢はご機嫌な様子で莉菜を手招きした。
「は〜い!」
莉菜はパタパタ歩を進め、一輝の元へ辿り着いた。
「失礼するね。かずくん」
莉菜は軽く会釈し、一輝のカッターシャツに手を掛けた。
「わぁ〜。なんか新鮮でドキドキする」
1つまた1つ。
莉菜は優しい手つきでカッターシャツのボタンを外す。莉菜の柔らかい手つきが一輝の胸や腹部を刺激する。
一輝は羽矢の時よりも平常を取り戻しつつあった。そのため、莉菜の手が身体に触れる度に体温が上昇し、性的興奮も知覚した。
「えへへ。かずくんの服脱がしてる。幼稚園以来かも」
莉菜はカッターシャツのボタンを外し終えた。そして、羽矢のように優しく後ろから脱がした。
おかげで一輝の上部は肌着1枚だった。
「まぁ、こんなところだろ。次は朝元の番だぞ。順番から考えれば私だな。いつでも脱がしてもいいぞ」
羽矢は準備万端な姿勢を形成した。いささか胸も張る。胸の大きさが自然と強調された。
「あ、ああ」
ドクンドクン。
心臓がうるさいほど脈打つ。治まる気配はなく、時が経つごとに加速した。
「それでは・・・行くぞ」
一輝は緊張した顔で羽矢のブレザーのボタンに指を掛けた。
そのまま優しくボタンを外した。
ブレザーの第1ボタンがぽろっと外れた。
「うん。その調子だぞ。ブレザーの後はカッターシャツも頼む」
一輝はブレザーの第2ボタンも外し、ブレザーを脱がした。羽矢はカッターシャツ姿になった。
一輝は徐々に慣れ、夢中になった。羽矢の第1ボタンに手を掛け、優しく外す。
「お、おう。結構勢いがあるな」
羽矢は驚きつつも、わずかに頬を赤く染めた。
「どんどん行くよ」
一輝は羽矢の巨乳を見据えながら、目の前に立ちながら、カッターシャツのボタンを外してゆく。
「ぅん。優しい手触りでく、くすぐったい」
羽矢は甘い声を口内から漏らす。普段とは打って変わり、弱々しい姿が垣間見えた。
一輝は構わず、上から下に順番にボタンを取る。
時折、羽矢の身体に優しく触れ、羽矢は甘い吐息を出した。
最後に、一輝は羽矢の後ろに回り、カッターシャツを脱がした。羽矢は無抵抗で脱がされた。
一輝のおかげで、羽矢はキャミソール姿になった。綺麗な肌が露わになる。現在、羽矢は上部だけキャミソール1枚の状態だ。
服が薄くなり、羽矢の胸がより大きく見えた。
「あ、ありがとう。なんだか恥ずかしいな」
羽矢はキャミソール姿で自身の身体を両腕で抱えた。その姿が絶妙に妖艶だった。
「お、おう。どういたしまして」
一輝はそんな羽矢の女性らしい身体に見惚れてしまった。完全に釘付けだ。
「ねぇねぇかずくん。次は私のをお願い」
莉菜がツンツンっと一輝の肌着の袖を軽く引いた。
「う、うん。わかった」
次は莉菜を流せる番だ。
一輝はスムーズに莉菜からブレザーを剥がし、カッターシャツを脱がしに掛かる。
「第1ボタン外させるのドキドキする」
莉菜は口元に手を添え、頬と鼻の辺りを赤く変貌する。
「大丈夫?痛くない?」
一輝は気を配りながら、カッターシャツのボタンに手を掛け続ける。
「う、あん。私も増本さんみたいに声・・・出ちゃう」
一輝が間接的に莉菜の柔らかい肌に触れる度に、彼女は甘い息を漏らした。その声は自然と一輝を興奮させた。
数10秒掛けて、一輝は莉菜からカッターシャツを脱がした。
莉菜は黒の肌着1枚姿になった。
「えへへ。かずくんに脱がされちゃった」
莉菜は身体の上部を確認し、照れ臭そうに笑みをこぼした。まるで恥ずかしさを誤魔化すように。




