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【書籍化】お局様!三十路OLの転職~株式会社異世界商事へようこそ~  作者: 富士とまと


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「ほら、お金はあるんだよ、ただ、これを日本円にしないと……」

 社長が革の巾着から、ジャラジャラと金貨を出した。

「金貨……これ、金ですか?」

 一つ手に取り持ち上げると、重い。想像以上の重量感だ。それが、本物の金っぽさを物語っている。

「んー、たぶん。前に換金しに行ったときは本物だと言ってもらった。えーっと、金貨1枚が、重さがなんとかグラムとかはかって、含有率がどうのとか調べて、その日の金相場がどうだからで、えーっと、1枚5万くらいだったかなぁ?10枚で50万、20枚あれば100万になるかな」

 10円玉くらいの大きさの金貨が1枚5万……。それが革袋にいっぱい。200枚や300枚はありそうだ。革袋一つで1千万円以上……。

 うわー、なんか社長が何でもない感じで扱ってますけど、大金じゃないですかっ。

「んーでもなんか、どれだけ以上の金を売買するにはなんとかかんとかって、ちょっとめんどくさいこと言ってたし、含有率調べたりなんかで、すぐにお金にならないんだよね……。だから、今回はこれがお金に変えられないかと思って」

 と、木製アタッシュケースのような鞄を社長が開いた。

 どこの、宝石売りでしょうっ!

 と思わず突っ込みたくなるくらい、宝石が目に飛び込んできました。

 小豆色のベルベット生地のクッションの上に、宝石がゴロゴロ。ネックレスや指輪などに加工してあるものから、宝石だけのものまで……。

 えーっと、なんか、妙に大きいんですけど。

「こ、これは?」

「えっと、物々交換でいいかと言われてもらった宝石なんですが……金貨よりは日本円にしやすいでしょうか?」

 と、聞かれても……。

 宝石なんて売ったことないからわかりませんよ。それよりも……。

「これ、本物なんですか?」

 騙されてないですよね、本当に社長……。だって、ダイヤみたいに見える指輪も、エメラルドみたいに見える指輪も、サファイヤにみたいに見えるネックレスも……親指の爪くらい大きいんですよ。こんな大きな宝石、本物だったら、何カラットあって、一体いくらするのか……。

 まずは、本物か偽物か鑑定してもらうところから?

 本物だったとして、すごい値段が付くならその辺の質屋も古物商も扱ってくれないかもしれないですよね……。

 むしろ、指輪などに加工してない裸石をジュエリーショップに売った方がいいのでは?

「ちょっと、待ってください社長。宝石をどう売ればいいのか調べます」

 インターネットで、宝石、買い取りと入力して検索。

 ああ、買い取りますという質屋か古物商の情報ばかりが上位表示されて、役に立ちません。

 宝石、仕入れと単語を変えて検索。

「宝石マーケット? オークション……?」

 サザビーヌとか、聞いたことがある。有名絵画とか何億単位で取引されるオークションだ。

 なるほど、高価な指輪はこういうところで売るのか……。

 社長が見せてくれた宝石、あれが本物ばかりだとしたら、億単位の値が付くものもあるだろう。

 んー、そうなってくると……。

 場所は海外だし、日程はまだ先だし……。

 日本でのオークションもあるにはあるけれど、取引は月に1度か2度……うーん。

「社長、まずは本物かどうか鑑定してもらいましょう。本物でしたら、あまりに高額なものであれば、世界規模のオークションに出品したほうがいいと思います。まだ調べないといけないですが、オークション代行してくれる信用のおけるエージェントなど探さないといけないかもしれません。それから、そこまで高額でなければ国内のオークションに出品するのもいいでしょう。古物商や質屋ではどこまで資金があるのか……。ちょっと待ってくださいね。この近所で信用できそうな宝石鑑定ができる信用できそうな店をいくつかピックアップしますから」

「あ、はい。お願いします」

 社長がきらきらした目でこちらを見ている。

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