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幼女エルフと始める異世界生活  作者: 朝倉翔
第5章
102/199

特別編−夏だ!海だ!スク水だ!?−後編

海編はこの回で終わりとなります。

3部作にするのは無理でした。

……ネタが足りない

「ーーーープハッ!海に入ったのって何年ぶりだ?……まさか塩辛いところまで再現できるとは思わなかったけど……」


 俺は海の中から顔を出す。

 レーナ達5人の無言のプレッシャーから離脱した俺は、【翡翠の鎧】を発動したまま海に空中ダイブした。

 海面に叩きつけられるかと思ったが……高すぎるステータスが防御してくれたみたいだ。

 高ステータス様様である。


「パパ〜?どこにいるの〜?」


 そんなことを考えていたら、レーナの声が聞こえて来た。

 俺は周りを見渡すが、レーナの姿は見えない。

 となると……上空か?

 そう思って上を見ると、ユニコーンに乗ったレーナの姿が見えた。


「あ、こんなところにいた〜。ユニコーン、そのままゆっくり降下していって」


『わかりました、レーナ嬢』


「ユニコーンに乗ってここまで来たのか。それはいいとして……どうしたんだ?勝敗の結果を教えろとかだったら俺は逃げるぞ?」


 レーナはユニコーンを召喚してここまで飛んできたみたいだ。

 そのユニコーンは俺の眼の前にゆっくりと降下してくる 

 ……もしかしたら泳げないのかもしれないが。

 俺が警戒しながらレーナを見ていると、レーナはたははと笑った。


「逃げるとわかっているのに、勝敗を決めろなんて言わないってば。もうそんなこと言わないから戻って来て欲しいなぁと思って」


 ふむ……俺があの場から離脱したのは、誰の水着が似合っているかの勝敗を決めろと言われたからだ。

 勝敗を決めなくてもいいのであれば……戻るべきだろう。

 なにしろ、レーナが悲し気な表情を浮かべているのが辛い。

 そんな顔をされたら戻らないなんて言えないじゃないか。


「……じゃあ、戻るとしようかな。……【召喚魔法:玄武】」


『ご主人、我を呼んだか?……なぜご主人は海にいるのだ?しかも海がこんなにも透き通っているとは……。我も長く生きてきたが、初めて見たぞ】


「海については俺が創造した。玄武は別名水神だろ?ここからリーア達のところまで乗せて行ってもらおうと思ってな」


 玄武は俺が創造した海をみて驚いている様子だった。

 だが、気持ちはよくわかる。

 エメラルドグリーンの海は見惚れてしまうほど綺麗だからな。


『はぁ……もはやなんでもありだな……。よかろう、我の背中に乗るが良い。レーナ嬢も是非』


「はーい。ユニコーン、ここまでありがとうね」


『いえ、それほどのことはしてませんから。ではマスター、私はこれにて』


「うん、暑い中ご苦労様。ゆっくり休んでくれ」


 玄武に誘われたレーナは、ユニコーンを送還して玄武の甲羅に飛び乗った。

 俺もレーナに続いて甲羅の上に向かう。


『では ……行くぞ?そう離れていないようだからスピードは出さなくても大丈夫だろう。暫しの間、ゆっくりとくつろぐがいい』


 玄武はそう言って海を進み始めた。

 亀って水中でものんびり泳ぐものだと思っていたが……意外とスピードが出るようだ。

 甲羅しか海面に出ていなから、側から見ると陸が動いているように見えるかもしれない。

 俺とレーナは移りゆく景色を見ながら、束の間の他愛のない談笑を楽しむのだった。


 ▼


「あー!お兄ちゃんようやく帰って来た!」


 海岸に戻って来た俺とレーナを迎えたのはリーアだった。

 俺の姿を確認したリーアは、一目散に俺に抱きついて頬を膨らませる。

 口調は怒ったような感じだったが、その表情は不安気だ。

 どうやら俺が逃げ出したのを気に病んでいたらしい。


「ごめんごめん。水着姿は全員似合っているのに勝敗をつけろと言われて、いてもたってもいられなくてさ」


「うー……。お兄ちゃんにそんな気遣いをさせちゃうなんて……」


「まぁまぁ、落ち着けリーア。自分が一番似合っていると言われたい気持ちはよくわかるから。……そういえば、他の3人はどうした?」


 俺はリーアの頭を撫でながらそう尋ねる。

 本当は抱き上げたかったんだが……後ろからレーナに大好きホールドされてるから動けないんだよ。

 前後を幼女に挟まれているのは役得なんだが、気温も相まってかなり暑い。


「ユミは砂浜で遊んでるよ。ルミアさんとソフィアさんはビーチパラソルの下で涼んでいるみたい」


 リーアは上目遣いで俺の質問に答えてくれた。

 俺はリーアの言葉を聞いて砂浜の方を見る。

 ユミは1人でお城を作ろうとしているらしい(鼻歌を歌いながら砂をペチペチしている)。


 ルミアとソフィアは……あぁ、たしかに涼んでいるな。

 ビーチパラソルなんて創造した覚えがないから、ソフィアが創造したんだろう。

 ビーチチェアにトロピカルジュースまであるじゃないか……。

 本気出しすぎじゃないですかね、ソフィアさん……。


「リーア。パパも戻って来たことだし、わたし達も海で遊んでこよう?」


「ちょ、ちょっとレーナ!?まだお兄ちゃんと話したいことが……ッ!わ、わかったから引っ張らないでって!」


 レーナはリーアの手を引っ張って海の方に駆け出してしまった。

 リーアは何か言いたげだったが、楽しそうなレーナの表情を見て苦笑いしながら海に向かっていく。

 ……?

 リーアは何を話したかったんだろうか?

 まぁ、後で戻って来たときに聞けばいいか。


 そう思った俺はルミアとソフィアがいるビーチパラソルに向かった。


 ▼


「あら、旭さん。戻られたのですね」


[いきなり【翡翠の鎧】を使用するとは思いませんでしたよ。あの後、リーアとユミが泣き出して大変だったんですからね?]


 俺がやって来たことに気づいたソフィアとルミアがそんなことを言ってきた。

 というか、ユミはわかるがリーアも泣き出したのか……。

 だから甘えて来たのかもしれないな。

 意外とリーアは寂しがり屋だし。


「ごめんごめん。勝敗なんてつけたくなかったからさ。……ところで、2人はなんでパラソルの下で涼んでいるんだ?レーナ達みたいに遊べばいいのに」


 俺がそう言った瞬間、ルミアとソフィアの2人は蠱惑的な微笑みを浮かべた。

 ……なんだ?

 若干嫌な予感がするんだが……。


「紫外線はないとはいえどもこの日差しです。ソフィアさんと話し合って、旭さんにサンスクリーン剤を塗っていただこうかと思いまして」


「サンスクリーン剤……?あぁ、日焼け止めか。それくらいなら構わないが……競泳水着だし、自分である程度できるんじゃないか?」


 どうやらルミアとソフィアは日焼け止めを塗って欲しかったようだ。

 しかし、2人が着ているのは競泳水着だ。

 背中は……まぁ、俺が塗るとして、それ以外は自分で濡れると思うんだが。


[旭、何を言っているのですか?……ふっ]


「白昼堂々肌を見せるのは抵抗があるのですが……ここは旭さん達以外に人がいませんし……んしょっと」


 俺はそう考えていたのだが、2人は何を思ったのかいきなり競泳水着を脱ぎ出した。

 2人の透き通るような肌と大きく実った果実が、俺の眼前に晒される。

 ……なんでいきなり脱いでいるんですかね?


「えーっと……ルミア?ソフィア?なぜに水着を脱ぎ出したんだ?」


[もちろん、旭にサンスクリーン剤を塗ってもらうためですよ。さぁ、身体の隅々まで塗ってください!]


「ソフィアさんの言う通りです。……恥ずかしいので、2人同時に塗ってくださると嬉しいです」


 ルミアとソフィアはそう言ってうつ伏せになった。

 ……俺の目の前には、2人の美女が日焼け止めを塗ってもらおうとうつ伏せになっている。

 しかも、2人同時に塗って欲しいときた。

 ……リクエストには応えてあげねばなるまい。


「…………ゴクッ。よし、わかった。2人のリクエストに応えよう。……【魔力分身】」


 俺は覚悟を決めて【魔力分身】を使用した。

 もちろん意識は本体と共有させてある。

 これで2人同時に日焼け止めを塗ることができるだろう。


「日焼け止めを塗るのは初めてだから、拙いかもしれないが……我慢してくれよ?」


「はい……大丈夫ですよ……。……んっ。」


[私としてはハプニングが起こってもいいんですけれども……。……ふぁっ]


 俺は日焼け止めを2人に塗り始める。

 たださぁ……そんな艶っぽい声を出さないでくれ。

 理性が溶けちゃうじゃないか……。


 ……いや、ここは我慢だ。

 俺は我慢ができる男。

 いつでも猿のように盛ってるわけではないのだよ……!


「んっ……!旭さん、そこはくすぐったいですy……ひぁん!」


[ふむ……好きな殿方から塗ってもらうというのは、自分でするのとはまた感覚が違うのですね……。んぅっ!?あ、旭…… ?そこは敏感なのでもう少し優しく塗ってください]


「……邪念撲滅邪念撲滅邪念撲滅……」


 俺は小声で煩悩を消し去りつつ、ひたすらルミアとソフィアに日焼け止めを塗っていく。

 2人の嬌声が俺の理性を溶かそうと迫ってくる。

 うぉぉぉぉぉ!!邪念!!撲ーーーー滅!!

 堕神官様、俺に力を!!


 ▼


「……はぁ、はぁ……。耐えきった……!耐えきったぞ……!!」


 俺はフラフラとよろめきながら、ビーチパラソルを後にした。

 ビーチパラソルには恍惚とした表情を浮かべているソフィアとルミアが横たわっている。

 度重なる誘惑に……俺は打ち勝った……ッ!!


「あ、にぃに!きてきて!」


 俺が謎の達成感に浸っていると、ユミが俺の前までトテテーっと走ってきた。

 その表情はどこか誇らしげだ。

 一体どうしたと言うのだろう?


「ん〜……?どうしたんだ、ユミー……」


「にぃに……なんかつかれてない?だいじょうぶ?まぁ、いいや。ちょっときてほしいの!」


 元気がない俺をみたユミは一瞬訝しげな表情を浮かべたが、すぐに俺の手を引っ張って砂浜に向かっていく。

 そういえば、砂遊びをしていたな。

 ようやく完成したのだろうか?

 ……そう楽観的に考えていたこともありました。


「じゃーん!どおどお!?これ、ユミがひとりでつくったんだよ!!」


「…………いや、なにこれ」


 ドヤ顔を浮かべるユミの後ろには、それはもう精密な砂の城が建造されていた。

 いや、精密な作りなのは……この際いいだろう。

 問題なのはその大きさだ。


「……ユミ、これを1人で作ったのか?」


「うんっ!たかいところはおそらをとんでつくったの!」


 どうやらユミは【神威覚醒】していなくても天使の羽を出せるようになっていたらしい。

 いや、それにしても……短時間で3mもの城を作り上げるのはすごいな……。


「……よし、【天降る女神】」


 俺は無言でユミに魔力供給を行い、ユミの【神威覚醒】を発動させた。

 ユミの髪色が薄水色に変化していく。

 俺がユミを覚醒させたのは、精神が大人になったユミに詳しい話を聞こうと思ったからだ。

 覚醒前のユミの言葉でもわかるが、抽象的な言い方をよりは詳しく聞いたほうがいいんじゃないか……と思ってのことである。


「……ぷはっ。……お兄様?いきなり【神威覚醒】をするのはどうかと思いますよ?」


「ごめんごめん。……で、なんでこんなに巨大な城を作ったんだ?」


 俺の突然の魔力供給に頬を膨らませていたユミだったが、俺の言葉にドヤ顔をした。

 あ、ドヤ顔になるのは変わらないのね。


「では、説明しましょう。ここはお兄様が私達のために創造してくださった隔離空間ですよね?」


「そうだな。まさかできるとは思っていなかったが」


「それはお兄様だからでしょうね。それはともかく!せっかくお兄様が私達のために創ってくれたのです。それを象徴するものを残しておきたくなりまして……いつの間にかこうなってました」


「……お、おう。そうか……頑張ったな」


「……えへへへ」


 俺は若干どもりながらも自信たっぷりのユミの頭を撫でる。

 頭を撫でられたユミは表情をトロンとさせた。

 ……まさか覚醒しても抽象的な説明になるとは思っていなかったけれども。

 まぁ、頑張ったみたいだし素直に喜んでおくとしよう。


「あー、気持ちよかった……ってなにあれ!?大きなお城ができているんだけど!?」


「レーナ、あれはユミが遊んでいた場所じゃない?……あんなに大きな砂の城をつくるなんて驚いた……」


「いやいや、リーア!驚いただけで済ましていいレベルじゃないよ!?パパ、これはどう言うことなの!?」


 海から戻ってきたレーナとリーアは、ユミが作った巨大な砂の城に驚いているようだ。

 ……一番驚いているのはレーナだけだったりするのだが。

 リーアはユミならやりかねないと言う感じだな。

 ……俺よりもユミのことを理解している気がする。


「ユミ曰く、いつの間にかこうなっていたそうだ。……ってリーア!俺としてはその格好の方が気になるんだが……!」


「……ん?お兄ちゃんどうしたの?……あぁ、水着が透けてること?白スク水は透けるまでが様式美って聞いたから、透けるタイプのものを選んだんだ〜」


 リーアは少し照れながらもそう呟いた。

 まさか透けることまで想定して水着を選んでいたとは……。

 リーア……恐ろしい子ッ!


「まぁ、いいか。じゃあ、まだ時間はたっぷりあるし、そろそろお昼にしようか」


「「「はーい」」」


 俺はそう言って幼女3人を連れて、ルミア達がいるビーチパラソルに向かった。

 この後もお昼のメニューを巡って一波乱があったり、全員が発情してしまったり、新たに温泉を創造したり……と他にもいろんなことがあったんだが……それは割愛させていただく。


 1つだけ言えるのは、隔離空間に海を創造してよかったということだな。

 レーナ達もいい気分転換になったようだ。

 たまにはこういったイベントも必要なのだと痛感した。


 ……後は他の人間が入ってこれないようにセキュリティをしっかりしておくとしよう。

 ゴーレムかなにかを配置しておけば問題はないんじゃないかな。


 こうして俺とその仲間達による夏の1日は終わりを告げるのであった。


 ーーーーーー

「……ねぇ、なんかあーちゃんが面白そうなことをやってる気がするから、行ってきてもいい?」


「ニナ、俺達は今ドラゴンと戦っているんだぞ……?冗談はよしてくれ」


「……ちぇっ」


 とある遺跡でこんな会話が繰り広げられていたらしいが……それが公の場で明らかになることはなかった。

さて、Twitterでのアンケートの結果、暫くは現在のペースを維持することになりました。

更新頻度を保つのがきつくなってきたら、変更する可能性もありますので、ご理解頂けたらと思います。


さて、次回は1話完結の特別編を予定しています。

どんなお話になるのか……お楽しみに。


次回更新は5/30or5/31を予定しています。

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