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倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!  作者: 神永ちろる


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再び街道に魔物出没し街道封鎖

第17話 再び街道に魔物出没し街道封鎖


前回の魔物使いによる街道封鎖から、しばらくの時が流れた。

ようやく平穏が戻ったかに思われたその矢先――

再び街道に魔物が出没し、通行不能になったとの報が入る。

ヤマタニ屋敷では、急遽対策会議が開かれていた。


「また魔物か……。」


「またですね……。」


「またかぁ……。」


重苦しい空気が部屋を満たす。誰もが、同じ事態の繰り返しに疲弊していた。

そんな中、ヤマタニだけが不敵に笑った。


「諸君。街道封鎖による経済的影響は――もはや大した問題ではない。」


一同の視線が一斉に集まる。


「……と言いますと?」


しびれを切らしたゴドールが問いかける。

ヤマタニは、わざと間を置いてから言った。


「水上輸送用蒸気外輪船が完成した。」


「おぉ……!」


場の空気が一変する。


「これで北や西の水路を使えば、街道に頼らずとも物流は回る。」


得意げに語るヤマタニ。

だが、すぐにその表情は引き締まった。


「――とはいえ、魔物の存在を放置するわけにはいかん。」


「騎士団で排除してほしい。」


「もしまた妨害工作が絡んでいるなら……カミルの策に任せる。」


前回の功績により、カミルへの信頼は確固たるものになっていた。

こうして、まずは騎士団が出動することとなる。



翌日――

騎士団は再び問題の森へと到着した。

セシルとピケが斥候として先行し、森の中へと消える。


残りの騎士団は、緊張した面持ちで突入準備を整えていた。


今回、新参のベルナードの姿もある。

やがて斥候が戻ってきた。


「魔物使いの気配はありません。ですが――ゴブリンの巣が出来ています。」


「数は?」


「少なく見積もって五十……ですが、増えている可能性があります。」




ゴドールは短く頷いた。


「巣分けだろう。規模が大きくなる前に叩く。」


「騎士団のみで突入する!」


「おぉー!!」


号令と共に、騎士団は一斉に突撃した。

森の奥、巣穴周辺――

騎士たちは次々とゴブリンを斬り伏せていく。

奇襲は成功だった。


「ふっ、他愛ないな。」


わずかの間で、二十六匹を撃破。

だが――


「……まだ出てくるぞ!」


巣穴から、次々と新たなゴブリンが湧き出してくる。

その中には、明らかに格の違う個体――ホブゴブリンが混ざっていた。


「数が多すぎる!」


「これは……五十どころじゃない!」


状況は一変する。

押していたはずの戦線が、じりじりと押し返されていく。


「一旦引く! 撤退だ!」


ゴドールの判断は早かった。

騎士団は隊列を維持したまま後退する。


――結果として、それが被害ゼロという最良の撤退を生んだ。

だが。

それは同時に、「油断による敗北」でもあった。



屋敷に戻った騎士団は、ヤマタニへ報告を行う。


「撤退は正しい判断だ。」


ヤマタニは静かに言った。


「一人も欠けていない。それが何より重要だ。」


「……しかし、自分の判断が甘かった。」


ゴドールは深く頭を下げる。


「騎士団は少数精鋭だ。一兵たりとも失うわけにはいかん。」


その言葉に、誰も反論はなかった。

そこへ――

「少しよろしいでしょうか。」


ベルナードが一歩前に出る。


「準備は必要ですが……自分一人で殲滅できます。」


場がざわつく。


「大言壮語だ!」


ゴドールが即座に制止する。

だがヤマタニは、興味深そうに笑った。


「……ほう。策があるのか?」


「はい。」


ベルナードは迷いなく答える。

その作戦は単純だった。

巣穴周辺を掃討し、

薪と松明で内部を燻し出し、

外に出た個体を各個撃破。

そして最後に――

火薬樽で巣穴ごと崩落させる。


「……やってみせろ。」


ヤマタニは即断した。


「ただし、俺も騎士団も同行する。」


「腕前は、直に見せてもらうぞ。」


「はっ!」



再び、ゴブリンの巣へ。

ベルナードは一人、前へ出た。

その剣は――速かった。

迷いがなく、無駄がない。

次々とゴブリンを斬り伏せ、瞬く間に周囲を制圧する。


「……これは。」


ゴドールが思わず息を呑む。


「大したものだな。」


ヤマタニも感心した。

やがて薪と松明が投げ込まれる。

巣穴の中から、煙に燻されたゴブリンが飛び出してくる。


それを――

ベルナードは、一匹残らず斬り伏せた。

やがて動きが止まる。

静寂。


「今です。」


火薬樽に火が入る。

投下――

全員が岩陰へ退避する。

次の瞬間。


「ドォォォン!!」


地面が揺れ、巣穴が崩壊する。

土煙が舞い上がり、視界を覆った。

やがて煙が晴れる。

そこには、完全に崩れ落ちた巣の跡だけが残っていた。


「ご覧の通りです。」


ベルナードが芝居がかった一礼をする。


「見事だ。」


ヤマタニは素直に称賛した。

だが、その視線は別の方向にも向いていた。


「――そしてゴドール。よくやった。」


「……?」


ベルナードが首をかしげる。

ヤマタニは静かに言った。


「別の巣穴から逃げた個体もいた。」


「それを、騎士団に回り込ませて処理させた。」


ベルナードの表情が変わる。


「……それは。」


ゴドールが苦笑した。

「最初から、その可能性を読んで配置していたのは――。」


視線がヤマタニに集まる。

ヤマタニは、わずかに照れたように笑った。


しかし何故こんなに早く、大きなゴブリンの巣穴ができたんだろうか?カミルはそこが引っかかってならなかった……。


――まるで、誰かが“意図的に増やした”かのように。


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