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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第肆幕「個性」
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第肆幕の陸

因幡卯月……何者なんでしょう?

「「「「……因幡卯月?」」」」

 かんなを除く小町部のメンバーは聞いたことのない名前に首をかしげる。

「あー! 最近人気が出てきたアイドルでしょ!」

「そうそう! 金丸さんよくわかってる! 彼女は地下アイドルの頃からグループ自体はイマイチだけど1人キラリと輝くものがあるって思ってて、世間がやっとそれに気づいたみたいで今は人気がうなぎ上りなの!! ほら、この前のMタミでも出てたでしょ?」

 今までの塩対応が嘘のように、かりんは熱弁を繰り広げる。彼女の口から出た「Mタミ」というワードで、さくらは思い出した。振袖小町になった日に放送されたMタミの謎の新アイドルがデビュー、それがかりんが言っている因幡卯月のことであることを。結局自分の活躍が大々的に報道されてしまったことに衝撃を受けてそれ以降の記憶がない1日を過ごしたことから、どんなパフォーマンスを彼女がするのかまだ知らないさくらは乗り気であった。

「木谷さん、その話、乗った! いいよね、みんな?」

 条件に同意していたさくらに対し、他のメンバーは……。

「土曜って……明日だよね? ちょっと考えさせて」

「俺は剣道部の練習に付き合うことになってるから、それが終わってからだったら大丈夫なんだけど……」

 何時からスタートなのかを蓮は尋ねる。かりんによればライブ開始は土曜の午後6時からだったため蓮も行くこととなった。

「もち、あたしはOK! アイリスは?」

「私もあおいちゃんと同じで少し考える時間が欲しいかな」

 部員の意見は割れるが、ライブそのものの参加には同意したさくら、蓮、かんなはこのままかりんの家に行ってチケットを現金と交換することになった。なんでも、一緒に行く予定だった知り合いが全員行けなくなってしまい、チケットがちょうど5枚余っていたのだという。

 答えを保留したあおいとアイリスと別れ、小町部とはどういう部活なのかをかりんに説明しながらかりんの住むマンション「アマリリスハイム」に向かう。彼女は萌芽町在住で、アマリリスハイムからは住宅街である花ヶ咲とは違い、ビルや商業施設が立ち並ぶ近代都市らしさを感じさせる建造物が見える。その道中でさくらはここまでの出来事を頭の中でまとめていった結果、ある一つの結論に至る。かんなも同じ答えを導き出していたため、自然な形でその決め手をつかむべくエレベーターに乗ると同時に会話を始める。

「木谷さん……って固いからさ、りんりんって呼んでいいかな? あたしのこともかんなって呼んで!」

 だんだんと打ち解けてきたこともあってか、かりんはエレベーターの自分の部屋がある階のボタンを押しながら自分のことをあだ名で呼ぶことを許可する。

「木谷さん、このマンションの近くに、スーパーってある?」

 蓮は、さくらとかんながりゅいふぉんの正体がかりんであると推理していることを察し、名探偵の推理が正解であるのかを見届けることとする。

「……あるけど? このマンションの向かい側にある商業施設にリーフがあるよ。そこと同じとこにある百均でよく買い物してる」

 かりんの言葉に、一同は予想が当たっていることを確信しつつ、蓮が会話に加わる。

「あとさ、そこって他に何があるんだ?」

「オハイオがあったかな。……なんかニヤニヤしてない?」

 表情に出てしまっていたことに気づき、さくらたちはそれを否定すると、エレベーターはかりんの部屋がある階に到着する。

一般人とオタクの肌感覚の違いが見えてきてますが、大丈夫ですかねぇ?

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