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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第肆幕「個性」
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第肆幕の拾壱

特別ゲスト、登場。

「ふはははは! 会場にいる貴様ら! この中に心に闇を抱えたやつはいるかー!?」

 現れたのはハンジールであった。もちろん、この想定外の事態にスタッフは大慌てでステージに上がり彼を追い出そうとするが、簡単に返り討ちに遭ってしまう。

「なんだあいつ……?」

「まるでヒーローショーだ、路線変更はうまくいかないことが大半なのに……」

 観客席からどよめきが起こる中、ハンジールはステージを下りる。暗闇と混乱に紛れ、かんなを除く小町部はライブ会場を出る。

「あいつら、振袖のカケラを狙ってる奴らの一人よね?」

「それ以外にあんなことする奴いないよ!」

 さくらの肩掛けカバンからイナリがひょっこり顔を出して口を開く。イナリを連れてきていたことにあおいたちは驚く。

「俺はここにいる人たちの避難誘導に回るから、あいつをなんとかしてくれ!」

「わかった! 蓮、そっちは頼んだよ!」

「蓮くん、お願いね!」

 さくら、あおい、アイリスは簪を取り出し叫ぶ。

「「「開花!!」」」

 振袖小町となったさくらたちはライブ会場に突入する。扉が開いたことでフロアから会場に入った光が彼女たちを後ろから照らしていた。

 突然の乱入者に混乱するココナッツAKIBAのステージだったが、舞台裏でも混乱は起こっていた。警備員やスタッフが次々とプチッツァに襲われ倒れていく。彼女の向かう先はある部屋だった。ドアをノックし、プチッツァは用のある相手を呼び出す。

「ラパン、いる?」

 ドアがそっと開き、ラパンはカフスを付けた腕だけドアから出し、小さな袋いっぱいに入った振袖のカケラをプチッツァに渡した。

 それぞれが自分の武器を形成し、ステージに立っていたハンジールと対峙する。なお、アイリスの豪拳・山吹は右手のみの時よりも一回り小さいものがボクシングのグローブのように両手に装着されていた。

「ほ、本物の振袖小町だ!」

「まさかここに現れるとは……!」

 観客たちが熱狂する中、蓮はスタッフとともに開いた扉のそばで避難の誘導を始めるが、振袖小町見たさで半分ほどの観客たちは動こうとしなかった。避難に応じたかんなは、蓮に声をかける。

「蓮くん、さくやあおいっち、アイリスは避難したの!?」

「大丈夫、もう避難できてる!」

 かりんが避難できたかどうかわからなかったことが心残りだったが、彼女も無事であることを祈りながらライブ会場から出ていく。

「(りんりん、絶対無事でいてよ……!)」

突然こんな段取りにないゲストが登場して来たらスタッフさんは大慌てでしょうね。しかしかんなさん、あんたいい子だねぇ……。

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