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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾参幕「追走」
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第弐拾参幕の拾伍

メスガキのわからせ……というか正気に戻ってから何があったかというと……。

「私、生きてる……あんなひどいことしたのに……」

 正気に戻った沙羅は別人のような口調と顔つきになり、洗脳されていたとはいえ自分のしでかした所業の重さに泣き出してしまう。

「もう大丈夫だよ」

 破壊されたヘッドギアとピュイサンス・ファムを見て自分が解放されたこと、そしてかりんの笑顔にほっとした彼女は、無事に血液を届けることができたエリーにヘリに乗せてもらい、夕香里が待つ施設へと送り届けられた。

 P&Lのメインコンピューターのランプは赤に続き緑が消灯する。ナフ・ヴァルキリーが敗れ連続で作戦に失敗したことを意味し、姫は憤怒の表情を浮かべていた。

「保谷弁護士、あなたには期待していましたが、見込み違いでした」

 彼女は怒りの感情を手元にある保谷弁護士の顔写真にぶつけ、握りつぶした。

「しかし……陽動にはなりました。ご苦労様」

 部屋で姫は独り不気味な笑みを浮かべる。7人になったナフ・ヴァルキリーは、全員P&L本部から姿を消していた。

 血液輸送車の暴走事件から数日が経ち、あれから姫の信奉者をはじめアニメなどに対する炎上案件はいったん収まっていた。輸血を受けた鈴那もその後無事に回復し、退院してからはP&Lとは一切関わりを持たず両親と和解して家で暮らしているという。一方逮捕された保谷は「私が運転したんじゃない」の一点張りで容疑を否認し続けているそうだ。

 終業式があったこの日、小町部は放課後にかりんの家に集まり、かりんとひかりによる知る人ぞ知る名作アニメ「デンキガイサイバーズ」の上映会を行った。まず、第一話を流したところ……。

「なんかわかったようなわかんないような……」

「なんというか……奥深いんだね……」

「変身した姿がかっこいいとキレイを両立してる、俺は好き」

「話をしっかり理解したいから続きが気になる」

「キャラクターのデザインや性格に時代を感じるけど、今見るとそこがまたエモい!」

 それぞれらしい感想が出てきたが、プレゼンター二人はイナリの感想が興味深いと感じた。

「この子達中学生だけど、なんかさくらたちに雰囲気が近い気がする」

 若干の違いはあれど、登場人物が振袖小町の5人のようで、当人たちは言われてみれば親近感がわいていた。

「なあ、俺は……?」

「あたしは~?」

 苦笑いするイナリ。二人に似た存在も他の作品で見つかる……かもしれない。

「ねえかりん、次は劇場版見ようよ!」

「賛成! ひかりはやっぱわかってるね~!」

 意外なところから接点が見つかり、友情を育むかりんとひかり。上映会は和気藹々と続いていった。

かりんとひかりは輝く勇気のカケラを探してますね。元ネタ分かった方は秋葉原で僕と握手!

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