22話『チェンジドラゴン・ディスクリプション その4』
「ウヌゥ! 喰らうか! ドラゴンは喰らう側の生物だが、攻撃はもう喰らわん! そのボールの攻撃力はわかった、だがどっちみちスピードが、チンケなんだよ!」
ティミミアは体勢を立て直し、翼を使い空中を凄い速さで動き、容易く避けた!
そしてトシマに突進しながら、口から何かを放出!
「先ほど岩石を口に含ませてもらった……! それを強靭な牙で砕き、岩の弾丸を作る……喰らえッ、岩石マシンガンだ!」
理屈はティミミアが喋った通りなので説明はしないでおく!
ティミミアの口から放たれた細かな岩石の弾丸がトシマを襲う!
「遠距離攻撃もできるとはさすがドラゴンだな! だが螺旋は師匠から学んだ技術! 攻撃だけに使う物じゃない! ガレン離れて!」
「アイアイサー、ま、火を吹かないだけマシかもなあのドラゴン」
ガレンは特有の俊足でその場をサッと離れ、弾丸の攻撃範囲からたやすく抜け出した。
一方トシマは、なんと仁王立ちだ!
「なんだどうした諦めモードか、トシマァ!私の弾丸で苦しみに至りながら死ねェ!」
無数の弾丸、トシマの体に命中しまくっていた、なのに!
トシマの体には傷ひとつすらついていないのだ……決して避けているのではない、岩の弾丸はトシマの体に触れると、力なくポトポトと地面に落ちるのみ……。
ティミミアの弾丸の威力がショボいワケではない、現にトシマに当たらなかった弾丸は、地面に穴をあけ、岩を砕く程だった。
「なに!? 効かない! なぜだ!」
「俺の螺旋の技術は、この身体にも発生させることができるんだ。気を螺旋させるのが俺の技術だからね、気というのは体から発するものだし、うん。攻撃力だけを螺旋に変え、俺の身体を突き抜けさせた、だから俺の身体にダメージは残らない、という事だね。弾丸みたいな小さな物の威力しか通過させられないけど、巨大なものはちょっと無理だ、ごめん俺説明苦手だ」
「なるほど! 貴様に銃撃が効かない理屈はソレなのか、と納得した! ……偉そうに説明してもらってる最中悪いが、直接噛み砕いてやる!」
「しまったやばい避けられない!」
「トシマばか、こっちこいオラァ!」
一気にピンチになったトシマをガレンが助ける。
トシマの横腹に思いっきり突撃し、トシマを吹き飛ばしてティミミアの突進をかわした!
「ハードネス!」
トシマとガレンがそのまま壁に激突する寸前、エルスがハードネスの魔法をかける。
そのまま壁に激突するトシマとガレン、しかし大した怪我はしなかったぞ。
「トシマァ、俺を盾にしてくれた復讐パート2を兼ねて、助けてやった貸しも作ってやったぜヒャハハ」
「オエェ……いてぇ、ガレンお前……いや、今は後だ。エルスさん! ありがとう!」
トシマのお礼に、エルスはこころよく返事をする。
「いえいえ、どーいたしましておやすいごよう、ん?」
そんな彼女に、旋回してきたティミミアが突っ込んできた、鮮血に染まった強靭な尻尾で、エルスをひっ捉える!
「うああああぁっ!? 」
「エルスさんが捕まった! ヤバイ!」
ティミミアは尻尾で捕らえたエルスをトシマとガレン、あとノドカに見せ付け……。
「非力な男性諸君、か弱い女の子がフルーツ感あふれるジャムになるところをよォーく見るんだなぁ、しょせん男など、女を愛し守る立場などと言われておるが、ゴミの化身よ。女の方が優れており、見るに堪えるという意味だが」
そんな絶望的な状況、とにかく打破しなくてはならない、トシマは思考する、一方ガレンはなんか喋り出した。
「トシマァやべーぜどうするよ? ていうかあの女の、男を忌み嫌う口ぶり……レズビアン的なものか、男に相手にされない哀れなババアの愚痴か、どっちかね」
「ガレン……多分ティミミアっていう人の整った外見を見る限り、前者だとおもうけど……ってどうでもいいわ、助けなきゃ!」
ティミミアがほんの少し、尻尾に力を加えればエルスは死ぬ。
「あ、アクアトップコートぉ!」
エルスはティミミアの尻尾に水の魔法、アクアトップコートをかけた!
ちなみにだがエルスの魔法(2種類しかないけど)視界に入っている物や人物に、魔法的な念を送り防御的な作用を付けるのだが。
全身を見ることができない自分自身には、魔法を発動することができないのである。
よってここは、ティミミアの身体にアクアトップコートをかけたのだ!
「こしゃくな、それでいてあじなまねを!」
ティミミアの尻尾は水の膜を表面に張ってしまったことで「エルスを滑らせてしまい」エルスは地面に落ちることで助かった!
「あうっ、痛ぁ……」
だがティミミア、すかさずその長い首を利用して地面に落ちているエルスを噛みくだこうとする!
「るおおおお! 螺旋ボール!」
そうはさせるかと言わんばかりにトシマが螺旋のボールをシュートした。
ティミミアは、先ほどの不意のダメージがフラッシュバックしてか、ややオーバーにその球を避ける。
その隙に俊足を活かし、ガレンがエルスを連れ帰る。
「よしっ! ガレンでかした!」
「ヒャハハ余裕のことよ」
「うああ助かりました、ごめんなさい!」
喜ぶトシマ他二名に、ノドカが声をかける。
「トシマ受け取れ!」
「ファ!?」
突然トシマめがけて何か巨大なものがとんできた。
人だ、人物だ、それを投げるノドカもどうかとおもうが、トシマは全身を利用してキャッチ、もとい、したじきになった。
「彼女は生きている、応急処置だが、俺の血を輸血して助けておいた」
ノドカはあらかじめ自身から溢れ出る血を利用して、スカーレットに輸血していたようだ。
と言っても彼女の傷口から血を送り、血液の中の鉄分を磁力で操り、なかば強引に血液を循環させて、そこいらの布で腹の傷を覆っただけではある。
「俺自身の傷も鉄分を操作して一定時間は止血できる、その間は戦闘できるからトシマ、彼女を安全な場所へ!」
「ノドカさん私も協力します! ほら、犬さんも行きましょ!」
「ウボァー尻尾を掴んでひきずるんじゃねぇ~この女アー」
ノドカ、エルス、ガレンはまとめてティミミアに特攻する!
残されたトシマは、スカーレットを安全な場所へとひきずった。
「良かった……スカーレットは生きていた!」
「ト……シマ」
「いやストップ喋っちゃダメだスカーレット」
「いいえ、言わせて、この戦いが終わったら私のほんとうの名前……あなただけに教えて、あげる」
「うわ、ちょっと待った本当に喋らないで! なんかフラグっぽい、死ぬ方の!」
「あなたにあげた……オーパーツ、多分あなたなら、あなたの気の力をもってしてなら、使えるはずよ……螺旋という技術を体得したあなたの才能があれば、きっと、そのタイプZのオーパーツを」
「なんだって!? それは本当かい!?」
「ええ、私があげたオーパーツ(タイプZ)を首にかけてみて、そうすれば……」
その言葉のまま、トシマはオーパーツをポケットから取り出し、首にかけた。
一見ただのペンダント、だがその状態のままトシマが気の力を使いボールを生成すると、そのペンダントが光り輝いた!
一方ティミミアVS三人組。
「だめか、俺の反発蹴りを隙を見て何回か打ち込んでいるが、びくともせん! やはりこのドラゴンの装甲、無敵か!」
「ヒャハハ、ちなみにおれはエルスとかいう女を背中に乗せてヨッシーしてるぜ!」
「ありがとう! 私皆さんと違って体力には自身がないから、あのドラゴンの攻撃を一切よけられないんで助かります!」
「トシマの硬いケツよりはマシだから許しといてやるぜ! 俺の俊足ならこんなドラゴンもどきの攻撃、当たりやしねーぜ! 」
ちょこまかと動く三人に若干むかつきを覚えつつあるティミミアはなんとも乱暴な攻撃をくりかえしていた。
「たかる虫どもが……全ての足を、臓器をえぐり取ってやるのは容易いことだ! 一撃さえ当たればお前らは死ぬという意味だが!」
「うおわぁ!」
そのとき、ガレンの一瞬の、方向転換する際の一瞬の隙をつき、ガレンを腕の爪で吹き飛ばした!
爪の鋭利な部分ではなく、付け根の部分でなぎ飛ばされたため、体に突き刺さったりはしなかった、ものの!
「し、しまったァ……!」
その腕力の凄まじさにより、ガレンとエルスは上空に投げ出された!
上空に居る、それはすなわち……!
「果てしなく恥を晒し、隠れる穴を用意されていない愚者のようだぞ! 限りなく無防備で、恰好の的だという意味だが!」
ガレンとエルスに、二撃目の巨大な爪攻撃が押し寄せる!
彼女の全身全霊を込めた全力の爪攻撃、名付けるならば「クロー・オブ・デスクリプション(爪で斬り殺す描写)!!」




