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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第壱幕「再誕」
21/285

第壱幕の拾玖

第壱幕もいよいよ大詰めです!

 戦闘開始から数分が経ち、終始さくらのペースだったこともあってネガボットが虫の息になったころ、さくらの簪に付いた赤い水晶が光りだす。それと同時に、瓦礫の裏からも光があふれる。赤い水晶の輝きに呼応するかのようにイナリの額に付いた赤い石も同時に光ったのだ。そしてさくらの脳に、白い着物を着た謎の少女の声でネガボットを浄化し、運転手を元に戻す方法が直接伝わってくる。

「魔物の魂は大詰めによって浄化され、元の人間の体に戻ります。今のあなたが使える武器である聖剣・紅に、あなたに与えた火の力を宿し、魔物に注ぎ込んでください」

「今だ! さくら!!」

 瓦礫の中からイナリが出てくる。

「うん! 出でよ、聖剣・紅!!」

 斜め下にかざしたさくらの右手に炎が現れ、赤き輝きを放つ剣、「聖剣・紅」を形成する。さくらは両手でその持ち手を握る。

 聖剣・紅を頭上に構えてから両足を開き、右足を前に出して右斜め前にいる相手側に向けると、刀身から炎があふれ出す。

「邪悪なるものよ、美麗に散華せよ! 意気陽々!!」

 そして最後の力を振り絞って向かってきたネガボットをすれ違いざまに一刀両断する。

「ネガーーーーーーーーーッ!!」

 聖剣・紅によって切り裂かれたネガボットの機械部分は断末魔とともに爆発し、その爆発からあふれた白い光が運転手の口に入っていく。

 それと同時に、ネガボットによって破壊された建物や道路が元通りに修復されていく。修復が終わったころ、運転手は目を覚ます。

「……俺、今まで何してたんだ? でもなんかスッキリした気分だし、まいっか」

 今までの騒動の記憶がない運転手は、何事もなかったかのようにトラックに乗り、エンジンをかけてどこかへと走り去る。

 ネガボットの残骸からは、元通りの七色に輝く振袖のカケラが飛び出てくる。

 プチッツァはすかさず振袖のカケラを回収すべく急降下するも拒絶され、さくらを持ち主に選ぶかのように彼女の手元へと向かっていく。彼女はそれを受け入れ、片手で握りしめ自分の手中に収める。

「……あんた、次会った時は絶対倒すから、覚悟してて」

 プチッツァは苦々しい表情を浮かべ、捨て台詞を吐きながら姿を消す。

「勝った……!」

 今まであった出来事が夢であったかのように実感がなかった一方、自らの手で町や人々、そしてなによりも、大切な親友二人を守ることができたさくらは満足感にも包まれていた。

 その戦いの一部始終を収めることに成功したヘリコプターの中では、一人の女性がガッツポーズとともに喜びの声を上げていた。

「よし! これは大ニュースになるわ! 急いで帰って編集してもらわなくっちゃ!」

 さくらの戦いを見ていたのは、彼女だけではなかった。帯刀した長髪の男が、戦場となった場所のすぐ近くにあるビルの上に佇んでいた。

「これは、我らにとって脅威になりそうだな……」

 そう一言だけ残し、彼はいずこかへ去っていった。

 デクレッシェンドしていくヘリコプターのプロペラ音が聞こえる中で、さくらは振袖小町から元の姿に戻る。光になって消えた制服が元通りになっていたことに、内心安堵していた。

 ふと気が付くと、日もゆっくりと沈んできている。さくらは夕焼け空を見て、忘れていたことを思い出す。

「あーーーーーーーっ!!」

大詰め、振袖小町の必殺技はこう呼びます。敵も含め、すべて四字熟語をもじった名前になっています。

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