特別編-夏だ!海だ!スク水だ!?- 前編
特別編1回目は海編です。
それはとある夏の日のことだった。
「あ〜つ〜い〜〜!!ねぇ……パパぁ……。もっと冷房強くしてもい〜い〜?」
レーナはスライムのように床に寝転がりながら、そんなことを呟いた。
ちなみに今日の最高気温は40℃らしい。
一応エアコンの冷房を入れているのだが……それでも暑いようだ。
正直レーナの要望は聞いてあげたいが……俺は泣く泣く心を鬼にする。
甘やかすばかりでなく、厳しく注意することも時には必要……だと思うんだ。
「いや、だめだ。これ以上冷房を強くしたら、外出た時に辛くなる」
「え〜……。パパのケチぃ……」
「レーナおねえちゃんたのしそう……。ユミもいっしょにやる〜!」
冷房を強くすることを拒否されたレーナは、膨れっ面をして床を転がっていった。
転がるレーナを見たユミは、楽しそうに笑いながらレーナの後を追いかけて転がっていく。
……床の方が冷たいからって転がっていくのはどうなんだ?
かわいいから別にいいんだけど。
「レーナさんの言葉ではありませんが……暑すぎますね……。猫耳族の私には辛いものがあります……」
レーナと入れ替わりでやってきたのはルミアだ。
他のラノベでも獣人族は暑さに弱かったが……猫耳族も同じらしい。
ちなみにルミアは下着姿で歩き回っていた。
豊満な胸がたゆんたゆんと揺れている。
「今日は40℃の真夏日らしいからなぁ……。……だからルミアは下着姿なのか?」
「本当は下着も脱ぎたいんですけどね……。流石に恥ずかしいので……」
「いや、下着姿も大概だと思うが……。うーん……このままだと俺の精神衛生上良くないなぁ……。何かいい案はないだろうか……」
ルミアの下着姿は正直眼福なのだが……この状況が続くのはあまり良くない。
何が良くないって、暑いのにさらに汗をかいてしまう行為に及びそうになってしまうのが……な。
[それでしたらプールか海に行くのはどうです?海開きもプール開きも解禁されていますし]
「海はまだわかるけど……この世界にもプールって存在するのか?」
[えぇ、プールもありますよ。旭がいた世界とほぼ同じものだと思ってください]
俺が悩んでいるのを見かねたソフィアがそのようなことを提案してきた。
まさかアマリスにもプールがあるとは。
ソフィアは日本と似たプールだと言っていたが、似た技術を持っているからだろうか?
ただなぁ……1つ問題があるんだよ……。
「プールや海水浴に行くのはいいんだが……。他の男どもにルミア達の水着姿を見られたくないんだよなぁ……」
そう、懸念事項はそこなのだ。
暑い日には海やプールで涼むのが一番というのは分かる。
俺も1人で温水プールに行ったことがあるからな。
だが、そういう場所には……たいてい他の男がいるものだ。
ルミア達の身体を性的な目で見られるのは……我慢できそうにない。
プールや海が男達の不浄な血で汚れるのは時間の問題だろう。
俺はそう思っていたのだが……。
[…………?何故旭以外の男がいるようなところに行かなければならないのです?隔離空間に海を作ればよいではありませんか]
俺の言葉に対して、ソフィアはなにを言っているんだ?という表情を浮かべた。
いや、それよりも気になることを言っていなかったか?
……隔離空間で海を作る?
そんなことできる人間なんかいるの?
……あぁ、俺が作るのか。
「ソフィアさん。お兄ちゃんって海も【クリエイト】できちゃうの?」
ソフィアの言葉に、朝ごはんの片付けをしていたリーアが尋ねてきた。
詳細は聞いていなかったみたいだが、リーア自身も俺が海を創造できるとは思っていなかったらしい。
[えぇ、やろうと思えば一瞬で創造することができます。【神威解放】と私のサポートがあれば問題ありません。……旭、ここは嘘ではないことを証明しなければなりません。今から海を創造しに行きますよ!さぁさぁさぁ!]
「ちょ……ソフィア!?まだゆっくりしたいんだけd…………ちょっ!?力つよっ!?そんなに海で遊びたかったのかッ!?」
俺はやる気十分なソフィアに連行されていく。
ソフィアは【翡翠の鎧】と【狂愛ノ束縛】を発動させて、俺を無理やり引っ張っていくことにしたようだ。
何が何でも俺に海を創造させたいらしい。
どんだけ海で遊びたいんだ……!
「あはは……。旭さん、頑張ってくださいね〜」
「じゃあ、ルミアさん。私達は水着を選んでこよう?レーナ達も誘って、どんな水着ならお兄ちゃんを誘惑できるか話し合わないと!」
リーアはそう言って、ルミアと一緒にレーナ達が転がっていった方に歩いていった。
……くそぅ、俺の味方はいないのか……。
だが、レーナ達の水着は見たい。
正直言ってかなり見たい。
……水着のためにも頑張って海を創造してやろうじゃないか……ッ!
▼
「……本当に一瞬で創造できてしまった……」
[だから言ったでしょう?……まぁ、ここまで広大な海を創造するとは……私も思っていなかったですけれども……]
俺とソフィアは2人して感嘆の息をもらした。
眼前には俺が異世界転移する前には見たことが無いような……エメラルドグリーンの海が広がっている。
照りつける真っ赤な太陽!(紫外線は存在しないので日焼けの心配なし)
太陽の光を反射するほど真っ白な砂浜!! (太陽で熱せられて素足だとかなり熱い)
エメラルドグリーンの透き通った海ッ!!(もはや語ることなし)
……これを俺が創造したと言ってもほとんどの人は信じないだろう。
「とりあえず……レーナ達を呼んでこようか。水着を選んでるみたいだし……ソフィアも水着を選んでおいで。俺は適当に水着を創造するから」
[わかりました。では、私も旭をその気にさせる水着を選んでくるとしましょう。覚悟していてくださいね?]
ソフィアはそう言って隔離空間から家に戻っていった。
うーん……どんな水着を着てくるんだろうか。
ちょっと楽しみだな。
だが……今は一人きりの世界で、滅多に味わえない開放感を楽しむとしよう。
▼
ソフィアが家に戻ってから数十分後。
レーナ達5人が海にやってきた。
「うわ〜……!本当に海ができてる……!」
「これをお兄ちゃんとソフィアさんが……!?隔離空間を作り出せるってだけでもすごいのに……」
「リーアさん、旭さんがすごいのは今に始まったことではないですよ。それにしても……すごいですねぇ……。こんなに綺麗な海は初めて見ました……」
「わ〜いっ!うみだぁぁぁぁっ!!……ッ!?あ、あちゃあちゃあちゃッ!!」
[ユミ……この砂浜は太陽の熱で熱せられてますから素足は危険ですよ。……ほら、しっかりサンダルを履いてください]
ソフィア以外のレーナ達3人は、俺とソフィアが創造した海に見惚れている。
ユミは……うん。
勢いのままに砂浜に駆け出して、謎のダンスを踊っていた。
夏の砂浜って素足だとかなり熱いんだよなぁ……。
「俺もまさか海を創造できるとは思わなかったけどな……。ところで、なんで皆はパーカーを羽織っているの?」
海にやって来たレーナ達はパーカーを羽織っていた。
水着姿を期待していた俺としては……少し残念だ。
俺だけが水着姿って……なんか孤独感を感じてしまうじゃないか。
「ふふふ……。残念そうな顔をしているけど、安心して?この下に水着を着ているの!順番に脱いでいくから……楽しみにしててね!」
レーナの発言と同時に5人は並び始めた。
……え?
今から始めるの?
「えー……と。じゃあ、最初はわたしとリーアからだね!」
「ふふ〜ん。お兄ちゃんはこの水着が好きなのはリサーチ済みだからね!私とレーナの勝利は揺るがないんじゃないかな!」
レーナとリーアはそう言うと……勢いよくパーカーを脱ぎ捨てた。
いや、正直勝敗とかはないと思うんだけど。
俺はそう呆気にとられていたのだが……次の瞬間、別の意味で呆気にとられてしまった。
「……なん……だと……ッ!?」
パーカーから現れたのは……なんと白と紺のスク水だった!
レーナが紺色、リーアは白色だ。
しかも……旧スクである……。
大切なことなのでもう一度言おう、旧スク……で、ある……ッ!!
マジか……俺が一番好きな水着じゃねぇか……。
「うんうん。やっぱりこの水着を選んだのは正解だったね、リーア!」
「だねッ!お兄ちゃんの画像フォルダにこのスク水があったし!」
レーナとリーアはハイタッチして喜んでいる。
勝利を確信したかのような喜びようだ。
まぁ、勝利とか負けとか関係ないんだけど。
「つぎはユミのばんだよ、にぃに!!」
そんな2人を見たユミは、自信満々の表情を浮かべて俺の前に来た。
お?ユミはどんな水着を選んだんだろう?
ワンピースかな?
「にぃに……これがユミがえらんだみずぎだよ!」
ユミはレーナとリーアに倣って、パーカーを脱ぎ捨て……ようとして逆にもたついた。
うんうん……。
レーナ達の真似をしようとして逆にもたついてしまうのは……非常にかわいらしい。
「……ぷはっ!どおどお!?にぃに、このみずぎ……にあってる!?」
「かなり似合っているよ。だが、これはこれで……絵面がやばいな……」
ユミが選んだのは……レーナとリーアと同じスク水だった。
しかし、ユミが着ているのは新スクだ。
ユミの幼い身体にスク水はとても映える。
……後で【神威覚醒】をしてあげよう。
新スクには覚醒後の髪の方が似合う気がするし。
[さて……最後は私とルミアですね]
「そ、ソフィアさん……。ほ、本当にやるのですか……?普通に披露すればいいと思うのですが……」
[何を言っているのですか、ルミア。私たち大人組がロリコンである旭を誘惑するにはこれしかないと話し合ったでしょう?]
ソフィアとルミアはそう言いながら、ユミと入れ替わりで俺の前にやってきた。
ただ……ルミアの顔が真っ赤になっている。
それにしても……何をするつもりなんだろう?
というか、ソフィア?
さりげなくロリコン扱いしないでくれ。
真のロリコンならルミアとソフィアに反応しないだろう?
[では……いきます。……【聖光の塔】!!]
ルミアとソフィアが光の柱に包まれた。
わざわざこんな演出をするとは……。
どんな水着を着て来たのだろうか。
……ビキニ……はありえないよなぁ。
[旭、お待たせしました。では、私たちの水着姿……とくとご覧ください!]
そんなことをのんびり考えていると、光の中からソフィアの声が聞こえて来た。
声と同時に【聖光の塔】が消え、ルミアとソフィアの姿が明らかになった。
「……おいおい、マジかよ……!」
ルミアとソフィアが着ていたのは競泳水着だった。
ルミアが紺に赤のスリットが入ったもの。
ソフィアは黒と白のツートンカラーのもの。
どちらも後ろが大きく開いており、綺麗な背中が白昼に晒されている。
……いや、それはほんの序章に過ぎないだろう。
ルミアとソフィアは胸を強調するようなポーズをしていた。
2人のたわわに実った果実の深い谷間が……これでもかと強調されている。
……これはズルいなぁ……。
[ふふふ……。どうですか、ルミア。旭の視線は私たちの胸に釘付けですよ?]
「たしかに嬉しいですけど……ものすごく恥ずかしいですからね!?」
ソフィアはドヤ顔でルミアに話しているが、ルミアは尻尾をピーンと伸ばしてソフィアに反論している。
いや、恥ずかしいだろうなぁとは思うけど……正直眼福でした。
「パパ?誰の水着が一番良かった?」
「もちろん私とレーナだよね?」
「ユミのみずぎがいちばんだとおもうの!」
「旭さん……私とソフィアさん……ですよね……?」
[ルミアの言う通りです。レーナたちにはない色気を醸し出している私たちでしょう?]
俺が目の前の光景をスマホで写真に残しておこうと準備していたら、レーナ達5人がじわりじわりと迫って来た。
……え?なに?
今決めないといけないの?
正直どの水着も俺のストライクゾーンに響いたんだけど……。
「……正直言って、勝者は決められない。さぁ、遊ぶぞ!準備体操はちゃんとやらないと足を釣る可能性があるからしっかりやるように!お、俺は……体操を済ませてあるから先に遊んでくる!…… 【翡翠の鎧】!!」
「「「「[あーーーー!!]」」」」
誰が一番かなんて決められるか!
俺は【翡翠の鎧】を発動して、その場から離脱した。
レーナ達5人の恨めし気な声が聞こえて来たが……。
せっかくの海なのに、勝者だ敗者だの決めたくないんだよ!
俺はそんなことを考えながら、エメラルドグリーンの海に飛び込んでいくのだった。
1話完結にしたかったのですが……私の力では無理そうだと思ったので、前後編に分けることにしました。
ちなみに、水着はフォロワーの24さんが描いてくださったイラストを参考にしています。
さて、この度5ヶ月で100話を到達することができました。
来月からは正社員としての新たな人生を歩み始めます。
そこで、更新頻度の見直しをしたいと思います。
Twitterの固定ツイートに明日まで行なっているアンケートを載せておきますので、よければ投票お願いします。(@ishikayaishiya)
次回の更新は5/28を予定しています。




