第三十二話
すいません。まとめの方を三十二話としておりましたので訂正しました。
四章始まります。
バッと訳が分からないまま体を起こし、激痛に身を捩る。
「グッ」
体を折り、痛みに耐える。
「真さん、大丈夫ですか!?」
ホタルが駆け寄って治癒の魔法をかけてくれる。
「ホタル、由香梨は……あいつらは……」
「大丈夫です。由香梨さんも隣のベットでお休み中ですし、あの二人組フルーネとジャッカはリンカさんが追い払いました」
「そっか……」
昨日も訪れた保健室のベッド、外は暗く世界から隔離された学園でも夜は来るのかと不思議に思う。隣では由香梨が何か所も包帯を巻かれた痛々しい姿で寝かされている。
「すみません。私達が力至らないばかりにお二人にこんな怪我を負わせてしまいました」
眉を下げ、眼を伏せ、自分の無力を嘆く様に胸の前で両手を白くなるほど握りしめる。
「いや、あれは俺の考えが甘かった。倒せないまでも互角くらいには戦えると思ってしまったんだ。魔法という力を手に入れて戦えると自惚れていただけなんだ。俺の欺瞞が生んだ結果だ。そのせいでリンカや由香梨にまで怪我をさせてしまった……」
「そんな事いちいち気にしてんじゃないわよ。私が怪我したのは私のせい。由香梨の怪我だって由香梨のせい。もちろんあんたの怪我もね。私達は軍隊じゃないの上に立つ責任者が居ない代わりに束縛されることはない。だから戦場での責任は個々人が負うべきなの。真が必要以上に責任を感じる事はないのよ。分かった?」
「……ああ、分かった。落ち付いた。ありがとう」
「お礼を言われる事なんて言ってないわよ」
澄ました顔でそっぽを向くリンカ。だがリンカが励ましてくれたのは十分すぎる程伝わった。
「リンカ……」
「ん、なに?」
俺は知らぬ間にリンカの事を呼んでいた。俺も呼んでから自分がリンカを呼んだと気付いたくらいだ。訳が分からないままうろたえているとリンカが先に口を開いた。
「まだ寝てなさい。傷も完治とはいかないまでも明日までには痛みは引いてる筈だから。」
気にした風もなくホタルを連れ立って出て行った。俺はなぜリンカを呼んだのだろう。何かを忘れている。俺達に関する重要な事、だがどうしても思い出せない。頭に靄がかかって不透明な壁で阻まれてる感じだ。……ダメだどうしても思い出せない。俺は悶々としたまま寝っ転がり眠魔が来るのを待つことにした。
気軽に誤字脱字報告感想お送りください。




