第陸幕の拾
影で企みが動く。
廃研究所の大部屋では、今日も戦いの様子が中継されていた。そこにはヘリコプターで空を飛ぶ様子が映し出されていた。
「お、今日はヘリコプターか。あのプロペラ音、懐かしいぜ」
感慨に浸りつつ缶チューハイを流し込むゴーダ。だが、中継しているカメラが不調で画面にノイズが走る。
「ぶっ壊れちまったのか?」
「俺カルネロ呼んでくる!」
セルペンテは急いで大部屋を出ていき、カルネロの部屋に向かう。その途中にある部屋の前を通った際に部屋から聞こえてきた話し声を耳にする。
部屋の中では、ボヴィーニがロンに詰め寄っていた。
「あなたは知らなくてもいいことを知った。そうよね?」
「何を言っている?」
「知らぬが仏って言うし、知らないままの方がいいことも世の中にはあるのよ。そう、例えば……あなたの忘れられない人とか」
この一言に、ロンは動揺する。
「図星みたいね。あの学校にあなたが行くとこうなることはわかってたのよ。だから、ちょっと忘れてもらうわね。……発砲美人」
ボヴィーニが羽織るドレスの奥のたわわな双丘から布越しに光線が発射される。が、ロンはとっさに刀を抜いて刀身で弾き返し、軌道が変わった光線は少しだけ開いていたドアの隙間からセルペンテに当たる。
「……あれ? 俺は……。あっそうだ、カルネロを呼んでカメラ直させるんだった」
セルペンテは何事もなかったかのように早足で部屋の前を通り過ぎた。
「……命拾いしたわね。でもこれだけは言っておくわ。もしこれ以上あの子に近づいたら、命はないと思った方がいいわ」
謎の忠告をしてボヴィーニは去っていく。忠告通りにすべきか自分を信じるべきか、ロンは揺れ動いていた。
「ロンちゃんにはおいたをされちゃったけど、次の子はきっちりと……ね」
ただの爆乳お色気枠じゃなかったボヴィーニは何を知っているんでしょう……?




