↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾陸幕「独善」
PR
254/402

第拾陸幕の拾弐

読者の中には抱いていた人もいるであろう疑問を投げかけます。

 「さーくーらちゃん♪」

 一番聞きたくない声に顔を歪めるさくら。その前に蓮とあおいが立ちふさがり、あおいが静かに、そして真剣に問いかける。

「私、あんたには前からどうしても聞きたいことがあるの。答えて」

「……聞くだけ聞いてやる」

 その隙にさくらは蓮に手を引かれ、イナリの先導で駅前に急ぐ。

「……さくら! おのれ……だましたな!!」

 さくらを逃がす口実に使われたことに激昂するティーガーに、だます意図はなかったと謝罪してから、本題に入る。

「ティーガー。あんたがさくらのことが死ぬほど好きだってことは嫌でも分かった。だけど今までのあんたの言動を見ていると、どうしても違和感がある。だから教えてほしいの」

 あおいはティーガーの目を真剣に見つめ、問いを投げかけた。

「あんた、さくらのどこが好きなの?」

 あおいの口から出てきた疑問は、ティーガーの心の中で響き渡る。彼にとって一度も考えたことのないことであったが、彼が彼女に対してずっと抱いている気持ちにとっては切っても切れない命題であった。

 なんとか逃げる隙を見つけたK2ら補習に参加させられていた生徒たちと登美は走って逃げようとするが、そこは高校生と老人、うまく逃げきれた高校生3人とは逆に登美は逃げ遅れた挙句転倒してしまう。K2たちは自分が助かることに必死で老婆のことなど構っていられず足を止めることなどなく、腰が抜けて自力で立ち上がれない彼女はここまでの悪行を知る者であれば罰が当たった、因果応報と思える展開となる。

 とにかく自分が助かることのみを考えて登美を見捨てた高校生たちは、自分たちの背を1台のドローンが追跡していることなど知る由もなかった。

 ネガボットは登美に向けてハンマーを振りかざし、ここまで傍若無人ぶりを披露し続けていた彼女でももうこれまでかと思ったその時だった。

「てやーっ!!」

 さくらが二人の間に割って入り、ハンマーの柄を真剣白刃取りの体勢で挟み抑え込んだ。その隙に蓮とかんなが登美を起こす。

「蓮! なんであんたがここに!」

「婆さん! そんなことよりも早く逃げるぞ!」

「言われなくたってそうするよ! 背負いなさい!」

 さすがの減らず口、危機がひとまず去ったらさっきまでの抜けていた腰が一気に元通りになって立ち上がるも、老人にとって転倒は命取りでふらついていた。

 命の恩人に対して礼も言わず、当たり前のように蓮に自分を背負うことを強制してくる。蓮は登美に背を向けず、破壊したものの弁償とこれまでの無礼を謝罪し二度と自分たちの前に姿を現さないよう約束するよう突きつける。背に腹は代えられぬ状況の登美は、その要求を吞まざるを得ずいやいやながら応じる。

 口約束なうえに相手が相手だから反故にされる可能性も十分にあると考えた蓮はしぶしぶ彼女を背負っていくが、さくらはその恩知らずな姿に彼女と同じような横柄な態度を最後まで執り続けたリーフのエリアマネージャーである練馬の態度が頭をよぎり本当に助けてよかったのか自問自答しつつ、受け止めたハンマーをネガボットの顔面に弾き返す。ネガボットもこれには悶絶、そのまま仰向けに倒れてしまい顔面のモニターにはひびが入った挙句映像も砂嵐になってしまう。クレーンの腕でつかんでいたかりんも放してしまい彼女もなんとか道路にできたクレーターから立ち上がったアイリスとともに加勢する。

恩知らず老害でも一般人には変わりない、見捨てない蓮は気高いですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。