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不破一族の多世界征服記~転生者一族の興亡史~  作者: 伊達胆振守(旧:呉王夫差)
3章 対ミュルクヴィズラント王国戦争
34/206

33 アイヌ兵VS.大勢の修道女

 仕方ない。ここは引き続き、味方を後ろから援護しつつ、2人の戦ぶりを刮目しよう。

 と、その前に、レスノテクやリシヌンテ、それにアストリッドのステータスを確認するのを忘れていたな。

 まずはレスノテクから。


――――――――――――――――


 名前 レスノテク


 HP 3270/3270

 MP 465/485

 攻撃 353

 防御 270

 魔攻 170

 魔防 186

 敏捷性 342

 名声 5408


――――――――――――――――



 やはり戦い慣れている女性とは言え、俺ほどのチート能力は無いか。

 でも、蠣崎軍の他の武将よりはステータスは高い。アストリッドを協力して抑えるぐらいには十分だろう。


 次はリシヌンテ。


――――――――――――――――


 名前 リシヌンテ 


 HP 3986/3986

 MP 622/708

 攻撃 194

 防御 228

 魔攻 465

 魔防 428

 敏捷性 209

 名声 5800


――――――――――――――――



 俺は一瞬目を疑った。

 いやいや、確かにリシヌンテは巫女の格好をしているから、そっちの修行も積んではいることだろう。

 でも、もともとこの世界に魔力に類するものなんて、何も無かったはずだぞ?

 なんでそんなに魔攻、魔防の値が高い?


 まあ、それはおいおい分かるとして、最後はアストリッドか。


――――――――――――――――


 名前 アストリッド・フォーゲルクロウ


 HP 8677/8737

 MP 2601/3129

 攻撃 151

 防御 137

 魔攻 1483

 魔防 1316

 敏捷性 124

 名声 11757


――――――――――――――――


 やべえ、魔法方面の能力値が滅茶苦茶高い。

 さっきの詠唱魔法の攻撃力の高さは、彼女の能力値によるものだったのか。

 て言うか、ミュルクヴィズラント王国ってどんだけチートな連中の集まりなんだよ?

 昨日のブレンダといい、異常な戦闘力の持ち主が多い。くそ、羨ましいな……。


「この私めを謀ったこと後悔させてあげます。死になさい」


「それを言うなら、勝手にアタシたちの土地を荒らしたこと、後悔させるわよ!」


「おー!」


 互いに戦意を再び剥き出しに、アイヌのコンビはアストリッドの聖職者部隊向かって、戦を仕掛けていった。


 

 ……ああ、ダメだ。やっぱり女の子だけに戦わせるのは、性に合わん。

 

「……母上」


「五郎? どうしたのですか?」


「俺の肩と腕、揉んでくれませんか?」


 せっかく2人の女の子がアストリッドと戦ってくれているのに、目の前で何も出来ないのは悔しい。

 そこで少しでも回復することを願って、俺は母にマッサージを依頼した。


『天にまします聖女神様よ。天意に逆らう者に天罰を。神への償いハイリヒ・シュトラーフェ!』


 そして目の前では、女性同士の争いが行われていた。

 早速アストリッドは強力な白いビームを再び発射し、2人を確実に追い詰めていく。

 がしかし、レスノテクとリシヌンテの敏捷性はアストリッドより上。兵士達をまとめて一瞬で葬り去った一撃を、軽々かわす。


「当たらない、当たらな~い~」


「アタシの仲間の仇、討ち取らせてもらうわよ!」


 続いてレスノテクがアストリッドに急接近。短刀を取り出し、近接戦に持ち込む。

 近接戦でもレスノテクが上。中・長距離の攻撃魔法が主体のアストリッドには不利な態勢となる。

 

『天にまします聖女神様よ。我らにご加護を……』


「させないわよっ!」


「!」


 アストリッドが、一旦効果が切れた『聖なる加護(ハイリヒ・ヒルフェ)』を再発動させようとするも、レスノテクの短刀が彼女の呪文詠唱を阻止。

 レスノテク特有の素早さが、相手を翻弄する。


「くっ! これは、聖女神様の試練でしょうか……」


「無駄口叩いたら死ぬわよ!」


「きゃっ!」


 息つかせる暇もなく、レスノテクがアストリッドを追い詰めていく。


「……戦っているのが、シスター・アストリッドだけではありませんよ」


 一方2人の外側では、聖職者部隊の兵が2人のアイヌを集団でミンチにしようと構える。

 決闘に夢中になっているレスノテク。このままでは、取り囲まれるぞ!


「それを言うなら、こっちだってアタシとリシヌンテだけじゃないわよ?」


「何ですって? ……は!」


 だがレスノテクはあくまで余裕を見せ、聖職者部隊の背後を指差す。


 修道女達が一斉に後ろを向くと、そこにはたくさんの人影。総数は200名前後といったところ。

 そう、さっき壊滅したはずのレスノテクの部隊が槍を構えていたのだ。


「嘘でしょう……有り得ない。シスター・アストリッドの『神への償いハイリヒ・シュトラーフェ』を喰らって殲滅されたはずじゃ……」


「みんな~! いっけぇ~!」


「おおおお!」


 あのビームを喰らって無事だった? いやそんなはずはない。

 ということは、この人たちはどっか攻撃魔法の当たらない所に潜んでいたわけか。

 

「伝令で、あんたたちが怪しげで強力な攻撃技術を持っているのは知っていた。だから、わけのわからないものを唱えたら、分散して潜伏するようにあらかじめ伝えてあったの」


「……おもしろい。ですが、私めには弱小勢力と遊んでいる暇はないんです。早々に片をつけさせて頂きます」


 いい調子だ。王国軍側は寡兵に苦戦し、ストレスが溜まっているようだ。

 早くつぶして、士気を回復させたいところなのだろう。でもそれこそ俺達の思う壺ってやつだ。


 順調に相手を押し返していくアイヌ兵。聖職者部隊の隊列が前方から徐々に乱れていく。

 だがここで、俺たちは目を疑う光景を目の当たりにする。 


「おっとここで~! ボクから面白い攻撃を見せちゃうよ~!」

 

「……え?」

 

 リシヌンテが空中に飛び出すと、ここでなぜか彼女は、まるで王国軍兵士のような詠唱を唱え、大きな白い球を出現させた。

 あれ? まさかあれは、魔力で出来たやつ……?

 そんなはずはない。向こうと違って戦国時代の日本(こっち)では、それを発動させることは不可能なんじゃ……。


白刀弾(レタル・ニペック)!」


「いやあああああああ!!」


 衝撃的な光景だった。

 今まで、王国軍のみが発動できていたはずの攻撃魔法が、なぜかアイヌの巫女からも発射されていたからだ。

 白い光線が、聖職者部隊の兵士を次々に駆逐していく。


「へっへっへ~。これがボクの特別なチカラ~。なんちゃって~」


 これは一体どういうことなんだ? 教えてくれ、ミネルヴァ、フレイア……。  

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