19話 因果応報
「3年の白雪先輩ですよね?どうしたんですか?俺をこんな人気の無い場所に呼び出して」
片山は動揺を隠さずに、周囲を見渡した。今現在、片山と白雪という先輩は体育館裏に身を置く。
白雪千里。金髪ロングヘアで、3年生で1番人気のある美少女だ。
放課後、片山は昇降口で白雪に声を掛けられ、彼女に付いていく形で体育館裏に到着した。
「うん。ちょっと、聞いてほしいことがあるの」
白雪は目を伏せた。
「そ、そうなんですか。なんでしょう?」
片山はぎこちなく頭を縦に振った。人気のない場所で聞いてほしいこと。片山の脳には1つの言葉が浮かんだ。告白という言葉が片山の脳内を支配した。
『間違いない。絶対にそうだぜ!俺、これからあの白雪先輩告白されるんだ』
片山は興奮を覚えたような顔を示し、白雪に対して爽やかな笑顔を作った。片山は美少女以外には興味がないのだ。その上、極上の美少女を常に求めている。
白雪は照れるように髪の毛の襟足部分を触った。
「片山君、私、あなたのことが好きなの。だから、私と付き合ってほしい」
白雪は綺麗に頭を下げた。
『きた〜〜』
片山は胸中でガッツポーズをした。喜びと興奮の入り混じった感情が内部から噴水のように湧き出した。
『おっといけない。いけない。少しは落ち着かないと』
片山は自制して、喜びや興奮を表面化させることを防いだ。その結果、片山の頬は緩まなかった。
「白雪先輩から告白してもらえるなんて夢にも思いませんでした!わかりました!!俺と付き合いましょう!!!」
片山はハキハキとした口調で告白を了承した。
「はいはい!ストップー!!」
茶髪のチャラそうなイケメンが体育館の裏に割って入るように登場した。
「嘘告白だよ!嘘告白だよ!!」
茶髪のイケメンがへらへらした顔で事実を伝えた。
「えっ・・・」
片山はぱちぱちと瞬きを何回かした。その数秒後、イケメンの言葉を認識し、絶望の顔が浮かんだ。
「もぅ!航平に頼まれなければ、こんな酷いことやらないんだからね!!」
白雪は航平というチャラいイケメンの右腕に抱きついた。
「悪い。悪い。俺のために、心を痛ませることしちまったな」
航平はぽんぽんと白雪の頭をタップした。
「本当にしんどかったんだからね!」
白雪は不満そうに頬を膨らませた。
しかし、片山には彼らの言葉が理解できない。耳に入っても、すぐに抜けていく感覚があった。
「お前、2年の片山だろ?可愛い奴ばっかりに告白してるって噂だからな。俺の彼女の千里が告白したら、どうなるか気になったんだよ。だから、実践してみた!」
航平はにやにやしながら、片山の顔を直視する。白雪も彼氏に倣って片山に目を向けている。
「結果はやっぱり告白を受け入れたな。噂通り、本当に美少女以外興味がないらしいな」
航平は謎が解明できて、高笑いをあげた。
「ねぇ、航平!そろそろ行こうよ!」
白雪は上目遣いを用いながら、航平の右腕を上下に揺すった。
「あぁ。そうだな。目的も達成したみたいだしな」
「うん!それじゃあ、私達行くね!!本当にごめんね片山君!」
白雪は謝る仕草を両手を合わせて作ると、航平と一緒に片山の横を通過した。雑談に勤しみながら。
数秒経過すると、体育館裏には片山しか存在しない状態に打って変わった。
片山は平常に回らない脳で現状を把握すると、力尽きるように地面に両膝を崩した。
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