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26つのオーパーツと異能戦争  作者: 真鍋棒
冒険者集結
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20話『チェンジドラゴン・ディスクリプション その2』

「トシマ……ダメ、ティミミアには絶対勝てない……ティミミアは組織の幹部の中でも相当の実力者、最強と言っていいわ」



「そんなことやってみなきゃわかんないと思うよ? あ、話と関係ないけどさ、俺たちはもうホラ、同じ敵と戦う仲間みたいなもんじゃない? 助け合おうよ、うん」



案に「逃げて」という言葉をあっさりスルーされた手前、仲間に引き入れられるこの感じ。

強い敵ということで緊張し気味のトシマのまあまあ適当なこの発言、だが悪い気はしなかった。

彼女はすこし肩を落とし、喋り出す。



「私なんかが仲間、助け合いだなんて……めんどうくさいことになるんだってば、だから……」



「大丈夫だよスカーレットさん、もうめんどうくさいことには巻き込まれ済みで進行形だよ、大丈夫。よしいくぞガレン、準備はいいか!」



「俺みてーな動物が何を準備するんだって話だがな、準備いいぜ!」



そんな三人のやりとりを拝見したのち、ティミミアは歩みを止め、嘲笑する。



「ふ、スカーレット……炎の象徴とされる色だな、そうか儚いな……いずれ消える灯火か。死を受け入れ信じる者に託すか貴様は……私には敵わないと分かっている点は褒めているという意味だが」



「私が仲間になったところで、組織に殺されるのは分かり切ってる、命は終わる。そうしたら彼らの心の中で、私の死と言う重い荷物がのしかかっちゃうじゃない。そんな荷物背負わせるなんて、ありえないったら……私は気が利く女なの、荷物ぐらい自分で持つわ、持ってあげるわ」



スカーレットの悲しそうな、それでいて覚悟をして、受け入れたような凛々しい顔つきを見てトシマは、唾を飲んだ。

なるべく平和に生きて行きたいトシマも、今は戦いたいという気が溢れてくるのだ。



「チッ、じゃあ殺させてもらう」



そう言うとティミミアは深く目を瞑り……すぐに大きく目を開く、瞳孔も開き切る。

そうすると右目、彼女の右目がグルンと一回転し、真っ赤な目に変わったのだ!



「シェーヌさん! 私たち空気になってるみたいなんで、とりあえず大きくリアクションとっときますね! オホン……うわあぁ! なんですあれ!? 目が回転して、赤色の目になった!?」



「やるじゃんエルス、リアクション芸ね(適当)」



「これが私のオーパーツ、タイプD……その能力の性質は、ドラゴン(Dragon)!」



そう言い切ると、ティミミアの右目が光を放ち、大地が砕け、周りの家屋などを倒壊させた、その破片達がティミミアの周りに外殻を作り……巨大な飛竜へと変貌を遂げたのだ!

挨拶がてらとでも言うばかりにに巨大な尻尾を振り回し、石造りの建物を容易く粉砕して見せた。



トシマ、ガレン、シェーヌ、エルスは驚愕の声を張り上げる。



「ちょ、ドラゴン!? そんな能力アリィ!?」



「トシマァ……ありゃ見掛け倒しの幻術とかじゃねぇみたいだぜ……マジにドラゴンだ」



「あら~……さっき戦ったシュリヒトとかいうオーラ体の化け物よりデカイわぁ~……」



「シェーヌさんこれは、私たちも加勢しましょう! これは加勢しましょう!」



「ふふ、エルス、そうね加勢したいわ。二連戦で大いに腕を振るう主人公なシェーヌさん、見せたいわ……でもね」



そう言うとシェーヌはその場にぶっ倒れた、どうやら前回の戦いのダメージがめちゃくちゃ残っていたようである。



「シェーヌさあぁぁぁぁん!」



「むー……彼女は私が引き受けよう、うん……」



突如シェーヌとエルスのもとに、二人の人間が現れた。



「あわわ、えと、お二方、一体どちら様ですか?」



「私はソニアという、ふー、あっちにいるトシマの知り合いだ、まあそれだけ、とにかくこの子は助けよう」



「ノドカという名前だよろしく、あっちにいるトシマの師匠から頼まれたソニアに頼まれてお前達冒険者の一員に加わる事になった、派遣の冒険者と言ったところだ」



トシマの師匠の孫娘ソニアと、彼女を病院に連れて行く役目を担った冒険者のひとり、ノドカだ。



「アッ、ソニアさんなにやってるんですか?」



トシマがソニアに反応するが、それに対してとくに言い返すことなくソニアはシェーヌを抱きかかえる。



「彼女は病院に連れて行っておく……トシマへ渡す師匠からの手紙、レイジとかいう青年に渡してしまった。ので、後で見せてもらって……じゃこの子を病院に連れて行ったら私は帰る、むしろ帰りたい……じゃ」



ソニアは一行に背を向けそそくさと去って行った。

そんな彼女を見送ったのち、ノドカが口を開く。



「遠くから聞いていたが、そこのドラゴン、確かオーパーツはDと言ったな……レイジから聞いている、Dの者とRの者を倒すのだと、組織の中でも特に重要な幹部にあたるということだな」



相棒が居なくなったエルスは、ぽかんとしていたが、ノドカの言葉に反応を示す。



「えっ、そうなんですか? それならやっぱり戦うべきなんですね、力を合わせて! ノドカさんが仲間だって事で、えと、いち、にい、さん……私を含めて今この場に合計五人!」



着々と集まる仲間たち、その仲間たちはトシマやノドカの仲間でもあるが、スカーレットの仲間でもあるのも変わりない。トシマはスカーレットの顔を見てニヤリと微笑みを浮かべる。



「うわ」



「ガレン黙ってろ。スカーレットさん、これだけの数が揃ったんだ、なにも一人で戦って、勝手に死ぬことを受け入れたりするのはよくないと思うよ。俺たちはそりゃぁ、のんきな冒険者かもしれないけど、力を合わせて大きな敵を討った経験はあるんだ、スカーレット、今はスカーレットも仲間だよ」



「トシマ……! さりげなく呼び捨てに切り替えるなんて、あなたも隅に置けないわね」



スカーレットとトシマは向かい合い、互いに笑顔を浮かべる。



その様子を傍観していたティミミア(ドラゴン)が頭をボリボリ掻きながら、五人に向かって言う。



「うーんもういいかい、貴様らの仲間が多いのは分かった、そうだな、仲間が多いのは良いことだな。群像劇ってやつかな、でもな、貴様らみたいな蟻に群像劇は無い」



エルスはその言葉にかみつく。



「ちょ、なんですかいきなり蟻呼ばわりですか!?」



「ちっこいゴミみたいな命に群像劇は無いという意味だが? そうだな、誰か一人ムゴく殺してみるか、一生仲間なんて作りたくなくなるくらい、仲間がフルーツジャムになる世界を見せてあげるか、そうだな」



そう言い終わるとティミミアは羽を広げ全速力で突っ込んできた。

トシマが叫ぶ、大いに叫ぶ。



「うおおおお! きたきたきたきたぁ! こっちも対抗しろおおぉ!」



その言葉に反応し、エルスとノドカが動く!

今取るべき行動それは、防御だろう!



「即興だが防御の為に力を合わせるか、えっと確か名前は」



「エルスと申します、以後お見知りおきを! ノドカさん! 同時に動けたって事はお互いに防御行動に自信があるってことですね?」



「その通りだ、俺の能力は磁力……先ほどあのドラゴンが尻尾でぶち壊しこちらに飛んできた岩石の欠片たちを使わせて貰おう!」



ノドカは地面に散らばる岩石たちに「反発蹴り」をお見舞いし、その岩石たちが宙を舞う。

その瞬間、二度目の「反発蹴り」を空中の岩石に追撃し、磁力を送り込む。

すると、岩石同士がくっつき簡易な岩の壁が出来上がった!



「しかし磁力でくっつけただけでかろうじて壁に見えるだけのこの壁、少しの衝撃で倒壊するのは言うまでもない」



「私の防御魔法の出番ですね! ハードネスの魔法をこの岩石にかけて硬質化、本当の強固な壁にしちゃいます!」



お次にエルスの言葉通り、ハードネスの魔法がかかり、岩石の強固な壁「ストロングバリア」が完成した!



「ウゴオオォ!?」



ティミミアはその壁に激突、頭突きで突破を試みたが、ストロングバリアには敵わなかった!

大喜びするトシマ、いけそうだ、このチームワークっぷりならきっと!



「やった! 奴の攻撃は防げる事が証明されたぞっ!」



大喜びするトシマを嘲笑するかのごとく、ティミミアは羽を大きく広げストロングバリアから距離をおく。



「私のこのドラゴン能力、最も攻撃力が集中する箇所は大きく挙げてみっつ! この強固な顎部! 両前足の爪! そして尻尾よ!」



そう言い終わると空中で大きく尻尾を振り回しストロングバリアを軽々とぶち壊した!

その攻撃力は凄まじく、後ろに隠れていた五人は全員ふっとばされたのである!



「うわああぁ! なんて奴だ、こんな、こんな攻撃力を持ってるなんてぇぇ!」



「トシマ掴まれェー! お前受け身とれねーから死ぬぞ! 激突死、お前にはピッタリだが地味すぎだろオ!」



「ありがとガレン! 略してありガレン!」



「喋んな舌噛んで死ぬぞお前」



ガレンに頼り、なんとか助かったトシマ。

ノドカは磁力の反発を利用しなんとか着地、エルスも着地点の地面にアクアトップコートを発動し、クッション代わりに使用しことなきを得た。


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